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ビジネスモデル分析法から考える、強みの深掘りと筋の良いビジネスモデルの見極め方

今回は、ビジネスモデルについてです。

筋の良いビジネスモデルを見抜く、あるいは自らつくるための着眼点です。

三段階のビジネスモデル分析法

ビジネスモデルの教科書 [上級編] - 競争優位の仕組みを見抜く & 構築する という本に、ビジネスモデルの分析について、興味深いことが書かれています。

該当箇所を引用します。

ビジネスモデルの分析においては、このように競合と自社で何が違っているのかという分析だけではなく、それがどのような優位性を生み出すのか、なぜそれが持続可能なのかという、競争優位やその持続可能性を生み出すメカニズムを考えてください。

現在のシェアの違いは何から生まれるものなのか、なぜそれが変化している、あるいは変化しないのでしょうか?

ビジネスモデルが優位性やその持続可能性を生み出す過程が分かれば、それを打ち消したり、対抗したりする方策の立案につながります。

 (引用:ビジネスモデルの教科書 [上級編] - 競争優位の仕組みを見抜く & 構築する


述べられているのは、三段階でのビジネスモデル分析法です。

ビジネスモデル分析法
違い:自分と競合相手と何が違うかを相対的に見比べる。この段階では表面的に見える範囲での違い
優位性:その違いによって、どのような競争優位を生み出しているのか (本質理解)
持続可能性:一過性の強みではなく、持続的なものかどうか

三段階のビジネスモデル分析法で思ったポイントは、自分たちの強みを2つに分けています。

強みを2つに分けて考える

ビジネスモデルによって実現する強みを「価値」と「源泉」に分けます。

強みのうち、ユーザーに提供されるものが価値です。具体的には、ユーザーにとって有用なこと、役に立つこと、うれしいことです。

例えば、使いやすいインターフェイスです。始めて使う場合でもユーザーにはストレスなく、使い方を間違うことなく設計されている価値です。

強みの源泉

優位性や提供価値を実現する元になっているものが源泉です。サービスや商品の提供者が中で持っている有形・無形の独自の資産です。

源泉は、ユーザーへの価値に転換する前の状態です。源泉の時点では、まだユーザーにとっての価値にはなっていません。

先ほどのインターフェイスの例を続けると、源泉は、使いやすいインターフェイスを実現するためのユーザーに対する深い理解 (どう使われるか、いつ・どこで・なぜ使われるか) 、ユーザー理解に基いたアイデアやデザイン設計、実装する技術です。

筋の良いビジネスモデルの見極め方

強みを価値と源泉の2つに分けて考えることは、筋の良いビジネスモデルかどうかを見極める時にも役に立ちます。

私がよく使う筋の良いビジネスモデルを見極める視点は、以下の3つです。

筋の良いビジネスモデルを見極める視点
価値:主体者や仲介者から、顧客へ提供される価値は何か。関係プレイヤー全員に win-win が成立するか
源泉:提供価値を生み出す源泉は何か。希少性があり真似されにくいか
収益化:ビジネスモデルの主体者や仲介者には、提供価値を通して持続的な収益がもたらされるか

1つめと2つめが強みです。ビジネスモデルを、価値と源泉は何かという観点で見ます。

3つめは、価値と源泉という強みが、どのようにマネタイズされているかです。どこで収益化が確立され、一方であえて課金をしていないのはどこかです。

最後に

今回は、ビジネスモデルについて考えました。

普段の身の回りのことを、「ビジネスモデルは何か」という視点で見ると、漠然と眺めるよりも、新しい気づきが得られます。


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