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顧客接点からマーケティングの変革へ

今回はマーケティングについてです。

世界最先端のマーケティング という本から、顧客接点を掘り下げます。

ポイントは「顧客接点」

本書を読んで思ったキーワードは、「顧客接点」です。

顧客接点とは、消費者と接する場所で、お店、ウェブページ、アプリなどです。広告を出して顧客に見てもらうことも顧客接点に含めます。

アマゾンなどの EC サイトのオンラインを主体にしていた企業が、リアル店舗というオフラインに進出する意図は、顧客接点を増やしたいからです。

では顧客接点をアマゾンを例に、掘り下げていきましょう。

なぜアマゾンは顧客接点を増やすのか

アマゾンがアメリカで積極的にリアル店舗に接点を広げています。高級スーパーのホールフーズの買収、レジ無し店舗のアマゾン・ゴーを始めました。

顧客接点という文脈で、私が考えるアマゾン・ゴーの意味は2つです。

Amazon GO の意味合い
ユーザー体験の向上:レジに並び待たなくても支払いができる快適な買いもの
ユーザー理解:店舗にアマゾンアカウントでログインし (ユーザー認証) 、店内で商品を選んだり何を買ったかのデータ収集

顧客接点が広がるほど、顧客への提供価値が増え、同時に顧客を知る機会も増えます。

では、顧客接点を多様化させる背景には何があるのでしょうか?

背景は消費者の変化

顧客接点の多様化への背景は、消費者の行動や生活スタイルが変わってきているからです。

買うものを調べたり実際に買う時に、オンラインとオフラインを行ったり来たりします。ネットかそうではないかは、あくまで消費者はより便利なところを使っているにすぎません。

極論を言えば、オンラインかオフラインかはどちらでもよく、購入体験のより良いところに来ているだけです。

顧客接点での「対話」

顧客接点の役割は、消費者との「対話」です。対話とは、顧客接点のそれぞれで消費者を知り理解すること、そして、消費者に価値を提案し提供することの、双方向のつながりです。

消費者理解は、価値を提供するための源泉になります。

顧客接点で、直接の消費者とのコミュニケーションやユーザーデータの収集によって、その人がどういう人なのか (プロフィール情報) 、実際に商品やサービスをどのように選んで買い、利用したのか (行動情報) がわかります。

対話で重要なのは、提供されることの価値がデータを収集されることよりもメリットがあると、ユーザーに感じられることです。

顧客接点から消費者を知ることによって、消費者に適切な提案ができ、より高い価値を提供することができます。顧客接点で消費者とつながり、対話をすることの意味です。

顧客接点を点から線へ

消費者の購買行動は、買うものを選び、実際に買い、買った商品やサービスを使います。「選択 → 購入 → 利用」です。

本書が指摘するのは、顧客接点からの対話が購入だけという点から、選択・購入・利用のいずれでも顧客とつながり、対話をすることです。顧客接点を点から線にします。

顧客接点からマーケティングの変革へ

本書に書かれているのは「チャネルシフト戦略」です。顧客接点を消費者の行動に合わせて多様化し、マーケティングそのものを変えていくアプローチです。

ポイントは、次の3つです。

チャネルシフト戦略
・オンラインを基点としてオフラインに進出する
・顧客とのつながりを創り出す
・マーケティング要素自体を変革する

3つめのマーケティンそのものを変えるとは、顧客接点ごとにマーケティング施策である 4P (promotion, place, plice, product) を最適化します。

これまでの実店舗というオフラインのみ、もしくはネットのオンラインのみで行なっていた 4P を、オフラインとオンラインの両方で、それぞれで一貫性をもたせます。

重要なのは、ビジネスを展開する企業側は、顧客接点ごとに意図を持ったマーケティング施策の実行です。

まとめ

最後に、今回のまとめです。

消費者はオンラインとオフラインを行ったり来たりしながら「選択 → 購
入 → 利用」のプロセスを経ている。
企業はこの変化に合わせて顧客接点を多様化し、接点ごとに対話を行なう必要がある (点から線へ) 。対話とは、消費者理解と、理解に基づく価値の提案と提供。
顧客接点ごとにマーケティング施策 (4P) を最適化させる。つながりと対話から、意図を持ってマーケティングをデザインできるかが問われる。


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