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未来に先回りする思考法。当たり前を疑うこと、未来に向けた行動を取る半信半疑のタイミング

未来に先回りする思考法 という本から、未来をいかに読むかを考えます。

未来を読むために必要なのは「疑うこと」

本書で指摘する未来を読むために必要な能力は、今の時代に当然とされているものを疑えることです。

疑うとは、当たり前になっているやり方や仕組みについて、そもそもどのような必要性があってできたかの原点に戻って考えます

すでにできている仕組みが続く限りは、現在と未来は変わりません。

未来を読むために考えないといけないのは、「未来の当たり前」がどうなるかです。未来の当たり前とは、今はまだ当たり前になっていないことです。

 「今の当たり前」と「未来の当たり前」は、何がどのように変わるのかです。大事なのは、未来の当たり前に気づくために、いかに今の当たり前を疑えるかです。

「手段の目的化」に未来のヒントがある

本書で興味深いと思った指摘があります。

今は当然のように存在する仕組みについて、本来の目的が人々に忘れ去られ、手段でしかない仕組みを維持することが、いつの間にか目的になっていないかです。手段の目的化です。

目的という原点に戻り、もっと効率の良いやり方が見つかれば、その手段が未来の当たり前になります。

今の常識や当たり前に対して、漠然と受け入れてその枠組みで未来を考えるのではありません。未来を読むために必要な力は、疑いの目を持ち、どんな必要性でできたのかを問う姿勢です。

未来に向けて行動するタイミング

本書で強調しているのは、未来を読めるだけでは十分ではありません。重要なのは、思い描いた未来に向けて、どう活かすか、どのように行動するかです。

行動には適切なタイミングがあります。早すぎても遅すぎてもいけません。

タイミングは早すぎると、社会が受け入れられる状況になっていません。技術、コスト、人々の感情や倫理観などが追いついていないためです。

遅すぎるタイミングでは、誰もが同じように考えるので過当競争になり先行者利益を得られません。成果は他人に持っていかれてしまう可能性も高くなります。

では、行動するタイミングはどのように判断すればいいのでしょうか?

適切なタイミングの見極め方

興味深いと思ったのは、タイミングを見極めるやり方でした。

周囲の反応が、タイミングを知るリトマス紙になります。例えば、以下のような見極めです。

適切なタイミングの見極め方
・新しいもの好きの人のみが熱中していて、そのテーマを他人に話しても8割の人が聞き返してくる状況は、まだ早い
・マス向けの新聞・雑誌・テレビなどのメディアで頻繁に取り上げられているようでは遅い

おもしろい考え方だと思ったのは、新しい兆しやトレンドに「半信半疑である状態」が、適切なタイミングです。

今はまだ実現できていないことでも、未来では当たり前になるかどうかが、自分でも五分五分という認識の段階です。自分以外にも、他人からも同じように半信半疑に見られている状態です。

ここで言う半信半疑とは、自分の今の常識から考えると本当にそうなるかは疑問である一方、必要性や原理、過去のパターンから突き詰めて考えると、そうなるだろうと言えるような状況です。

周囲の人にもチャンスとわかるようなタイミングでは遅く、自分でも成功確率が 50% くらいだと思えるタイミングが、本格的に行動を起こすチャンスなのです。


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