ビットコインを支えるブロックチェーン技術は、どのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか
今回は、ブロックチェーンについてです。
ブロックチェーン・レボリューション - ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか という本から、ブロックチェーンについて考えます。
ブロックチェーンは「価値とお金のインターネット」
本書の冒頭に、従来のインターネットとブロックチェーンの対比がされています。
従来のインターネットは「情報のインターネット」に対して、ブロックチェーンは「価値とお金のインターネット」だと説明されています。
インターネットでやりとりをされているのは情報で、著者の見方は、基本的にはコピーされた情報でしかないというものです。
ネット上でコピーされては困るもの、端的にはお金や資産をネットを介してやりとりする場合は、本人確認の徹底やコピーされないような仕組みを用意する必要があります。
ブロックチェーンが「価値とお金のインターネット」なのは、ブロックチェーンにはこれを解決することが期待されているからです。
本書の最後の解説では、「インターネットのポテンシャルは、むしろブロックチェーンという技術・コンセプトによって飛躍的に拡大・拡張することができる」と書かれています。
取引情報と本人確認が分離される意味
本書で興味深いと思ったのは、ブロックチェーンを使えば、取引相手そのものを信用しなくても、取引に関する記録やデータだけを信用して取引を行える仕組みができることです。
ここで言う取引とは、情報と情報のやりとりや価値 (例: お金) のやりとりです。例えば、A さんから B さんへ100万円の価値を渡す (支払う) などの取引です。
ブロックチェーンがないと、取引情報の正しさを本人確認によって正しいと判断します。氏名・性別・年齢・住所・公的な存在証明などによって本人確認をします。
ブロックチェーンは取引情報と本人確認を切り離します。これが意味するのは、個人情報を必要以上に提供したり使われることなく、取引が成立します。
取引情報のみブロックチェーン内に記録されパブリックに公開されますが、誰と誰がその取引をしたかについて、取引に必要な情報以上の個人情報は公開されません。
ブロックチェーンは IoT に不可欠
上記で見たように、ブロックチェーンは、お金や情報の取引が成立するための本人確認を不要にします。
本書に書かれていたことで印象的だったのは、「ブロックチェーンはモノのインターネット (IoT) に命を吹き込む」でした。
モノ同士がネットワークにつながりブロックチェーンが組み込まれていれば、モノとモノの取引 (情報や価値のやりとり) は、お互いが取引の相手を知らなくても取引情報さえ正しいと判断できれば取引は成立します。
これが意味することは、モノ同士が人間の介入なしに取引ができるということです。
そして、モノ同士で直接、情報やお金などの価値をやりとりできると、あらゆる取引はモノが勝手に実行するという自動化ができます。
最後に
本書の最後に、次のように書かれています。該当箇所を引用します。
インターネット初期と同じように、ブロックチェーン革命は既存のビジネスモデルをひっくり返し、業界を変革するという使命を負っている。
でも、革命はそこで終わらない。ブロックチェーン技術はすごい速さで、僕たちを新たな時代へと運んでいく。世界はオープンで、豊かで、分散的で、真にグローバルな時代へと突入するのだ。
(引用: ブロックチェーン・レボリューション - ビットコインを支える技術はどのようにビジネスと経済、そして世界を変えるのか)
この本を読んでわかるのは、ブロックチェーンが社会をどう変えるのかというポジティブな可能性と、ブロックチェーンの課題やネガティブに利用されるマイナス面です。
ブロックチェーンとは要するに何かを理解するためにおすすめの1冊です。
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