株式会社プレイドの資本政策_20180812更新

この記事は?

- 非上場企業の資本政策をサクッとまとめコメントしてます
- 私の意見には、"comment"とタグ付けしています
- アップデートがあれば都度更新します
- 謄本・官報・web記事から情報を取得しています
- 私は経営管理の人間であってビジネスに興味はありません
- 元々、私の個人メモです

ポイント

- 独得の優先分配権設定
- クローズドβ中にPost-val 800milでSeriesA
- T2D3以上のペース・単月黒字化(税金少しもったいない気も)


資金調達一覧


20111003_創業1st

概要
- 出資金5milで創業

comment
- 発行済株数100株は少なすぎる。近い将来分割が必要になる恐れあり

状況

コンサルティングやアプリ開発をメイン事業として倉橋が創業 (会社HP)


20130614_創業2nd

概要
- 1.5年後に同株価にて、プラス5mil出資。計10milでの創業となった
- 201208に出会って、その半年後(ゆえに201302)に開発着手
- 開発中の追加出資

状況

代表の倉橋がCTOの柴山と8月に出会い、2人で「KARTE」の構想を練りはじめる。その半年後に開発に着手する。 (会社HP


20140526_分割100倍

概要
- SeriesA直前に100倍分割

comment
- 分割は上場時の公開価格が2500-5000円のレンジに収まるように実行するべき。ゆえに上場直前に一度だけ実行するのが最も合理的
- しかし発行済株数200株は少なすぎ、仔細な割合を勘案した資本政策を実行できない。将来端株が生じて事務コストが上がる可能性がある
- したがって、ここで分割している。コストは、登録免許税が3万円と株主総会実施工数(官報公告避けるために少し面倒な手続きあり)
- どんな会社であっても、創業時、発行済株数を1mil株とすべき


20140529_SeriesA

概要
- KARTE開発着手から1年2ヶ月後、最初の外部資金調達
- A種類株(x2弱)、Pre-val 650mil、150mil調達
- フェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合、新生企業投資株式会社他

状況 

プレイドは、リアルタイム解析で新たなウェブ接客を実現するサービス「KARTE(カルテ)」を現在クローズドβ版で提供しており、様々なフィードバックを得ながら、今秋に予定している一般リリースに向けて準備を進めております。 (会社HP


種類株_残余財産分配権

- 順位1_A種株主優先分配権: 1倍
- 順位2_参加分: まず、A種株主のリターンが2倍のところまで、A種:普通=4:1。その後はA種:普通=1:1にて分配される
- "A種取得比率": 参加分のA種:普通割合決定に使われる。基本的にx1だが、普通株やSOをA種類取得価格より低く発行した場合の調整に調整が入る

comment
- 実質、優先分配権は2倍弱と考えればいいか。珍しい条項だ。磯崎さん案件は謄本が楽しい
- プロダクトがβクローズリリース状態でこの投資。その後4年間でx30に成長しており、さすがの慧眼


20150728_SeriesB

概要
- 前回より1年、KARTEローンチ後6ヶ月後の外部資金調達
- B種類株(x1.5)、Pre-val 2,439mil、500mil調達
- Fidelity Growth Partners Japan、フェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合(追加投資) 

状況
- サービスローンチ後6ヶ月間、+40%の成長中

comment:
- 前回20140529調達時、ローンチは"今秋に予定"としていたので、6ヶ月遅れた

解析したユニークユーザー数は累計2億⼈※を超えており、前⽉⽐+40%の成⻑をサービス開始以来(2015年3⽉)毎⽉続けています (会社HP)

種類株_残余財産分配権

- B種発行に合わせて、A種の内容も変えている。合わせて記載する
 - 順位1_B種優先分配権: 1.5倍
 - 順位2_A種優先分配権: 1.5倍
 - 順位3_参加分: B種:A種:普通 = 1:1:1
- 2倍までA種:普通= 4:1と分配する参加型が無くなって、A・B共通で1.5倍となった

種類株_取締役選任権

- A種、B種、それぞれの株主総会ごとに、取締役を1名ずつ選任できる
- 結果、フェムト、Fidelity、いずれからも役員が派遣されている

comment :
- 条件の変更は、Fidelityの要求か。投資契約書みてみたい
- Fidelityは固め案件が好きな印象だが、その根拠は本件投資と、実際話したイメージ、それらが半々ぐらいかな


20180508_SeriesC

概要
- 前回より3年、KARTEローンチ3年後の外部資金調達
- C種類株(x1)、Pre-val 17,884mil、2,000mil調達
- フェムトパートナーズ有限責任事業組合、Eight Roads Ventures Japan、三井物産株式会社、三井住友海上キャピタル株式会社、SMBCベンチャーキャピタル株式会社、みずほキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社
(comment : よく見るメガバン3行揃い踏み) 

状況
- サービスローンチ後3年、T2D3の成長
- 201703に単月黒字化

「KARTE」が正式にローンチした2015年3月以降、導入企業・サイト数は純増を続けており、各導入サイトのユニーク・ユーザー数を足し上げた3年間の累計解析ユーザーは22億人、導入企業の約半数となるECの年間売上解析金額は、5,480億円にのぼります。売上においても、事業収益は2017年3月に単月黒字化を達成。KARTEのようなクラウドで提供する企業向けソフトウェア(いわゆるSaaS)サービスの成長指標として、主に海外のスタートアップ業界で使われる「T2D3」※を上回るペースを、オーガニックな成長(本格的なマーケティング投資前の自立的な成長)で達成 (会社HP)

種類株_残余財産分配権

- 順位1_C種優先分配権: 1.0倍
- 順位2_B種優先分配権: 1.5倍
- 順位3_A種優先分配権: 1.5倍
- 順位4_参加分: C種:B種:A種:普通 = 1:1:1:1

種類株_取締役選任権

- C種株主総会には選任権なし

comment
- Valuationがここまで高くなるまで、調達をしなかったのが素晴らしい。"単月黒字化"、"オーガニックな成長(本格的なマーケティング投資前の自立的な成長)"とリリースしている通り、まずプロダクトを磨き・カスタマーサクセス体制を整えChurnを低減し・営業効率を最適化してMRR増分モデリングを作り込んだ上で、大きく調達をしてその資金を以って大きく勝負に出ている。定石だし、非常に正しい。

- "単月黒字化"について、これはソフトウェア資産計上前なのか(つまり開発費用控除前か後か)気になったので調べてみた。

上図は、後述する減資の官報公告。前期までに累積で約500mil削っている会社の当期損失が49milと、PLは黒字化傾向にあると判断できる(当社は9月決算で黒字化は3月とのこと)。期末BSの固定資産残高が、31milであり、金額が小さい。恐らくソフトウェア資産が計上されていない。開発費を控除したPLで、黒字化しているようだ。「開発費控除後PLで黒字化しつつ、T2D3の成長を実現」というのがいかに困難で、そして素晴らしいことなのかというのは、一度SaaS事業の財務企画を担当すればよくわかると思う。
- 少し注意すべきは税務上のソフトウェア資産を認識しているかどうか(財務会計と税務会計のソフトウェア資産の範囲は異なる)。していないならば、否認リスクが高い。しているとすれば、結構な額を納税しているはずだ。PLヒットする営業費がMRRに繋がり将来収益に寄与するのだから、もう少し投下しても良かったのでは。未だ流動資産は4億円あるようだし、かつ、PL黒字化しているので問題なくデッドで調達できるところ、固定負債40miと恐らくそれしかいれていない。資金有無ではなく、意思決定次第だった。実効税率35%を差し引いてROIを測定すると、また変わってくる。
- 大きく調達し、オフィスも移転した201809期はどういう決算になるのか、ソフトウェア資産計上と納税負担の観点からの利益計画、その2点から楽しみだ。


20180815_減資

- 資本金を100milまで減資

comment: 
- ここで創業以来はじめての減資をしている。しかし、20150728のSeiresB調達直後の段階で、資本金の額は335milと、100milを超えている。資本準備金を加えた資本金等の額に資本割税率を掛けた納税額が3年間で約7mil生じている。平成26年(201509期)でやっても良かったかもしれない(資本割税率が毎期動いているのは増税のため)

ーーー

以上_ SOはまた今度書こう(最終更新_20180812) 

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