表裏

 「ラリティさん、何を読んでるんですか?」

 クライアントとの待ち合わせまでまだ少し時間がある。今の老若男女のファッション事情を知るには、最近の週刊誌を読むのが一番だ、というわけで

 「エクエストリア・ウィークリーよ、街で見かけたおしゃれなポニーたちの写真もあって今の流行が反映されやすいの。安直だけれどこういう情報面でもきちんと何が流行っているのかを知っておかないとね」

 奇遇なことに、以前大変、悪い意味でもいい意味でもお世話になったことのある、スターライトの統治していた村が今週のおしゃれスポットだった。最近恋をして綺麗になったと言われました、と答えているのは、村で自分たちも関わりの在ったユニコーンだった。恋をしたと言うのはひょっとして隣に写真が載っているキザな感じのするアースポニーの男性とだろうか。

 「その雑誌、最近若者にも人気らしいんですよ」

 ミスポメルが横から覗きつつ言った。どうも、雑誌の最後の方に載っているお悩み相談コーナーがなかなか好評を博しているらしい。読んでみると、これはなるほどと思った。回答者は女性だろうか。恋の悩みや仕事の悩みを事細かに、冗談も交えながら答えている。たった1行の悩みに相当の行数を割いているところから、口数が多そうな印象を受けた。ジョークの質自体は微妙なものだが、ミスポメル曰く、ちょっと抜けたような語り口が人気の秘訣らしい。

 と、ここであることに気付く。リンゴ、という単語が度々彼女の比喩に登場しているのだ。リンゴと言うとあのアースポニーやその近親者しか頭に浮かばない。おそらく彼女の親戚か誰かが書いているのだろうと言うのは容易に想像できた。

 ポニーヴィルに帰ったら訊いてみよう、と思いながら、雑誌を閉じた。

 「最近怪しいんだよ」

 誰が、とスクータルーが聞いた。ちょうどさっきキューティマークの悩みを解決したばかりで、ちょっとした休憩のつもりだった。主語を言い忘れていたことに気付いて、慌てて当のポニーの名前を出す。

 「そういえば、最近何かモゴモゴ言いながら収穫してること多いよね」

 スウィーティ―ベルも気づいていたようだったがそれだけではない。夜遅くまで部屋の明かりがついていることも多いし、どこかに手紙を出していることも頻繁だった。

 「考えすぎじゃない?シュガーベルと文通してるだけなのかも」

 「とにかく、一度問いただすか、宛先をこっそり見てみる必要はあるね」

 というわけで、

 『キューティーマーククルセイダース、ビッグマッキントッシュの秘密を調べる、オー!!』

 Q. 娘がなかなか言いつけを守ってくれません。友達を連れて来たら大変なことになりましたし、最近子育てに自信が無くなってきました。

 A. 娘さんを無理矢理押さえつけているのではないのでしょうか?言いつけで縛るばかりでは何もいいことがありませんし、かと言って放任主義もいいとは言えません。リンゴにも固さや甘さがあるようにバランスが大事なのです。お友達の件については仔細を知らずにアドバイスできませんが、必ずしも悪い友達だけではないのでしょうし、あなた自身の不信感にもひょっとしたら責任の一端があったのかもしれません。リンゴのように丸い態度で、一度娘さんとよく話し合って、一緒に考えてみるのが良いのではないでしょうか。良い関係が築けることを願っています。

                       オーチャード・ブロッサム


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