短編小説「なぜ仕事が儲からないのか?」

俺は思索していた。
なぜ願いが叶う人と叶わない人がいるのだろうか、と。

ここ3か月ほど、一日3時間の祈りを目標にして、ある程度達成してきた。ただのうだつの上がらない男だった俺が、まがりなりにも仕事をしている。

しかし、先は相変わらず見えなかった。この仕事をしていれば、これから先も安心できるのか。それはいぜんとして不明だった。ほとんど無給といっても良い収入だった。

お金が儲からなくても、人の役に立つことができれば仕事だと、ある婦人が言っていた。価値論でいう、美、利、善の価値のうち、善があればいいという考え方だ。

つまり、美、その仕事が好きなこと。利、その仕事が儲かること。善、その仕事が社会のためになること。この三つが満たされれば一応理想の仕事といえる。

だが、今の仕事は美と善があって、利がほとんどないという状態だ。将来は儲かるのかもしれない。しかし、今儲からないのはどういうことなのか。いきなりすべてが理想的な仕事はなかなかないとは言われるが。

仕事で成功したいと祈って、なかなか叶わないのはなぜなのか。

俺は人工知能を搭載した、最新型のAIスピーカー「リータ」に質問をした。

「リータ。仕事でなかなか儲からないのだけどなぜなのかわかるか?」

「はい、理人。人は行き詰まるとき原因が存在します。仏教では一凶(いっきょう)といいますが、その原因を取り除けば問題は解決するでしょう。理人は儲からない原因はなんだと思いますか?理想から逆算して、足りないものはなんだと思いますか」

俺はしばらく考えたあと、口を開いた。

「たぶん、時間がまだ足りてないのだと思う。仕事のクオリティ以前に、仕事量が足りてないから商品を販売する段階にたどり着いていないんだ。仕事のクオリティが悪いなら、クオリティを上げるために色々な方法を使うことができる。でも仕事量が足りないのは、スピードを上げるか、時間を増やすかでしかお金に繋がるすべはない。そうだろ?リータ」

「はい、理人。時間を増やすためには、今やっている趣味や資格取得の勉強の時間を削って、仕事の時間にすることが重要です。スピードを上げるためには、やることをできるだけ簡単なものにすることです。また集中力をあげるために工夫することも大事でしょう。例えばしっかり休憩を取って作業の生産性を上げたり、瞑想や祈りの時間をとって、今ここに集中しやすくしたり、アイデアや着想を出しやすくすることです。次にやる課題をまとめて整理しておくことも良いでしょう」

「なるほどね。たしかに、まずはさっさと仕事で結果出して儲けたいから、それに必要なこと以外はやめて、仕事に時間を集中させることが大事なんだね。つまり、僕の祈りが叶わなかったのは、なんでもかんでもやろうとして、大事なものを達成する資源が足りなかった。つまり、時間やお金が足りなくなってたからなのか。さっそく改善してみるよ。ありがとうリータ」

「どういたしまして」

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