バーでスーツを着込んだ男が話しかけてきた。
「結局さ、彼は書店のベストセラーと名作の棚から思い出したように手に取って切り貼りする、いわば付け焼き刃仕事なんだよね。はは」
ああ、彼っていうのはね、と僕の名前を付け足したので、僕はアルコールをどれだけ呑めば君は消えるのかと訊ねた。

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