ロボットは心を持つか(その2)

以前、ロボットは心を持つかというタイトルで、ロボットが意識を持たせる事が可能だと言う結論に進んだ。

インプットした情報に対し、それをいくつかの感情に分類できれば、それが意識という事になる。

では、それをさらに発展させれば、ロボットも心を持つことも可能なのだろうか?

可能だという結論に進む前に、そもそも人は、他人の何を見て、その人に心があると思うのだろう。

例えば、他人に「おはよう」といって「おはよう」と返す反応があったとする。その時、表情だったりしぐさをみて、それを心のある生き物の動作としてとらえている。

つまり第三者から見た心というのは、反応、動作、言葉という事になる。
それが仮に、あたかも感情があるようにうまく振舞っているだけだとしても。

そもそも、人間はなぜ心を持っているのだろうか。

それは、生物的な反応と、社会生活を営む上で、心が必要になってきたからだろう。蟻が巣を作るように、人が住居を作るだけなら、心がなくともたぶん家は作れる。ただし、家に様々な模様をつけたり、好みの壁紙を貼るのは、心の発達や、文化の習得によるものだろう。

なぜ人は他人の心を知ろうとするのだろうか。学力、体力、見た目、財力を数値化するだけじゃだめなのか。

たしかに、心を測定して数字にしたり、お金に変えるシステムはないけど、嫌な奴とは一緒にいたくないと思う。どうやら心というのは、他者との関係性を築くための要素のようだ。

もし、他人との接触が一切なく、与えられた食事を食べ、寝るだけの繰り返しで、喜怒哀楽を表す事が、生活に一切影響がなければ、言葉や、表情は不要となるだろう。

さらに、人間は欲望というものをなぜか持っている。しかもそれは複数の種類がある。

これもまた、心の源泉だと思う。

あまり深掘りはせず、一旦まとめるが、心を持ったロボットを作るには

・入力した情報を、喜怒哀楽などの感情と関連付けて分類できること
・いくつかの欲望を持たせる事
・それらを踏まえて、表情や言葉などで、フィードバックを返す事

といった事をできるようにすれば、心を持ったロボットができると思う。

単純な例で言えば、ロボットに「おはよう」といったら軽やかに「おはよう」と返してくれるが、10回連続していうと、すこし嫌がったり、日によってテンションが異なるというように、条件によって反応が変われば、心を持ったロボットとして感じる事ができるだろう。

一方で、ロボットに心は必要かという問(とい)も存在する。ロボットが心を持つことは厄介である。

もしロボットが、人権が欲しい、選挙権が欲しい、などなど様々な権利を主張してきたら、利害関係の部分で、なにかと困ることになるだろう。

ここまで来て、ロボットが心を持つなんて到底ありっこないと思う方は、ひとまず、マーヴィン・ミンスキー「心の社会」という本を読んでいただければと思う。

要は、心という単独のものが存在しているのではなく、複数の要素がエージェントとなり、社会を作ることで、心というものが成立しているというような話である。

心を作り出しているのは、脳だが、臓器だけあっても知識や、経験がなければ、心は成立しない。

知識だけでも、心は成立すると思うが、それだと共感が難しいと思う。
例えば、いままで暑いという経験がまったくない人に、「今日は暑かったと」伝えても、そうなんだーと返事が返ってきても、共感してもらうのは難しい。味覚に関しても、それを食べた事がない人に、その味を共感してもらうのは難しい。

逆にいうと、心を考える上で、共感が重要なのは、相手が自分と同じ仕様かどうかを確認できるという点にあると思う。そういう意味で考えると、女性がこれ、かわいいよねとか共感を求めてくるが、仕様の同一性を確認するための本能的なものだとしたら、それはそれで怖いなとふと思う。

仕様の同一性を確認する事のもう一つのメリットしては、自分と同じ住環境に適合しやすいという事を意味しており、他者との関係を築く上でひとつの目安になると思う。例えば自分が寒がりで、ロボットが暑がりだったら、ロボットに暑い暑いと言われて困る。

ロボットに心を与えたとして、それを共感のあるロボットにするためには、人間から、感覚のフィードバックを吸い上げる、あるいはロボットにも人間と同じような感覚を持たせる必要があるという事になるのではないだろうか。

出力される心は心の一部

脳の中には、欲望やそれを抑える部位などがあり、特定の部位の働き度合いにより、最終的な表現(言動)は大きく変わってくる。

とすると、7欲望とそれを抑制する4の綱引の結果、3の欲望が出力されたとしても、本当はその前段階も重要な要素なんだと思う。

ただ、外部からそれを知り得る事はできないし、第三者にとって最も重要なのは、行動(出力結果)なので、せいぜいあの人は本当はいい人なのよとか、本当は腹黒いのよとか、そういう話で終わる。

まとめ
・ロボットでも心は持てるが、人間とは「共感」という部分において大きく異なるかもしれない。
・人間の心のうち、共感にはどんな意味があるかと考えると、仕様の同一性を確認しているのかもしれない。(もしそうだったら怖い)
・心は、脳の複数の部位による連携で作られている。
(とはいえ、アウトプットで測るしかない)

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Tsubute

ロボット・人工知能

ロボットや人工知能が身近なものになる中、ロボットが仕事や生活にあたえる影響、ロボットを通じてな考える「人間とはなにか」について書いています。
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