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【中学受験】化学計算の苦手意識を克服しよう

中学受験で理科の計算問題に苦手意識を持っている生徒は多いでしょう。
親御さん宛にどのように化学を勉強すれば良いかを考えてみました。

自分が化学専攻だったこともあり、化学の計算を体系化して教えることには自信があるので参考になれば嬉しいです。

一番下に参考問題を貼っているので苦手にしているお子さんがいれば是非利用してください。(※難易度:5年〜6年前期偏差値50〜60、6年後期偏差値〜55)


化学計算の勉強時期


ただ化学計算は受験間際まで苦手な生徒も多いため、偏差値50以上であれば小6の前期から、それ以下ならば小6の後期から勉強すればいいと思う。
理由は単純な算数の比の計算が使いこなせない状態で化学計算をするのは難しいからだ。次の章を読むと如何に化学計算に比という概念が重要かわかるでしょう。

カリキュラム上では5年生から各分野の計算問題に触れることにはなっているが、バリバリ計算問題ができるようにとは思っていないだろう。

化学計算は簡単な理由

化学の計算はカリキュラムでは4分野に分けられる。
・中和
・気体の発生
・燃焼
・溶解度

このように分野に分けられると子供は「この問題はどうやって解くんだっけ」などとイメージするため覚えることが多いように感じる。

しかし、上の3つの分野「中和、気体、燃焼」の3分野に関しては反応する物質が変わっているだけで、本質的には「定比例の法則」この一言ですまされる。

「定比例の法則」
同じ化合物であれば、その作られ方によらず、化合物を構成する成分元素の質量比は常に一定である

化学未履修の方のために簡単に説明します

・例えば水素1gが酸素8gと結びついて燃焼すると水9gになる。
・仮に水素2gを燃焼するとどうなるか。

酸素16gと結びついて水18gになったんだな!!!
これは(水素:酸素=1:8)というのが変わらないはずだから(定比例の法則)水素の量が2g(2倍)だからできる量も全部2倍だなとわかる

はっきり言って中学受験の理科はこれしか言ってない。ここに気づくまでに時間がかかる子供が多いようである。
ポイントはどの物質を何倍に増やしたかということに尽きる。

このような訳で、溶解度以外は分野によらず基本的な解き方が変わらないため、一度理解してしまえば得点源に変えることができるだろう。

苦手な子供が多い理由

塾や市販の教材においては、表でデータを与えたり、グラフを使ったりなど、出題形式を変えることによって難易度を調整している。
本質的にはデータの形が異なるだけで同じなのだけど、子供は混乱の原因にになってしまう。
勿論、入試でもそのような形式で出されるのだけど、まだ基礎ができていない初学の段階でそのような教材を作るのはいかがなものかと感じてしまう。

また解説も長くなると紙面の都合でよくないのか書くのが面倒なのかかなり省かれて書かれている。
ただただ計算式を並べられても何の数字かわからないだろう。

このような教材でも一部の得意な人はできるのだろうが、大半の生徒はついてこれずに挫折するというのが多い。
(化学は本来面白いはずなのに、不遇な扱いだなと思っている)

今なんの計算をしているのかを子供にしっかり伝えてあげることがとても重要でしょう。

練習問題について

初学向けではありません。塾の演習などである程度できるようになってから、復習用としてお使いください。
入試レベルとの中間くらいの教材でパターン認識のような形式にしています。

化学計算は状況整理が重要なので、ただ適当に数字や式を羅列するのではなく、今なんの物質が何gあるのかを解説のように書くよう指導してください。
難易度が高くなった時に歯が立たなくなります。


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