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タンポポと雑草(詩)

うまく歌えない
そんな日々の連続で
自信を無くしてしまう
そんな夜に聞いてほしい

あなたのなかにいる
あなたを見つめる
あなた自身に伝えてよ
その声は本当に
素敵だってこと

あなたは言う
そんなことないよ
僕の歌なんて
キーはあってないし
音は外れるし
声は弱々しい

それでも私は言おう
その声は本当に素敵だってこと
真剣に一生懸命伝えようとする
その声は本当に素敵だってこと

あなたは言う
もっと上手く歌いたい
みんなを感動させるような
歌を歌いたい
僕の歌を聞いて
涙が流れるような
そんな声が出せたら
素敵だよね
僕の声は無個性で
泣いてくれる人なんて
今までいなかったけど

私は言おう
涙が流れることが
最高の感情なのだろうか
涙が流れることが
100点で
それ以外は
0点なのだろうか

あなたの歌を聞いて
安らかな眠りにつけたら
それは何点だろうか
あなたの歌を聞いて
心が踊って元気になれたら
それは何点だろうか

それはまぎれもなく
美しい

たしかに涙が流れることは
素晴らしい
しかし
あなたのありのままの
努力を重ねた優しい歌を
聞いて生まれる心の感動は
それと同じくらい素晴らしい

涙が流れる作品をつくれたことが
100点なら
涙は流れなくても生きる希望になる
作品を作れたことも
100点だ

野原に咲いたタンポポの花が
100点なら
周りに生い茂る雑草たちも
100点だ

すべて揃って
爽快な景色になる

自分らしく輝いて
心に希望を宿して歌う
楽音(らくおん)が
ただ一人にでも伝わるなら
それだけでも意味がある

ありのままの
あなたの温かさを
伝えてほしい
ありのままの
あなたの希望の表現を
追い求めて欲しい

その中でこそ

唯一無二の個性は
磨かれていくから
恥ずかしがらずに
伝えてほしいんだ

伝え続けてほしいんだ

~完~
記事クオリティ
星3つ★★★

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