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どんな相手からも、目を逸らさない。

「朝井リョウさんって、なんであんなに自分と距離のある主人公の感情を、手にとるように正確に書けるんだろうね」

そんな会話をした翌日に、twitterのTLにこんなつぶやきが流れてきた。


ああ、わたしこれ全然できてない。
山のようにあるプロとの差。その内の大きなひとつが、これだ。
粛々と、そんな事実を噛みしめた。


「この人と合わないな」と感じる相手と出会うと、すっと心のシャッターを下ろして自分を守ってしまう。

怒り、悲しみ、不快という感情から目を背け、思考停止を起こす。
それを顔に出さないだけで精一杯。

プロの表現者は、そこで相手から目を逸らさず、「なぜ自分はこの人を不快に感じるのか」「なぜ相手はこのような行動をとるのか」、じっと観察しているんだろう。


わたしの書く物語には基本的に、自分の好きな人物と、その敵対者、味方しかでてこない。
でも、世界ってそんなに単純じゃないよね。

わたしはたぶん、自分の目に映るモノをもっとよく知りたくて文章を書いている。
嫌悪感や憎しみ、嫉妬という感情はどこからくるのか。それだってちゃんと知りたい。

シャッターで心を守りながらでもいい。苦手だと思う人と出会っても、相手のことをじっと見てみる。
訓練すれば、ちょっとずつでも出来るようになると思うのだ。


目指す場所に近づきたいから。
自分を見失わない程度に、ためしていこう。


お読み頂き、ありがとうございました。 読んでくれる方がいるだけで、めっちゃ嬉しいです!