イーロン・マスクと習近平、当然のパートナーシップ

テスラの創業者の地位を訴訟で獲得したイーロン・マスクは中国寄りの発言で知られ、ウルムチにテスラのショップをオープンしたこともある。また中国訪問時、習近平は彼をアメリカ大統領よりも丁重にもてなした。これは何によるのだろうか?

2018年イーロンがテスラ非上場化を検討した最大の理由は、生産が追いつかないからであった。カリフォルニアの工場の生産能力は圧倒的に不足しており、SECや顧客から訴訟を起こされる可能性もあった。

結論から言うと上海に建設していたギガファクトリーは稼働認可が遅れたとは言え、無事稼働することになった。生産能力の増大によりイーロンは危機を乗り切り、自分に対しての気前のいい報酬パッケージにより彼は世界一の富豪になった。 

当時中国政府はイーロンの生殺与奪を握っていたと言える。米中関係も決して良好ではなかったことを考えると習近平にギガファクトリーの稼働を推進する理由があったとは言えない。おそらく何らかの政治的取引が両者の中であったのだろう。それがどのような内容かは想像するしかないが、アメリカの外交的孤立を模索するトランプ礼賛や習近平礼賛のようなものであったとしても驚かない。

イーロンは、2016年に流行した陰謀論であるピザゲートを事実だと述べたが、これは彼が単なる馬鹿だというよりも彼が誠実で意欲的なスピンドクターであることを示しているのかもしれない。もっともこの関係が今後続くかは不透明であり、イーロンが制御不能に陥ったと中国政府が判断した場合、パートナーシップは破綻することになるだろう。

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