スタートアップとスモールビジネスの違い。「未来の当たり前」 を創りにいくのがスタートアップ
今回は、スタートアップについてです。
この記事でわかること
・スタートアップとは何?
・スモールビジネスとはどう違う?
・スタートアップの本質は?
こんな疑問に答える内容で書きました。
この記事で書いているのは、スタートアップとは何かです。
スタートアップとスモールビジネスの違いから、スタートアップの本質は何かを書いています。
スタートアップ企業への転職、起業を考えている方には参考になると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。
スタートアップとスモールビジネスの違い (7つ)
起業の科学 - スタートアップサイエンス という本に、スタートアップとスモールビジネスの違いが書かれています。
違いは、次の7つです。
スタートアップとスモールビジネスの違い
1. 成長方法
2. 市場環境
3. スケール
4. 関わるステークホルダー
5. インセンティブ
6. 対応可能市場
7. イノベーション手法
以下、7つについて、それぞれご説明します。
1. 成長方法
スタートアップ:J カーブを描く。成功したら巨額のリターンが短期間で生まれる (ハイリスクハイリターン)
スモールビジネス:線形的に成長。そこそこのリターンを着実に得ることができる (ローリスクローリターン)
2. 市場環境
スタートアップ:市場が存在することが確認されていない不確実な環境下。創りにいくタイミングが非常に重要
スモールビジネス:既に市場が存在することが証明されている。市場環境の変化は少ない
3. スケール
スタートアップ:顧客は初期は少人数だが、一気に多くの人に届けることができるようにビジネスを拡大する
スモールビジネス:少人数から徐々に顧客を増やす。少数のままで事業が運用できる
4. 関わるステークホルダー
スタートアップ:ベンチャーキャピタリストやエンジェル投資家
スモールビジネス:自己資金、銀行
5. インセンティブ
スタートアップ:上場やバイアウト (買収) によるストックオプション、キャピタルゲイン
スモールビジネス:安定的に出せる給料
6. 対応可能市場
スタートアップ:労働力の調達・サービスの消費があらゆる場所で行われる
スモールビジネス:労働力の調達・サービスの消費が行われる場所は限定される
7. イノベーション手法
スタートアップ:既存市場を再定義するような破壊的イノベーション
スモールビジネス:既存市場をベースにした持続的イノベーション
ではここからは、7つの違いが何を意味するのかを考えます。
違いは何を意味するか
いきなりですが、スタートアップとは何だと思いますか?
「起業 = スタートアップ」 ではなく、あるいは 「ベンチャー企業 = スタートアップ」 でもありません。
スタートアップとスモールビジネスの違いを一言で言えば、前提の違いにあります。
前提の違い
・スタートアップは市場性の証明が必要
・タイミングが重要
以下、それぞれについてご説明します。
[前提の違い 1] スタートアップは市場性の証明が必要
スモールビジネスが参入する市場は、既にあるものです。
市場が存在しているということは、人々のニーズが確認され、先行する他社が商品やサービスを提供しています。起業をして、自分たちのアイデアで、既存市場に参入することがスモールビジネスです。
一方、スタートアップのアイデアは、自分たちも含めてまだ誰も本当に正しいかどうかがわかりません。
アイデア自体は他の人も思いついているかもしれませんが、誰も実現していないことです。市場がないところに、自分たちで全く新しい市場を定義し、創り上げるのがスタートアップです。
スモールビジネスは、市場性が既に証明されているところに参入しますが、スタートアップは自分たちで市場性を検証するところからです。
スタートアップは、今はまだ存在しない 「未来の当たり前」 を今から創りにいきます。
最初は自分たちにしか見えていない未来の当たり前です。多くの人にも気づかせ、実現すれば世の中を変えられます。
全く新しい市場を創り上げたり、既存の市場を新しいやり方で再定義します。
[前提の違い 2] タイミングが重要
スタートアップとスモールビジネスの前提のもう一つの違いは、タイミングです。
スモールビジネスは既に PMF (Product Market Fit: プロダクトの市場性) があります。市場の変化は少ないので、ビジネスの成功は参入タイミングに左右されません。
スタートアップは、市場が存在するかどうかわからない状況で、自分たちで市場をゼロから創るところからです。
不確実な環境下でのビジネスです。起業するタイミングが遅すぎても早すぎても成功しません。
タイミングが遅く、同じアイデアが他社にも実現されていれば、競争をしなければいけません。競争相手が大企業のような、ヒト・モノ・金・情報・知的財産のリソースが豊富なプレイヤーであれば、リソースに制約があるスタートアップは不利です。
タイミングが早すぎると、画期的なアイデアだったとしても、世の中の技術や人々の認識・理解が追いついておらず、時代を先取りしすぎてプロダクトやサービスが普及しません。
2年後でも2年前でもなく、スタートアップは 「なぜ今か?」 に答えを持っておく必要があります。
まとめ
今回は、スタートアップの存在意義について書きました。
最後に今回の記事のまとめです。
スタートアップとスモールビジネスの違い
1. 成長方法
2. 市場環境
3. スケール
4. 関わるステークホルダー
5. インセンティブ
6. 対応可能市場
7. イノベーション手法
スタートアップとスモールビジネスの違いを一言で言えば、前提の違いにある。
・スタートアップは市場性の証明が必要
・タイミングが重要
スタートアップは、今はまだ存在しない 「未来の当たり前」 を今から創りにいく。全く新しい市場を創り上げたり、既存の市場を新しいやり方で再定義する。
不確実な環境下でのビジネスで、起業するタイミングが遅すぎても早すぎても成功しない。2年後でも2年前でもなく、スタートアップは 「なぜ今か?」 に答えを持っておく。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?