AI人材は必要か

政府がAI人材が今後不足する(既に不足)してるから、年間25万人の育成に力を入れると言ってる。

先日、蕎麦屋で昼食をとっていたら、近くで(お父さんと思われるが)息子に英語より、コミュニケーション力や、文化、歴史の知識が大事だ。英語は機械翻訳などがどんどん進む。英語力より、そっちのほうが大事だ。的な熱弁を振るっていた。

まあそれは一理ある。言葉はデータを抽象化して、他者に伝達する手段なわけで、重要なのは、文法の正確性より、何をどんな熱量で伝えるかのほうが大事な時だってある。
とはいえ、ネット上にある膨大な情報や、世界の人々にアクセスするためには、英語が必要だ。私も最近は、google翻訳を使いつつ中国語サイトもつかって、調べ物をする場合もでてきた。

プログラミング教育が、小学校から始まる時代。5年もたてば、中学生ぐらいでは、AIと呼ばれるものを使ったことがある人が、今よりだいぶ増えているだろう。そんな中、もっと専門的にAIを研究する人材が、大勢必要になると思う。

今さらもう遅い?

たしかに、日本のAIの研究は、米国に遅れをとってしまったと言われている。
中国は、膨大なデータを米国以上に利用できる環境にあり、将来的には米国以上のポテンシャルがあると見られている。
しかし、本当に今更手遅れなのだろうか。
まだ、シンギュラリティは訪れていない。確かに自動運転自動車は走り始めているが、レベル5には達していない。そして、複数のセキュリティ問題を抱えている。

AI先進国の米国とて、「現金が使えないのは問題だ、キャッシュレスのみは禁止」などとやっているぐらいだ。日本もその気になれば10年前にできた事はいっぱいあったのに、それらをやらないで来て、今日に至る。
個人的には、それは政府というより、国民の選択だと思う。

政府が牽引すれば、できることもたくさんあるだろう。それでも、例えば、少子化対策は政府にしかできないことだろうか。高度技術の学習も、政府が禁止しているわけではない。だから、なんでも政府の責任だというのは違うと思う。選挙に立候補もできるし、投票もできる。起業して、会社を作って、高い給料を社員に支給しても良い。そこは、自由だ。

AI人材より大切なもの

冒頭の話のように、AI人材教育より大事なものを考えてみる。なぜ日本人はGAFAをやらなかったのだろうか。検索エンジンの重要性は、2000年頃には一般人でも気づいていたし、楽天だってある、mixiも始まりはFacebookと同じぐらいだ。Appleに関してだけは、あれは例外だ。Appleがそこまで成長したのは、スティーブ・ジョブズ氏が天才だったからである。しかし、スティーブ・ジョブズが日本で生まれたら、同じことはできなかっただろう。だからといって、アメリカとて、スティーブ・ジョブズ氏の後に、新たなジョブズ氏はまだ登場してない。

強いて言えば、イーロンマスクや、孫正義のような人物が、例え、いくらか失敗しても、活躍し続けることが可能な社会であることは重要だと思う。

結局のところ、国単位で測ると、資産×人口がざっと国力なんだと思う。
たしかに、世界は生まれた場所でスタートがだいぶ異なるかもしれない。
しかし、重要なのは自由と、人類を次の一歩を踏み出させるパワーだと思う。

天才とは、1%のひらめきと99%の努力である。- トーマス・エジソン

今や時代は変わりつつある。今、社会に必要なのは、99.999999%の努力と、0.000001もいない、天才を踏み殺さない事なのかもしれない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?