タイドノート~潮汐~(詩)

今日の鼓動を
書きなぐる

繊細な幻想を
壊すように

月明かりの
魔法を
受け入れる

醜い現実を
癒すように

あのころから
何が変わったのだろうか

海が永久(とわ)に
満ち引きを
繰り返すように

ただ
僕らを満たす
詩(うた)を唄(うた)う
唄い続けている

何が変わるのか
僕は英雄になれたのか
僕は英雄になれるのか
気が遠くなるほどに
長遠(ちょうおん)な日々

移ろう景色の中
変革の黎明を呼ぶ

呼ぶ

獅子王のような
しゃがれ声で

水晶のように
クリアな魂の
しゃがれ声で

30を越え
死線を越え
どうにか生きてきた

あのころの
ワルガキは
今も
少年の
笑顔のままで

月の呼吸を
聴いている
あなたの呼吸も
同じ
心地よさを宿しているのか

海と月の
澄(す)んだ合唱

混ざりあうことで
創られる奇跡

いにしえの昔から
聞いていたような
今日はじめて
出会ったような
調和と新鮮さを
兼ね備えた

音色

まるで
あなたのような
音色

ラウンドのクリスタルが
決して飽きられることなく
持ち主と
生涯を共にするように

何色にも侵(おか)されない
僕らの波動
なにものにもかえがたい
絆を
育てていく

今は
地位や名誉を
得たわけではない

潮の満ち引きのように
ただ僕の心を
満たすだけの詩

今は
金や肩書きを
持つわけでもない

潮の満ち引きのように
ただ僕らの心の
きらめきを
たたえるだけの詩

月を想い唄う海のように
あなたを想い
唄う

ひかりに魅せられて
海は
僕は
唯一無二の
声を放つ

喜びに魅せられて
海は
世界一
豊かな
詩になる

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