熱く茶色い目覚ましを
喉の中に注ぎ込む
まだ眠い体内の
時計のリズムを
整える

やわらかな
みかん色した
春の風が
車の中の
元気なオレンジ色と
まざりあう

あたたかい

ラジオから
聞こえる
桜色の歌声も
まざりあう

あたたかい

流れる川と流れる車
道路はまるで
たくさんの船がいきかう
川のよう

休日のやすらぎの空気が
町いっぱいに
満ちている

あたたかい

笑い声

たえず冗談を言う
僕らを乗せて

太陽の色をした船は
流れていく

窓からやって来る
桜の使者

やわらかい花びらの
放射状に伸びる血管
花びらの中に光を放つ
太陽があることを示している

僕の中にも
君の中にも
花びらの中にも
風の中にも
太陽の情熱が

あたたかく
脈打つ

ただ僕らが
ここにいるだけで

世界は
春色に
染まっていく

～完～

スピカさんの朗読

4月4日のサウンドノート太陽の遺伝子｜spica1014｜note（ノート）https://note.mu/spica1014/n/n44ef18f2e972

写真はつぼぼが撮影