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プラ製ストロー変える前にお箸を国産材割り箸に その4         (食材は国産にこだわるのに、口に運ぶ割り箸にはこだわらない日本人)

  日常の食材、とくに野菜類に関しては、コストが高くても国産を選ぶというのは多くの日本人がとる行動ではないだろうか。生野菜に関しては、どこのスーパーでも基本、国産のものが並ぶ。
 冷凍食品について、世間一般の認識は、中国でどんなふうに作られた野菜かわからないとか、コーンは遺伝子組み換えではないかなど、何が正しくて正しくないのかという情報があふれているのが今の時代かと思います。
(安心安全のニュースは探せば沢山あるので、ここで示すのは辞めておきます)
 そのような情報はそれぞれがしっかり調べて納得するかどうかです。また日本はいつまでも過去の日本中が知っているニュースの印象をいつまでも引きずる傾向が強い。
 安心安全に訴えかけるのは、なかなかそれぞれの判断基準があるので難しいと感じています。とくに”安心”に関しては。
 割り箸については、いまだに”割り箸を金魚鉢に入れたら金魚が死んだ”という記事が検索で引っかかってきます。ほとんどが10年以上前の記事。
実際に中国製の割り箸を輸入している所に聞くと、ほとんどの中国製割り箸は当時のような薬品処理をしていないといいます(2002年にテレビ番組で調べた結果が載っています) http://earlybirds.ddo.jp/bunseki/report/chemicals/chopsticks/chopsticks.html

 割り箸の安心安全の話をしだすと、野菜の残留農薬の話と同じところに行きつきます。どこまでが危険で、とこまでが安心安全なのか。
 だから、私は国産材割り箸の普及活動において、防腐剤や漂白剤を使っていないいるということを、皆さんに自らは話しません。それが皆さんが国産材割り箸を選ぶ第一の選択肢にしたくないからです。それを選択肢にしてしまうと、防腐剤、漂白剤を使っていない外国製の割り箸のほうが安ければ、そちらを選択するということになってしまうから。
 ただ、間違いなく国産材の割り箸は薬品処理していませんよということを第一に安心安全を感じる方にはそれを理由に選択してほしいとは思います。
そのような方はそこに対するコスト負担を理解してくれるなら。
 
 林業を生業としている身として、有効に使われていない日本の人工林をどのように使って、守っていくのか。国土の7割が森林、そのうち4割が、人が植えた人工林です(国土のおよそ28%)。国土に占める人工林率は世界一です。ニュージーランドは人工林は国土面積の5%ほどですが日本より木材生産量は多い。

 割り箸は日本の食文化です。お箸を使う食文化を持つのは東アジア諸国。
その中でも日本のお箸文化は特色があります。個人のお箸が決まっている。
中国、韓国など自宅でも個人のお箸を持つという文化はありません。
 割り箸も日本独特の文化でした。割り箸を中国で生産するようになってから、中国にも割り箸が定着しました。日本で消費される割り箸より、中国で消費される割り箸のほうが多いことご存知でしょうか。
 
 これから世界の人口はまだまだ増えていきます。人口が増えれば、木材の使用料も増えます。世界規模で見れば森林資源の利用はより強くなります。
 一方日本は人口減少に入りました。人口減少時代に入った日本の森林資源は、日本という国ができてから最大化しています。
 50年前、国土面積の3割近くに人が植えたのに、経済的に価値が見いだせずほったらかし。日本の人工林は伐って使っていかないと守っていけないのです。
 
 日本の人工林問題と割り箸の関係。経済として回る仕組みのなかで、人工林を利用していかなくてはなりません。それを考えると、安さだけでいつまでも諸外国から買ってきて使うことは、持続可能な社会なのだろうかと。
 
 長くなりましたので、その5に続きます。


https://gujowaribashi.stores.jp/items/58e3086fd3b2a02efb00050a


 

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