見出し画像

これからの広告って?

私のブログで最も読まれた記事を

noteで再掲。


2010年と少し前なのですが

当時電通に所属していた佐藤尚之さんと

博報堂の須田和博さんのトークショー


お互いの本の書評をそれぞれが解説

つまりは佐藤さんが「使ってもらえる広告」を

須田さんが「明日の広告」を解説

須田さん

今回改めて「明日の広告」を読んだが、ポジティブさ、注意喚起、危機感という観点で同じ。正直わざわざ出す必要がなかったかも

さとなおさん

お互いがweb至上主義でもなく、ニュートラルな立場。電通は博報堂とか関係ない立場である、同志と考えている。クライアントや生活者にとっていいソリューションであれば会社や立場は関係ない。特に鳩カフェコーヒーを一緒にやれたこともこの考え。

須田さん

お互い一緒に飲むことも多いが、競合プレゼンで会うことがあってもお互いの敵は会社ではなく、マス至上主義者という共通の敵がいる

さとなおさん

正直須田さんに負けても悔しい感情よりも 「そうきたか~~、おもしろいなぁ」と思える関係。今回一緒にやった「鳩カフェ」も広告の定義が変わってきている中で、電通だけでやるのではなく、いろんな人と関わってやることが必要だった。目的として「国民と政治を近づける」「無関心が政治を悪くしている」その要因を少しでも解決するのが目的。まだ一歩を踏み出したばかりだがこの動きだけでも今までなかったことだと思う

メディアや広告のお話

須田さん

さとなおさんがネットを始めて10年、私が5年でこの視点(本に書いたこと)が正しいことを実感している

さとなおさん

送り手の論理である「説得」ではなく、「聞く」ことが大事になっている。しかし未だにこの変化の「ズレ」を感じていない人が多い。特にネットの世界では評価のスピードも速い、だいたい半年で変わってしまう。成功体験を捨てていく、賞をとった人ほどそれができないジレンマを感じている。

須田さん

TCCでも去年の作品は古いという考え。さとさおさんが本を出してから変わったことは3つ①ツイッターの出現(台頭)②Ustream配信③iPhone。さとなおさんの書いた「消費者本位」「ネット茶の間」私の書いた「ユーザーがエライ」は基本同じ。私はその「ユーザーに浸かる」をファイブミニで体感した

さとなおさん

私の場合は「スラムダンク」。でもファイブミニとか手離れが難しい。今までの「上から落としていく」という旧来の手法のリミッターが外れた感触があった。ユーザーにどっぷりでいい。そこでTVCMじゃなくていいことを理解した

須田さん

スラムダンクを見て、ネットが旧メディア(この場合新聞)をフューチャーしたと思うのですが

さとなおさん

私は正直そうは思っていなくて、伝わるのであれば何でもありという考え。そもそもクロスメディアという言葉が嫌い。メディアありきで考えるのではなく、一番伝わる方法を考えたい。そういう点では「広告なし」「ノーメディア」というやり方もありだと思っている。広辞苑の広告で「対ウィキペディア」という対立軸を作って、番組にしてもらうという企画はある意味「広告なし」のアイデア。

「今日」に至ったきっかけ

須田さん

CMをやっていたが行き詰まっていた、広告が伝わっていないのを実感しているところにネットの部署へ異動。デジタル音痴からの出発だったがかなり勉強した。周りからは心配の声が多数あった。

さとなおさん

私も異動した当時からいろんな人に心配された。バナー作ってどうするの?みたいなあせり。ブログを始めたことでリアリティがネットにあって、広告が伝わっていないことを実感。もはやネット(ツイッター)はメディアでもない、電話といったインフラに近い。ブログはトップダウンに近いがツイッターは完全にフラット。RTで共感が広がる。

須田さん

本の中でも、広告やメディアの体系を書いたが「広告会社」のポジションを書くのを忘れた(笑

さとなおさん

もう「広告会社」はいらないといってもいいくらい。プル型の広告や戦略的PRの部分を有機的につなぐのが広告会社の役割。ソフトバンクの孫さんや加ト吉みたくソーシャルメディアは企業でできてしまう。「情報」が流通貨幣ではなく、「共感」が価値になりつつある。

須田さん

以前「サマーウォーズ」の細田さんに「ストーリー」の定義について聞いたが新しい不変性と言っていたのに納得した。「共感」「共存」は人間本来のもので、人間自体は変わっていない最新デバイスが出ても人間自体は変わらないのだから。

質問タイム(いくつか抜粋)

Q:ソーシャルメディアとブランドについて

さとなおさん

メディアだけでブランドを伝えても、ネットで本性がばれる。メディアをやってから、ソーシャルメディアでユーザー目線にどっぷり。浸かって「気づく」こと、そのことを踏まえてニュートラルにやってみる。広告会社もツイッターをやった方がいい、少なくとも企業の社長はアカウントをもった方がいい。

須田さん

広告会社の企業アカウントを持つ担当の恐怖といったらないですが(笑

Q:これからの広告について

須田さん

「広告」から「広場」へ。告げるお手伝いから、デジタルといった、場を提供するお手伝い

さとなおさん

アメリカではPR>広告。日本ではPR<広告となってしまっている。コピーライターが企業をリリースを書くように、広告とPRの役割に垣根を作らない

須田さん

ユニクロの柳井社長の隣には佐藤可士和、前田知巳が黄門さまの助さん・格さんみたくなっている。

Q:今の(広告を目指す)若者に必要なこと

須田さん

クリエイティブがテクノロジーを理解していないのはまずい。企画とテクノロジーを融合させないと成り立たない

さとなおさん

興味の世界が小さい気がする。もっとうまいものや美術館、映画を見たほうがいい。頭でっかちなイメージ。領域を関係なくいろいろと体験すべき


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?