フライハイサウンド(詩)

君の声が泣いているのを聴いた日
僕も泣いていたんだ
遠い昔を思い出し
近い未来を想像して
今を抱き締めて

暖かかったあの頃
今より未熟だったあの頃
悲しませ
喜ばせ
消えていく時間
ひとかけらの
かけがえのない
幸せを抱き締めている今
愛するあいつが
いなくなってしまう
未来

僕自身もいずれ
消えていくのだろう
大きな可能性を
与えられて生まれ
ののしられながら生きて
自分を傷つけながら
泣きながら手を伸ばして
ようやくつかんだ幸せも
誰かに
奪われて

そして何かをつかんで

ささやかな幸せを
感じて

また新しい世界に
手を伸ばして

あの人がいたあの頃
かけがえのない存在が
いる瞬間
それがどれほど尊いのか
時に忘れる

そこにいる誰かは
他の誰かにとって
そして自分にとって
誰よりもかけがえのない
存在だということを忘れ
傷つけ
傷つけたことに傷つき
僕らは今日も
詩(うた)を朗読(うた)う

魂よ
立ち上がれ
天に向かって
駆け上がれ

自分を照らし
大事な存在を照らし
使命ある
今を照らす
太陽になれ

魂よ
心よ
命よ

大好きな瞬間を
作ってくれた存在に
再び出会うために
再び新しく出会うために

自身を磨いて

あのとき以上に
優しくあれる
強さを
コエを

放(はな)て

世界に

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