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書評: 人を操る禁断の文章術 (メンタリスト DaiGo) 。今日から使える文章テクニック

今回は、書評です。ご紹介したい本は 人を操る禁断の文章術 です。

この記事でわかること

この本の概要
「心を動かす文章の3つの原則」 などの文章術
今日から使える文章テクニック

どのテクニックも、すぐに使える方法です。

記事の後半では、マーケティングの視点から 「人を操る文章術」 を読み解きます。ぜひ、最後まで読んでみてください。

この本の概要

この本の内容を一言で言えば、読み手を動かす文章の書き方です。

本のタイトルににある 「人を操る」 とは、読んだ相手に行動を起こしてもらうことです。書き手が意図する行動をとってもらう文章です。

読んでから行動までのプロセス

この本での良い文章とは、読まれて終わりではなく、読んですぐに行動を起こす文章です。

文章を読んで行動を起こしてもらうために、どのような流れになるのでしょうか?

読んでから行動までは、次のようなプロセスになります。

読んでから行動まで
・読む
・言葉に反応する
・感情が揺さぶられる、想像する
・行動を起こす

心を動かす文章の書き方 (3つの原則) 

では、どうすれば行動につながる文章を書けるのでしょうか?

本書では 「心を動かす文章の3つの原則」 が書かれています。読み手の心を動かし、行動につなげるための書き方が、3つのポイントでまとめられています。

心を動かす文章の3つの原則
・あれもこれも書きすぎない
・きれいな文章を書こうとしない
・相手が知りたいことを書く

それぞれについてご説明します。

[原則 1] あれもこれも書きすぎない

あえて書く情報量を減らします。読み手の想像力の余地を残すためです。

読み手を明確にし、その人の行動につながることだけを書くのです。相手の行動というゴールを1つだけに絞り、書く内容もその1点に向かってつくっていきます。

[原則 2] きれいな文章を書こうとしない

きれいな文章を書こうと思うと、自分らしくない不自然な文章表現になります。

美しい表現を書こうとすると、自分の感情を抑えた文章になってしまいます。書き手が感情を抑えると、読み手は感情が揺さぶられません。

行動のためには、読み手が言葉に反応し、想像し、行動を起こしてもらうという流れがあります。

無理にきれいな文章を書くと読み手には響かず、行動にはつながらないのです。

[原則 3] 相手が知りたいことを書く

相手に行動をとってもらうためには、自分が書きたいことではなく、相手が行動のために知りたいことを書きます。

そのためには、書き始める前に、相手が気になること、興味のあるテーマを考えます。書く前にどれだけ相手の知りたいことを明確にし、それに答える内容を整理できるかで、読み手が行動までいけるかが決まります。

5つの文章テクニック

3つの原則に加えて、参考になったのは 「文章の5つのテクニック」 です。

5つの文章テクニック
・書き出しはポジティブに
・何度も繰り返す
・話しかけるように書く
・上げて、下げて、また上げる
・追伸をつける

以下、それぞれの補足です。

[テクニック 1] 書き出しはポジティブに
・人は第一印象の影響を受ける
・書き出しをポジティブにし、書き手 (あなた) の印象をアップさせる
[テクニック 2] 何度も繰り返す
・読み手メッセージを繰り返されるほど、その内容が刷り込まれる
・ただし、全く同じ言葉を繰り返さない。クドくなり逆効果。使う言葉を変えて意味を繰り返すとよい
[テクニック 3] 話しかけるように書く
・人は文章よりも会話のほうが内容を覚えやすい
・文章に会話の要素を取り入れる
[テクニック 4] 上げて、下げて、また上げる
・人は不安や嫌悪感などのネガティブな感情に浸ると、そこから逃れたい反発のエネルギーを抱える
・読み手の感情をわざと一度下げ、次に上げて強い行動を誘導する
[テクニック 5] 追伸をつける
・人は、達成された課題よりも達成されなかったこと・中断されたことが気になってしまう
・文章の最後に追伸をつけ、追伸内容に 「後ほど相談させてください」 などと全てを書かない
・未完内容が気になり、行動につなげる

人を動かす7つのトリガー

著者の DaiGo さんはメンタリストの経験からも、人を動かすトリガーは7つに集約できると言います。

以下は、覚えておいて損はないと思ったトリガーです。

[人を動かす7つのトリガー]

興味:人は退屈を嫌い、夢中になれることには時間を忘れる。興味に触れれば、勝手に行動してくれる
本音と建前:人は本音と建前を行き来する。本音と建前の間に突き動かされれるエネルギーが詰まっている

悩み:人は悩みやコンプレックスを解消したいと思っている。悩みが解決できるとわかれば行動する
損と得:人は 「得をしたい」 よりも 「損をしたくない」 という思いのほうが強い。「損しませんよ」 と安心させられれば行動させやすくなる

みんな一緒:他の人と違うことを回避したがる。また、人は自分と共通点を持つ人に影響されやすい
認められたい:承認欲求やプライドをくすぐれば、前のめりに読んでくれる
あなただけの:人は自分だけ特別扱いをしてほしいと思っている。持っているものがなくなりそうになると渇望する

マーケティング視点で読み解くと

ここからは、読んで思ったことです。人を操る文章術を、マーケティングの観点で紐解きます。

読み手の行動につなげる文章にするために、自分なら次の考え方をします。

読み手の行動につなげるために
・読み手を設定する
・その人にどんな行動につなげるかを明確にする
・その人が知りたいことを考える (何がわかれば行動するか) 
・知りたいことに答えるように書く (様々な文章術がある) 

やっていることは、マーケティングに共通します。

マーケティングでは、次のようなフレームで戦略を立て実行します。Who, What, How の順番で考えます。

マーケティングでやること
・顧客は誰かを設定する [Who]
・ターゲット顧客に提供する本質的な価値を見極める [What]
・価値を提供するための方法を考える [How]

マーケティングでやることは、突き詰めると Who, What, How の3つを整理し、実行することです (もちろん、細かく言えば、市場や競合分析があり、4P などのフレームでしっかりとマーケティング戦略と実行策をつくります) 。

マーケティングの本質は、ビジネスの目的があり、それに対して 「誰にどんな価値を提供し、その実現可能性を高めるために何をやるのか」 です。

この Who, What, How のフレームは、読み手の行動につなげるメンタリズム文章術と共通するのは、興味深いです。

まとめ

今回は、人を操る禁断の文章術 という本をご紹介しました。

記事の内容は、この本の概要、人を操る文章術、いくつかのテクニックについてでした。

最後に今回の記事のまとめです。ぜひ、この本を読んでみてください。

この本の内容は、読み手を動かす文章の書き方。
本書での良い文章とは、読まれて終わりではなく、読んですぐに行動を起こす文章。読んでから行動までは、
読む → 言葉に反応する → 想像する → 行動する
読み手の心を動かし、行動につなげるための3つの原則は、
・あれもこれも書きすぎない
・きれいな文章を書こうとしない
・相手が知りたいことを書く
人を操る文章術は、マーケティングに共通する。
マーケティングでやることは突き詰めると、
・顧客は誰かを設定する [Who]
・ターゲット顧客に提供する本質的な価値を見極める [What]
・価値を提供するための方法を考える [How]
メンタリズム文章術も同じ。読み手の設定、読み手が行動するために知りたいこと、行動に向けて答えるように書く


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