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よそ者に優しい都市が繁栄する

東京に移り住んで数年が経つが、自分が電車でエアギターをやっているのをチラチラ見る日本人にはうんざりする。一方で中国語や韓国語、英語で会話するツーリストは何事もないように反応する。

東京はよそ者、あるいは異質なものにどうやら優しい町とは言えないようだ。残念ながらそれが東京や日本全体経済的低迷をもたらしているように見える。

シリコンバレーが北カリフォルニアに生まれたのは政府の投資や進歩の気質、スタンフォード大学の存在もあったが、ヒッピームーブメントや公民権運動をリードした都市が持つある種のカオスやアナーキズム、DIY精神だったように思える。そこに移り住んだ多種多様な人間が協力しながらシリコンバレーを作り上げてきた。

ニューヨークも実は1980年代は経済的低迷に喘いでいた。しかし、ニューヨークの外から芸術家や作家が移り住み新しいものを生み出す流れが生まれつつあり、それを支援する裕福なニューヨーカーが新しいトレンドを作り出し始めていた。

それに比べて東京はどうだろうか?少なくともよそ者や異質なものにフレンドリーだとは言えない。仮にそうならエアギターをする自分を何事もなかったかのよう無視したはずだ。個人主義の存在しないこの都市の人が個人主義的価値観とよそ者に対するオープンなマインドセットを持つ自分のような人間を歓迎しない限り、東京や日本は経済的低迷を続けるだろう。

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