三つ角を曲がったところに寂びれたうどん屋があって、きつねが美味い。
掛け布団みたいな厚いお揚げを一口やって、熱い出汁がどっと流れ出るもんだから、それに多少口のなかを傷めてでもまた一口齧りたくなる。
思い出したようにずるずるっとうどんを啜って、胃が火照ってくるのがたまらない幸福だ。

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