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他者への恐れと閉じたチームワーク

小さい頃の話、幼児期の髪型(パッツンなボブ)から、いかにも少年な刈り上げにするのが嫌だった。散髪を嫌がるその度に、親から「誰も見てないよ」と言われた。

仕事でも家事でも介護でも遊びでも、複数人が関わるチームワークがうまくいかない理由を考えているとき、このエピソードと心理状況を思い出したので、ここで少し書き出してみたい。

閉じた世界

「誰も見てないよ」

たぶんそう。髪を切ったところで、親が想像する範囲では、誰も見ていない。ただし、学校の1クラスの、小さな人間関係のなかで、ごくささいな変化が話題になることは珍しくなかった。

「誰かが見ている」

自分のいた閉じた世界では、すぐ近くにクラスメイトがいた。何かしら話題になることに、そこそこ嫌悪感があった。幼い自分には恥ずかしかった。親には親の、自分には自分の見ている世界があり、どちらも正しい。

相手を恐れ、求める心理

結局、大人になっても、他者にどう思われているか気にする人はする。多かれ少なかれ、気にならないことはない。その程度によって、思考や機能が著しく低下する。過剰に他者の評価を気にすることもある。

仕事となると途端に相手を気にする「新型うつ/非定型うつ」を思い出した。

(上記URLからの引用)
> とりわけ、批判されたり拒絶されたりすることに恐怖心を抱き、周りの目や評価を気にする。自分が好かれているとか、受け入れられているといった確信が持てない限り、決して相手とは接触を持たない。根底には傷つきやすくナーバスな性格傾向がある。
> また前述したように、周りの目や評価を気にするあまり、自分ひとりでは物事を決めることが困難になり、他者に依存する。要は、自信がない。そのため極端に「他者報酬型」の生き方をしてしまう。その結果、行き詰まり感を持ち、自分の性格傾向や生き方を嫌悪したり否定したりする。

はたからみれば、自己を優先するくせに他者の評価を気にする。「都合いい」と思われても仕方ない。でもそんな人も、自分もあなたも、根底で求めているものは同じような気がしている。

これはSNSで容易に陥りやすいなんて言説をよく見る。どこかで見返りを求めて投稿する。いいね稼ぎのためのパフォーマンス。状況は違えど、自分はどちらも助けを求めていると感じる。

連携しないチームと要因

社会人になって、複数人での仕事を進めるなかで、何度となく「周りを気にした行動」でチームがうまく連携しない機会に遭遇した。たとえば

行動
・自分の作業や得意な領域以外がわからない(から言わない)
・前行程の状況・不出来を気にする(ものの何もしない)
・指示にしっかり網羅的に従う(疑問は口に出さない)

自分も含めてそうだが「なんでコミュニケーションしないんだろう?」「なんで言われたことしかしないんだろう?(本来必要なことは知ってるはずなのに。)」と疑問に思う。どこか、前述した他者への依存、他者からの承認など、他者に助けを求める心理が働いているんじゃないか?

もう一度、閉じた世界に戻って反証したい。

心理
・閉じた世界で相手の反応が気になる
・他者を頼っているようで自分で判断するほど自信がない
・ダイレクトな他者との関係や距離感の近さを恐れている

行動とその心理がつながってくるような気がする。

「箱」の苦しみと仲間の理解

ここまで書いた状況は、はたからみれば、全て誰かひとりが生み出しているように見える。

でも、もがいている要因は外にある。(他者が悪いという意味ではない。)本人が持っている「箱」に外から不都合を取り込んでいる。こうなると取り込んでいる本人が、周りを信頼できずして解消しない。彼は彼なりに、彼女は彼女なりに、ひとりの「箱」の中で苦しみもがいている。それを周りから一方的に問うても、あまり良い結果は生まれないように思う。

上の本を読んで思ったのは、わりと「状況は単純だ」ということと、それでも「本人は真剣だ」ということ。またそこに「自分も関わっている」ということ。もしチームにそんな人がいたら、スケジュールなどの都合ももちろんあるとは思うけど、あるべき基準より何より、それらを理解していることが必要じゃないかと思う。

そのうえで、一方的に自分や誰かの正しさをみせつけるのでなく、同じチームの仲間として、その苦しみを理解したい。結果的に、長く続くチーム、生きたチームが育てばいいな。と思う。

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Yasuhiro Muraji

表現としくみ、いろんな人の捉えかたに興味があります。PM/ディレクタとしてデジタルクリエイティブ領域で働いてます。ズボラ飯とくだらないことが好きです。

表現と認知の個人的な考察

個人のライフワークのひとつとして、観察や反証から得られたものをまとめます。
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