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アフガニスタンとブルカ

アフガニスタンで人道援助をされた中村哲医師と、ノンフィクション作家・澤地久枝さんの対談集『人は信ずるに足り、真心は信ずるに足る』を読みましたが、とても良い本でした。

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印象的な言葉はたくさんありましたが、女性の民族衣装ブルカについての指摘に、はっとさせられました。
ブルカとは、アフガニスタンの女性が身に着けている、全身を布で覆って目の部分だけ網になっている服です。
(昨年秋、高校生の授業で、フランスで女学生がベールをつけて学校に行くのが禁止されている件についてどう思うか?とディスカッションしたこともあって、ブルカに興味がありました)

burka(burqa):a long, loose garment covering the whole body from head to feet, worn in public by women in many Muslim countries.【Merriam Webster Dictionary】

そして、10年以上前に『カブールの本屋』という本を読んだことを思い出しました。ノルウェーの女性作家が空爆直後(2002年)のアフガニスタンを取材したドキュメンタリーです。



この本は「アフガニスタンの旧態依然とした男尊女卑はひどかったが、その中でまっすぐな心をもって生きる立派な若者たちに出会った」という本でした。
私はこの本があまりにも気に入ってしまって、英語訳も取り寄せて読んだほどなので、内容をよく覚えているのです。

『カブールの本屋』ジャーナリストの江川紹子さんが翻訳しています
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『カブールの本屋』は、ブルカを身につけなければならない女性たちを「過酷で気の毒だ」という視点で書いていたように思います。
ところが中村哲医師は違いました。(141・142ページから少し引用します)
「ブルカは日焼け予防、砂埃よけになっています。向こうの女の人はおしゃれなんです。仕事が医者なのでわかりますけれど、診察に来る時ぐらいは(ブルカを)外しますね。すると、中に腕輪をしていたり…。(中略)ともかくおしゃれなので、ブルカをつけることが苦痛と、誰も思っていません。」
「ハンセン病の人も、ブルカさえかぶっていれば、買い物もできるし恥ずかしい思いをしなくて済む。」

私自身、「アフガニスタンの女性は、暑い日もブルカを着なければいけなくて、大変だな・・・」と本当に思っていたので、
中村哲医師の言葉を読んで、自分の価値観がいかに一面的だったかを思い知らされました。

他にも、いろんな面で目を開かせてくれる本でした。

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