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価値あるデータ分析をするための6つの問い

今回は、データ分析についてです。ビジネスで価値を出すために大切にしていることをご紹介します。

価値のあるデータ分析とは、アクションにつながることです。そのために、6つの問いから分析設計をつくります。

1. データ分析結果の受け手は誰か

最初に明らかにするのは、受け手です。データ分析結果のサマリーやレポートを誰に提供するかです。

同じデータから集計と分析をし、考察や提言を加えたレポートをつくるにしても、誰に読んでもらうかによってデータ分析プロセスとレポートの中身が変わります。

だからこそ、このデータ分析は誰のために実施するのかをまずは明確にします。

2. 相手が知りたいことは何か (何に答えを出すか) 

2つめは、受け手が知りたいことが何かを整理します。何に対して、データ分析から答えや示唆を出すかです。

1つめで 「誰がレポートを読むかによって、データ分析プロセスとレポートの中身が変わる」 と書きました。受け手の立場が変われば、知りたいことも変わります。

受け手が知りたいことが何かを明確にするには、現時点で相手が何を知っているかについて理解する必要があります。すでに知っていることを自分が提示しても、受け手にとっては価値はないからです。

その上で、相手がまだ知らないことで、かつ、その情報が相手に役に立つかどうかを見極めます。つまり、相手にとっての価値は、

新しい情報 = 提供する情報 - 既存の情報

相手が知りたいことを明確にするために、アウトプットイメージを考えます。具体的には、データ分析に入る前の段階で、分析課題 (何に答えを出すか) と、課題に対する答え (仮説) 、以上を踏まえてまとめとしてどんなメッセージにするかです。

3. 受け手に提供するアウトプットは何のために使われるか (活用イメージ) 

3つめは受け手の活用イメージです。データ分析から提供するレポートなどのアウトプットは、相手がどう使うかを把握します。

役に立つかどうかだけではなく、どう活用され、それが具体的にどう有益なのかです。実際の利用シーンをイメージします。データ分析に入る前に、仮に想定しているアウトプットができたとしたら、受け手にはどんな価値があるのかを具体的に理解します。

4. 受け手が知りたい答えをどうやって出すか。そもそも答えが出せるか

実際のデータ整備や集計、分析手法を設計します。忘れてはいけない視点は、そもそも答えが出せるかです。必要なデータがない場合もあれば、自分ができる集計や分析の方法では解決できないケースもあり得ます。

はじめからできないことに自分の時間を使うことは避けるべきです。その場合は早めにアウトプットの受け手に対して状況を説明する必要があります。

5. いつまでに必要か

アウトプットを提供するまでのスケジュールです。高度なデータ分析を行ったとしても、相手が知りたい期限までに間に合わなければ、相手にとっては意味がありません。

スケジュール次第で、分析で何をどこまで深掘りするかが変わります。

6. どれだけのリソース (コスト含む) をかけられるか

使える予算や、業務に携わる人数、かけられる時間などのリソースの制約を確認します。

アウトプットの品質、期限、リソース (予算や人など) の3つは、トレードオフです。例えば、期限とリソースが限られている状況では、品質に制約が生じます。

アウトプットを提供する相手と、品質・期限・リソースの状況を共有し、何が優先されるかの合意を取っておきます。受け手への期待値コントロールをいかにできるかです。

まとめ

データ分析の業務をするにあたり、自分が大切にしている6つの 「問いかけ」 をご紹介しました。

価値あるデータ分析への問い
・データ分析結果の受け手は誰か
・相手が知りたいことは何か (何に答えを出すか)
・受け手に提供するアウトプットは何のために使われるか (活用イメージ)
・受け手が知りたい答えをどうやって出すか。そもそも答えが出せるか
・いつまでに必要か
・どれだけのリソース (コスト含む) をかけられるか

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