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【税理士試験】計算問題のSpeedを上げるためにはPart1

このnoteは私が税理士試験の受験生だった時代に書いていたブログのリライトです。現在の試験制度と違う情報があるかもしれませんが、その点はご了承ください。

先日note『【税理士試験】簿・財・消の総合問題で高得点を狙うための3つのS』で、税理士試験の合格戦略として取るべき戦略の1つは、「計算問題で40点オーバーを狙う!」だと書きました。

ただ、これだけで漠然とし過ぎていて、何から手をつければいいのかよく分かりません。そこでこの戦略を踏まえて具体的なものまで落とし込んだ戦術の3つのSがこちらです。

<計算で高得点を取るための3つのS>
(1)Speed(スピード強化)
(2)Slip(凡ミス撲滅)
(3)Sense(感覚を磨く)

それではこれから複数回に分けて、この3つのSを細かく見ていきましょう。

1.Speed(スピード強化)

ポイントは電卓を叩くスピードを上げるとか、文字を速く書くということではなく、それぞれの論点について自分の頭の中に解答を導き出すまでの道筋がはっきりと浮かぶかどうか。時間がかかる原因としては、作業が遅いのではなく、理解度が不足しているから、手が止まり、考え込み、結果として時間が経ってしまうというのがほとんだということです。

つまり、スピードを上げるために一番だなことは「手を止めない」こと。それもがむしゃらなスピードで手を止めないのではなく、考え込む時間を極力なくし、スピーディーに問題を解きながらもしっかりと正解を叩き出していくことです。私はスピードを強化する際のポイントを①知識、②個別、③理論の3つで考えています。この中で最も大事なのは①知識です。今回はそこについて詳しく見ていきます。

①知識(テキストを通読しよう)

理論問題については「理論を回す」という言葉があるように、本試験の前には理論的ストや理論サブノートの全ての内容を何回転も確認してから臨みます。

一方で計算問題についてはどうでしょうか。総合問題の解き直しはするとは思いますが、計算の範囲を全て回すということはあまり聞いたことがありません。資格の学校の答練で出ている内容で本試験を全てカバー出来ていればいいのですが、答練はあくまでも予想問題。答練で出題されたことがない論点も本試験に出る可能性があります。

総合問題を解いていて、一番時間をロスするのが「えっこれなんだっけ?」とか「こんな問題見たことないよ!」という部分で手が止まってしまうケース。解ける問題から解くのがセオリーですので、基本的には「見たことない」「知らない」と思った瞬間に飛ばすのがベターなのですが、極力そういう論点がないようにしないと40点を狙うのは非常に厳しくなります。

ただ、試験の範囲は本当に膨大。膨大な論点の中のほんの一部だけが出題される理論問題(学者問題)とは違い、計算の総合問題では色んな論点が様々な形式で問われてきます。「ヤマが当たれば大丈夫」というものではなく、「苦手論点がない」というのが40点を狙うには必須条件だと思います。

そこで私がオススメしたいのが「テキストの通読」です。基礎編から応用編まで合わせると4~8冊ぐらいのボリュームになると思いますが、定期的にこのテキストの全てに目を通すこと、これが通読です。

「全部なんて無理!」という声が聞こえてきそうですが、そんなにしっかりと読み込む必要はありません。

本当にパラパラっと、立ち読みをするぐらいのスピードで内容を確認していけばいいのです。「この論点は知っている」「ここは出来る」という部分はドンドンと飛ばして読み進めます。そして、「あれ?!」という論点があれば、まずはそこに付箋などで目印をつけるだけにして、さらに読み進めます。スピードとしては全てのテキストに1時間ぐらいで目を通すのが目安です。最初はなかなか難しいとは思いますが、あくまでも全体の確認が目的ですので、じっくり読み込んではいけません。

そうすると、あなたの目の前には通読が終わったテキストの山があります。テキスト全てと言われると、しっかり確認しようという気にもならないぐらいのボリュームですが、これらを通読した結果、あなたの知らない論点(苦手な論点)は付箋がついている数十カ所のみだと分かりました。

こうなれば、あとはその論点を集中的に確認すればいいだけ。テキストをもう一度しっかりと読み込み、個別問題を何度も解き直していくうちに、その論点はもう「知っている論点」に変わります。

このテキストの通読を定期的に繰り返していけば、付箋の数は減ってくると思います。そうなると、通読→確認に必要な時間も短くなってくるし、さらに試験中に「あれ?!」となって手が止まる機会は減っていき、いつの間にかスピードがついているはずです。確認の目安は2~3週間に1回です。総合問題ばかり解いて疲れたり、理論の勉強に飽きたというタイミングでテキストを通読する時間をとってみるといいでしょう。

直前期に近づけば近づくほど、テキストの読み返しなんてやらなくなる人がほとんどだと思いますが、出題される論点は全てテキストの中にあるといっても過言ではありません。本試験ではテキストに載ってないような論点が出題されることもありますが、ほとんどの受験生がそんな問題は出来ませんので、合否には関係ありません。テキストに載っている内容がしっかり出来ることが大事なのです。

試験中に手が止まる回数・時間を極力減らすことがスピードを上げるために大事なこと。直前期が近い今だからしっかりとテキストの内容に立ち返って、苦手な論点をなくしましょう。何度も総合問題を解き直すだけがスピードをつけるために必要なことではないのです。

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