SCP 1週間目(記録)

1.記録をとる

まず、最初のステップは記録をとることです。

抜毛症支援センター(以下TSC)のブログやホームページの中でも少しでてきますが、抜毛症はその程度によって2つに分けることができます。

・無意識のうちに抜いてしまう 無意識抜毛
・止めたいのに止められずに抜いてしまう 強迫抜毛

記録をとることで自分の現在の状態と、行動パターンが明らかになります。
無意識の抜毛行為が多いのか、強迫的な抜毛行為が多いのかを知ることは、今後どのような対策をとっていくかを決めるのに非常に大切です。

あなただけのプログラムをつくるために、記録することは欠かせません。
記録は今日から6週間後のすべてのワークが終わるまで、できるだけ毎日続けてください。
記録できない日があっても、その次の日は記録する努力をしてください。

もしかしたら記録を取り続けるのが一番大変かもしれません。

ですが、記録がないとプログラム全体があやふやなものになってしまい、充分な効果が得られません。
プログラムを成功させるために、是非とも頑張って続けていきましょう。

記録のしかた

内容を説明しますので、抜毛症支援センターのホームページにある「記録シート」を見てください。
記録シートには、何も書かれていない印刷用シートと、書き方サンプルと書かれたシートが2枚あります。

実際にあなたが書いていくのは何も書かれていない印刷用の記録シートです。
今は説明のため、事例が書いてある書き方サンプルシートを見ながら続きの解説を読んでください。

いつ(日付と時間)おこったのか
抜毛行為がおきたらその都度記録します。1日に30回抜毛がおきたのならできる限り30回記録します。毎日毎回記録することで抜毛行為がよく発生する時間帯や曜日(例えば平日なのか休日なのか)がわかります。

どこでおこったのか
その場所を記録します。リビングや自分の部屋などプライベートな場所なのか、職場や学校などの公共の場所なのか。どの場所にいるときそれがよく起こるのかがわかります。

何をしていたのか、しているのか
何をしているときに抜毛行動がはじまったのか、抜毛行動が始まる前にしていたことを記録します。電話をしているとき?宿題をしているとき?パソコンに向かっているとき?運転しているとき?
何をしているときに抜毛行為がおきやすいかわかります。

その時の状態
座っているのか、立っているのか。それとも寝ているのかを記録します。さきほどの、何をしていたのか、しているのかとあわせて記録します。
電話をしているときならどんな体勢だったのか?テレビを見ているときならどんな体勢だったのか?何をしていたのか、しているのかを具体的にしていきます。

どんな気分、感情なのか
その時の感情を記録します。イライラしていたとか落ち込んでいたなど気分や状態、疲れてヘトヘトだとか身体の感覚も記録できるといいでしょう。

その前に何がおきたのか
その気分、感情になったまえに起きた出来事やきっかけを記録します。例えば、イライラしていたのは学校で先生に怒られたから、落ち込んでいたのは仕事でミスをしてしまったから、といった具合です。気分、感情になった理由を考えるとわかりやすいと思います。

どのくらいの強さか
抜毛行為の強さを記録します。強さに応じて0~100のスコアをつけます。気づいてすぐに止められたのであれば0点、止めたいのに止められなかったのであれば100点側です。
数値は自分の感覚でつけてOKです。こまかく数字を気にする必要はありません。

以上、この記録を抜毛行為がおきた後に記録するようにしてください。
記録は後から思い返してまとめて書くよりも、抜毛行為の後に記録するようにするほうがいいです。

書き込むのが難しいところは空欄のままでもかまいません。
きれいに完璧に書き込む必要はないので、楽な気持ちで取り組んでみてください。忙しいときであればなぐり書きでも構いません。とにかく続けることが大事になります。

また、エクセルファイルがダウンロードできるようになっていますので、自分の使いやすいように作り換えてもらっても構いません。スマートホンやタブレットに入れるのもいいアイデアかもしれませんね。

続けるコツ
学生のうちは毎日宿題をする習慣があるのでこういった毎日続けるワークには慣れているかもしれません。親御さんの協力があれば毎日続けるのは難しくないでしょう。

反対に、社会人は学生のように家でする宿題がありませんから、途中で続かなくなるケースがあります。そんな場合はつけた記録シートを相談できる誰かに見てもらうようにしましょう。

面倒くささを少なくするために、手帳タイプのリフィルにして持ち歩くのも一つの方法です。
印刷用の記録シートにはA4,A5、B5の3種類のサイズを用意しています。
あなたが普段使っている手帳やリフィルのサイズに合わせて印刷しておけば手帳同じ感覚で使えます。

毎日記録をするのは大変ですが、頑張って続けていきましょう!
それではこれで1回目のワークを終わります。
まずは一週間チャレンジしてみてください。

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