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【易競馬#21】関屋記念 2022

東京は下町。
隅田川のほとりにある、カウンター数席の小さな居酒屋。
絶品の酒と肴に吸い寄せられるよう、今日も今日とて常連が集う。

「もぐもぐ。。さて!お次は新潟の関屋記念です! こちらは芝1600mで行われます」

「GIでも人気を集めるような、なかなかのメンバーが揃ったな。だたこの猛暑の新潟でGI級が本気で仕上げてくるのか。。悩ましいレースではあるが」

「たしかに関屋記念から中山の京成杯AH辺りに全力を傾けるGIII級が頑張って、マイルCSあたりで穴人気して負けるイメージですもんね。では、先生!お願いします!」

こくりと頷いた占い師は懐から三つのサイコロを取り出した。
静かに目を瞑り、ふぅ。。と大きく息を吐く。
チンチロリン!占い師の手から放たれた賽が小皿の上で小気味の良い音を立て、止まった。

「内卦・坎、外卦・乾、変爻の賽は五。天水訟の五爻、火水未済へ之く。が出ました」

「てんすいしょう? 天の水晶? なんかキラキラしてそうな卦ですねぇ」

「いやいや、水晶ではなくて訴訟の【訟】です。この天水訟という卦はですね。。。」

  • 水を表す八卦「坎」の上に、天を表す八卦の「乾」が乗っているこの卦は「天水訟」と呼ばれる

  • 「訟」は争う、訴える、訴訟。

  • 天は上に上り、水は下に流れる。それぞれ食い違った行動が争いとなる。

  • 卦辞は「訟は孚有りて塞がる。おそれて中すれば吉。終われば凶なり。大人を見るに利ろし。大川を渉るによろしからず」

  • 五爻の爻辞は「訟え。元吉なり」

「。。。と、食い違いによる争いや訴えの卦です。ただ、五爻はその争いや訴えを聞く立場の大人を表していて、そのような人が仲裁に入り裁くのであれば吉ですよ。という内容になってます」

「ほう。。するってぇと、争いの方に注目するのではなく、仲裁する方に注目ということか。。おいポロ、今の騎手会の会長は誰だい?」

「えーっとちょっと待ってくださいね。。騎手 会長で検索。。と。あ、出てきました日本騎手クラブ、会長は武豊です」

「ほう。まぁ今の現役では実績や人柄共に適役か。。。」

「そして、前会長であり現相談役が、我らが柴田善臣先生です!」

「なるほど。。そして二人とも関屋記念に出走していると。これはなにか感じるものがあるな」

「人気の01イルーシヴパンサーは田辺が乗ってたのに岩田望来に乗り替わってたり、その田辺は隣の02に入ったりしてなんか争いが起こりそうですもんね」

「もう一方の人気の08ダノン川田は先輩にも平気で怒鳴るほど気が強いし、そういや07の調教師はパワハラで訴えられてたりしてたな」

「争いの火種だらけじゃないですか!!どうなってるんだJRA!」

(まさに山風蠱。。)と耳を傾けながら占い師はひとりうなずいた。

「そんな争いの火種BOX(01,02,07,08)で決まっちゃうかもですが、人気サイドなのでボクは買いません!五爻の大人である我らが善臣相談役にバッサリ裁いてもらいましょう!」

(ポロシャツの購入馬券)

「その馬は期待されたこともあるが。。さすがに久しぶり過ぎやしねえか。。よし、ならば俺は武会長の方でいくぜ。裁く相手は訴えられた調教師の03と07へ」

(店主・健の購入馬券)

「なんかその言い方。。嫌な感じでいいですね。訴えられた調教師」

「言われてみりゃあ。。買いたくねぇな。だが馬に罪はねぇ。それに勝負強い外人ジョッキーってのも楽しみはある」

「当たるも八卦当たら。。「ああー--っ!!!」

「えっ?どうされたんですかポロシャツさん」

「すっかり忘れてました!今週、もう1レースあるんですよ!それも超歴史のあるGIレースが!」

【易競馬#22】ジャックルマロワ賞 2022へ続く

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