株式会社UNCOVER TRUTHの資本政策_20180813更新

この記事は?

- 非上場企業の資本政策をサクッとまとめコメントしてます
- 私の勝手な意見には、"comment"とタグ付けしています
- アップデートがあれば都度更新します
- 謄本・官報・web記事から情報を取得しています
- 私は経営管理の人間であってビジネスに興味はありません
- 元々、私の個人メモです

ポイント

-  旧親会社である上場企業と創業者との持分比率調整
- 行使しなければならない、というSO行使条件
- 1ヶ月の間にvaluationを10倍に(普通->優先x1ジャンプ)
- PSRと希薄化

資金調達一覧


20130424-0523_創業1st+創業2nd+SO1st

概要
- クロス・マーケティングの子会社として出資金17milで設立
- 同時に15%分のSOを発行している

石川氏は、サイバーエージェントの新卒採用一期生として入社して支社長として関西支社を開設し、その後VOYAGE GROUPの取締役、PeXの代表取締役などを経て、2013年4月にUNCOVER TRUTHを創業した (CNET記事)

comment
- 発行済株数340株は少なすぎる。近い将来分割が必要になる恐れあり
- 201512期のクロス社の有価証券報告書を見ると、クロス社の持分は82.4%とのこと。17milぐらい社長個人で出せる気もするので、事業アイディアや人員はクロス社の持ち込みだったのだろう
- 発行しているSOが、無償なのだが他条項から判断するに非適格のようだ。最終的に行使されず、3年後の行使期限到来前に全て放棄されているので、失敗したのかもしれない

20151101_分割500倍

概要
- 500倍分割

comment
- 分割は上場時の公開価格が2500-5000円のレンジに収まるように実行するべき。ゆえに上場直前に一度だけ実行するのが合理的
- しかし発行済株数340株は少なすぎ、仔細な割合を勘案した資本政策を実行できない。将来端株が生じて事務コストが上がる可能性がある
- したがって、ここで分割している。コストは、登録免許税が3万円と株主総会実施工数(官報公告避けるために少し面倒な手続きあり)
- どんな会社であっても、創業時、発行済株数を1mil株とすべき

20151113-20160516_SO2nd

概要
- 創業時発行したSOを全て放棄し、新たに同数(15%)を発行
- 今回は有償SO、オプション料は行使価格の1%
- 割当から半年後の20160515、全部行使

状況
- 親会社・クロス社の201512期有価証券報告書を見ると、UNCOVER TRUTHの売上は、"大幅に増加"し、265mil程

SO

-  有償・払込価格=行使価格*1%、行使期間5年
- 行使条件: 一定の条件を下回った場合、行使しなければならない 
- 一定の条件:行使価格の50%をバーとする割安発行・売買・評価等

comment: 
- 失敗したとみられるSO1stで実現したかったことの再現
- インセンティブ目的ではなく、創業者の持分調整目的
- 今回は有償SOとすることで、非適格SOによる課税は回避している
- ただし上述のように、当年度それなりに売上が出ている中(かつIRで大きくアピール)、行使価格(=アット・ザ・マネー,ATM)を創業価格としてよいのだろうか
- 行使しなければならない、という、権利ではなく義務が定められた新株予約権は珍しい。ATMの1%をオプション料とするためにこの条件をもってきたのか。どうvaluaitonをするのかな

20160725_Seed (創業3rd) 

概要
- 創業価格でのSO行使より2ヶ月後、3倍の株価で、普通株を20mil、24.53%分発行

comment: 
- SeriesAが翌月実施さているので資金調達ではなく、引き続き、持分比率調整が目的か。割当後半年で行使されたSOと本Seedとを合わせ約40%と大きく株式発行している。創業時親会社に82.4%持たれてしまったので、創業者及びキーパーソン達への持分移転と想像する(同年、2名の新任取締役が選任されている)
- クロス社の201612期有価証券報告書によると、持分比率は35%へと希薄化しており、本Seedには参加していない(割当による希薄化率と一致した)

20160830-0927_SeriesA1+A2

概要
- 前回より1ヶ月、2度に分けて同じ条件の調達
- A種類株(x1)、Pre-val 795mil、405mil調達、35.57%分発行
- 1ヶ月でvaluationが10倍になった
- Draper Nexus Ventures、日本ベンチャーキャピタル、サイバーエージェント、アコード・ベンチャーズ、みずほキャピタル、ニッセイ・キャピタル

状況
- 300社に提供中
- 201512期ARRは265mil、201612期ARRは350mil程と試算(クロス社有価証券報告書より。連結除外時の201608までで211mil売上計上しているので伸び率を勘案して12ヶ月換算した)

2013年の創業から3年間で、富士フイルムやベネッセコーポレーション、ニフティなど約300社にサービスを提供 (techcrunch)


種類株_残余財産分配権

- 順位1_A種株主優先分配権: 1倍
- 順位2_参加分: A種:普通=1:1にて分配される
- "A種取得比率": 参加分のA種:普通割合決定に使われる。基本的にx1だが、普通株やSOをA種類取得価格より低く発行した場合の調整に調整が入る

種類株_優先配当権

- 配当があるとき、取得価格の8%、優先配当を受けられる

comment:  
- 創業メンバーへの株式付与調整を直前に完了させ、その翌月にvaluationを10倍に上げつつ、A種類株にて外部資金調達を実施した。1ヶ月で10倍株価を上げているケースはあまり見ない。ベンチャーファイナンスの種類株式設計では意味のない(ベンチャー企業の配当に経済合理性はないので)優先配当権条項が置かれているのは、少しでも普通株からのvaluation上昇ロジックを作ろうとしたのかな。
- ARR350milでpre/post-val 800mil/1,200mil、即ちPSRがx2.29-3.43。このラウンドで405mil調達しており、35.17%の希薄化。これはちょっと割安だし、出しすぎじゃないかな。MRR積み上げモデルでは、理論valuationは時の経過に応じて逓増するので、後ろの方でエクイティ調達をした方が有利になる。将来CFが見やすく、デッド調達もしやすい。であれば、未だ普通株限定にして、それを受け入れてくれるプレイヤのみから資金調達をしつつ、公庫の資本性ローン1億円を得て、valuationを伸ばすゲームをしても良かったのかもしれない。そのためには直前の創業メンバーの資本構成調整にも若干の工夫が必要だが。プレイドがβプロダクトをクローズリリースした段階で、A種類株(x2弱)、Pre-val 650mil、150milの調達を入れていることを鑑みても。(というか旧親会社からの追加借入の線は無かったのか)

減資

- 減資していない

comment: 
- 20160927のSeiresA調達直後の段階で、資本金の額は222mil。100milを超えている。資本準備金を加えた資本金等の額に資本割税率を掛けた納税額が2年間で約4.7mil生じている。平成28年度中にやっても良かったかもしれない

ーーー

以上_ SOはまた今度書こう(最終更新_20180813) 

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