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現代に士農工商を当てはめると、どうなるか。自分の目指す働き方を考える

今回はビジネスキャリアについてです。

日本再興戦略 という本に書かれてた、「百姓は多動力」から掘り下げています。

この本から「士農工商」を現代に当てはめてみた場合に、どんな生き方を目指したいかを考えます。

百姓は多動力

本書で興味深いと思ったので、百姓は多動力について以下は引用です

本来、江戸の日本には、100、200、300という複数の職業があって、そのうち何個かの職業を一人が兼任して、みなで助け合いながら、働いてきました。ポートフォリオマネジメントされていたため誰かが技術失業することはありませんでした。

 (中略)

百姓とは100の生業を持ちうる職業のことです。

 (引用: 日本再興戦略


多動力とは、1つの仕事ではなく、様々な仕事を持っています。自分がやりたいことや好きなことは、次々に取り組みます。誰かにやらさせるからではなく、好きだから、熱中できるから、やりたいことが増えていきます。

もう1つ、この本に書かれていた内容で興味深く読んだのは、「現代に当てはめる士農工商」です。

士農工商を現代に当てはめると

落合氏は、士農工商はよくできており、コンピュータ時代にも価値を持ちうる良い並びだと書いています。

本書では、士農工商を現代に、以下のように当てはめています。

士農工商の現代への当てはめ
士:政策決定者、事業創造者、官僚。政策を決定する政治家や官僚、制度設計をつくる人や、新しい事業からイノベーションを起こす人
農:一般生産・一般業務従事者。今後は百姓が100の生業を持った人であったように、複数の働き方を持った人が「農」に当てはまる
工:専門家や職人、クリエイターやアーティスト
商:企業のホワイトカラーは「商」。金融商品や会計を扱うビジネスパーソン


おもしろい見方だと思ったのは、「士農工商の考え方が時代の最先端になってきた」という落合氏の指摘です。

以下は本書からの引用です。

この士農工商のモデルは、これからの時代にも合っています。一周まわって、士農工商の考え方が時代の最先端になってきているのです。

なぜなら、AI が普及すると、「商」のホワイトカラーの効率化がどんどん進みます。とくに専門性がなくて、オフィスでエクセルを打っていた人たちは、機械に置き換わっていきます。

一方、何か具体的なモノをつくり出せる人や、百姓のようにいろんなことができる人は、食いっぱぐれません。それに、IT ツールの民主化によって、誰もがモノを作りやすい時代にもなりました。

今の日本人は「農」というと、農民と思い込んでいますが、それは昭和のイメージで士農工商を見ているからです。もともとの「農」は米もつくっていましたが、米づくり以外のこともたくさんしていました。

 (引用: 日本再興戦略


価値を生み出しているかという視点で、落合氏は、次のように続けて書いています。再び引用です。

いつの時代も、社会の中での重要性を決めるのは、市場での希少価値です。数が少ない人たち、レアな人たちほど価値が高いのです。

たとえば、新しい仕組みを考えたり、イノベーションを起こしたりするクリエイティブクラスは明らかにレアなので、価値が高い。誰にもつくれないモノをつくれる人は価値が高い。

それに対して、現代のホワイトカラーの仕事をできる人や機能はほかにもたくさんいるし、あります。だから価値が相対的に低いのです。

(引用: 日本再興戦略


ここからは、落合氏の「百姓は多動力」と「現代に当てはめる士農工商」について思ったことです。

自分が目指したいのは「士 + 農 + 工」

士農工商において、自分はどこを目指したいかを考えると、結論は「士」と「農」と「工」を合わせたハイブリッドな生き方です。

士の人は、ビジネスを新しく立ち上げるなど、0から1をつくる人です。起業家が代表例ですが、必ずしも会社を立ち上げることだけではなく、新しい価値を生み出す人、今までにないものをつくり出す人です。
農の人は、多動力を持ち、自分の好きなこと・やりたいと思うことを、次々に取り組む生き方です。熱中することが複数あり、他人に強制されたわけではなく、自らの意思で行動します。
工の人は、自分の専門を追求します。特定の領域で、自分の専門力を高めていく働き方です。

自分が取り組む全てのことが「士」のような 0 から 1 をつくるではないとしても、「農」として自分が好きなこと・夢中になれることを、なるべく制約なしに挑戦したいです。その過程で、「工」のように専門力を高める生き方です。

士と農と工のハイブリッドができれば、工や農で得られた自分の資産が、いくつかは士で新しくつくり上げることの種につながることが期待できます。


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