次の行動

「えー、あんたのお父さん王様じゃなかったの?」
ミケは興味なさそうに言った。

「街に潜伏するために商人を装っているようです、おそらくこの後ろにいるのは父です」
ブレンダは、水晶球をじっと見ながら言った。

商人を装った魔王たち一行は街の中を荷車を押しながら進んでいた。
今は犬から、アチラコチラにいる動物たちに視点を切り替えながら行方を追っていた。

街の中で商いが盛んなところを抜けて人通りの少ない路地に来ると、その角を曲がったところで後を追うことができなくなった。

「どうやら人や動物を寄せ付けない術式が施されているみたいねぇ」
マヤが手をかざすのをやめると水晶球はもとに戻った。

「なるほど、あの辺り……」
ブレンダは聞こえるか聞こえないかという小さな声でつぶやいた。

「ひとまず、お父様たちは無事ということが確認できました。ありがとうございます。」
オリビアはマヤに向かって頭を下げた。

「いいえ、どういたしまして。それで、あなたたちこれからどうするの?」
マヤは三人に向かって言った。

「そうですね、魔王様も父も無事ということがわかりましたし、潜伏をして抵抗を企んでいるようなので、オリビア様とケイトは計画の通り、国境の街へ向かい、聖王都を目指します。」
ブレンダはそう答えた。

「お姉さま!」
ケイトリンはその言葉を聞くやいなや、姉の意図を確認する声を上げた。

「ええ、ケイトそうよ。私はオアシスの街へ向かい、解放軍に参加します。
そこで、聖人様にお願いがございます」
ブレンダは、ルーカスに向かって言った。

「ユウキ殿をこの二人と共にいかせてはもらえないでしょうか」
「いいわよ」
かぶせ気味でミケが答えた。

「なんでミケが答えるんだよ!」
「もちろんだとも」
予想外のところから返事があり慌てるユウキをよそにルーカスが答えた。

「じいちゃん!俺の意見は挟めないの?」
ユウキはルーカスに言った。

「なんだ?行く気はないのか?お前はずーっとこの森で過ごすか、行っても国境の街までだった、見聞を広げるにはいい機会だぞ。
たくさんの出会いがあるだろうしなぁ〜」
ニヤリとしながらルーカスはユウキを見た。

「いや、そんなわけじゃないけどさ」
照れくさそうに頭をかきながらユウキは答えた。

「それはそうよね〜こんなにかわいい女の子二人と旅行にいけるなんて、めったにないものね、どっちがお嫁さんにくるのかしら?いっそのこと両方お嫁さんにもらってもいいのよ?」
マヤはテーブルに頬杖を付きながら二人をみて言った。

「え?え?」
オリビアとケイトリンはなんの話か理解が追いついていないような顔をしながら、マヤとユウキを交互にみてから、二人で顔を見合わせてから顔を真赤にして二人で声を上げた。

「「ええ〜!!!」」

「ちょっ!ばあちゃん!ななななにいってんだよ!」
ユウキは慌ててマヤを見た。

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