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#0「美容師の未来はどこへ向かっているのか?」

ボクは1966年生まれ53歳の現役美容師であり、新潟市万代というせまい街で3店舗を営む経営者でもある。

美容師としては34年。経営者としては26年というベテランになってしまったが、ここまできてひとつ思うことが、、

「ボクはいつまでこんなことをやっているんだろう?」ってこと、、。

だって、気づいたらもうジジイだ。
ジジイといったらアレだ。
小さな子供がボクの顔を見ただけでギャン泣きする存在だ。
まったく失礼なはなしだ。

あとアレだ。女子高生もだ。
ボクが「今日はどうするぅ〜〜」とか言いながら近づくと、悲鳴をあげて逃げ出さないまでも、あきらかに「マジかっ??」って表情をされるしまつ。
まったく、、どうなっているのだ。

20代のころのイケイケで自称カリスマなボクがみたら
「おいジジイ!なんてザマだ!」
って怒られるだろうけど、ボクは過去の自分と議論する気はない。
だってむしろ、未来の自分の方に「やるじゃん!」って言われたいじゃないか。

そう考えるとどうだ?
いまいるうちの社員さんたちも20年後の自分に「頑張ってよかったな!」って言ってもらえるのか?
ジジイとかババアとか、、そんな目で見られながら、ハイスペックなキャリアを活かすことができるのか?

近年の美容師さんはボクたちの頃とは違って独立願望がちいさい。
つまり、退社せずにずっと止まってくれる。。
それは嬉しいことなんだけど、一般的な今の仕組みからするとお給料はどうなるんだろう?やっぱ50歳と20歳では50歳の方が給料も高くて時間もあることが理想だと思うけど、そんな労働環境はなかなかむずかしいよな...?

結婚して、子供を授かって、人生に幸福を感じていい時期がきても、現実は真逆で、あいかわらず仕事に時間を取られ(パートだとしても..)、かといって給料は上がらず(むしろ下がったり..)、、気づいたら子供達は家を出て、いい意味での家族バラバラの生活が始まる。
そして思うのさ。
「これが美容師人生!わたしは最高に幸せだ!」って!

これってなんだかなぁ〜〜〜
ホントかなぁ〜〜〜

とはいえ今の美容師は独立とは別の選択肢がいくつかある。
低価格帯のサロンはつねに人手不足で高給も保障されているし、業務委託契約なんて仕組みも登場したおかげで様々な働き方を選べる。
それはわかっているんだけど、ボクが問いたいのは、それでは美容師さんのキャリアが活かされないのでは?って疑問なのです。
20年以上のキャリアを誇る美容師さんが千数百円のカット料金を何人こなせば暮らしがよくなるのだろう?業務委託も優秀なシステムだと思うけど、個人売上でしか(基本的には)評価されないってのもどうなんだろう?

合理性の高いシステムは異業種経営者が考えそうなやりかただし、もちろん否定もしない。
むしろこれで美容師の雇用環境は大きく前進したと思っている。

なんてったって、美容師が独立(借金)しなくてもいい時代が来たんだよ?
ボクが今の時代の美容師なら確実にフリーランス(業務委託)のボタンを押すだろうねっ!かなり前のめりに。
でもなぜか美容師経営者はそこへの抵抗感を感じて止まない...

なぜだろう...これはあくまでボクの推測でしかないが、その理由はただ一つ。
美容師はキャリアを重ねるのと同じくらい失うものもあるから。
それは「体力」。

「センス」や「技術」「人間性」は体力に関係なく成長するし洗練され輝きをましてゆく。
しかし長い時間、集中力を維持しハイスペックな仕事を毎日のようにくりかえす体力は衰退していくものだと思っている。
たまに1日に何十人もこなすモンスターのようにジジババ美容師が存在することも事実だが、それは例外(例外は魅力だ!)。
全員がそうはいかない。

高齢化社会とはいえ、加齢とともに客数は減少するし、売上を維持するために店販や副業で単価を上げて対応するも、デフレに飲み込まれればイヤでも高単価は避けられてしまう。
もはやハイキャリアな美容師が低価格で客数を量産したり、個人売上をガンガン上げる!ってロジックは現実的ではないのだ。

美容師経営者は自分が美容師だからこそそこを考える。
少なくともボクはそうだ。

美容師の未来はどこへ向かっているんだろう?

それを支える未来の美容室経営ははたしてどんな姿をしているんだろう?

そもそも、ボクはいつまでこんな(経営)ことをやっているんだろう?


注意:このnoteは「美容師の未来は明るい!」と決めたボクの迷走の記録として記した、ボクのためのnoteです。
ご意見は大歓迎ですが邪魔だけはご勘弁ください。


ーーーー

塚田政実
1966年8月新潟県水原町(現、阿賀野市)出身
「美容師を人生の勝利者に!」を信条に美容師経営者として27年を向かえる。
美容師が美容を学ぶのはもちろんのことで、お客様を幸せにできる美容師は人生をも学ぶ必要がある。
それは師匠と弟子のような関係で学ぶこともあれば、自らが動き、美容師以外の世界から感じ取るセンスも重要だと考えている。
(一言でいうと、美容師はもっと遊べ!ワガママにね。。)

職業として「時間」と「お金」に困らない環境であることが「学び」と「結果」の両輪であり、人生の勝利者になりうる仕事の条件。
美容師とはまさにそれにふさわしい職業だとしか思えない。

だから純粋に思う。
美容師の未来は明るい!

注:ちなみに、わたくしコンサル屋さんではありません。人やデザインが大好きな普通の美容室経営者です。♡


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