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イギリスかぶれ、バーバリー本店にて

まだ少女だったころ夏休みの間だけイギリスにホームステイに行った。多感な時代に初めて訪れた外国は新聞やレシートすら洒落て見えて滞在した部屋の窓際のヒーターさえかっこいいと感じた。

ステイ先はロンドン郊外で時々電車に乗ってロンドンへ出掛けた。窓口で切符を求めて受け取って行こうとしたら窓口のおじさんに「お礼を言うんだよ。Thank youってちゃんと言いなさい」と言われた。私の幼い英語力でもおじさんの言っていることはわかって、ああそうだよなお礼言わなきゃねと反省して電車に乗った。

母にお土産を頼まれていてバーバリーの本店へ向かった。重厚で歴史を感じるお店に少し緊張して何にしようか選ぶ。お店のスタッフはニコニコしながらこちらを見ている。どうやら二階もあるみたいでエレベーターを見つけた。進んでいくと驚いた、エレベーター専用の店員がいてアコーディオンの扉を開ける。それは旧式エレベーターで扉が二枚付いていた。「お嬢さんさあどうぞ」イギリス英語と素敵な笑顔で言われた。ああ言わなくちゃ「Thank you」と言うと白い手袋の手によって扉は閉じられ鳥籠の様な金属の籠で店内を見ながら上にあがった。
「母へのお土産を探しています。バックがいいと考えています」拙い英語で言う東洋の少女にも丁寧な接客だった。立ち居振る舞いからきちんと扱ってもらったことは子供だった私にもわかった。子供だったから余計わかったのかもしれない。子供は感じていない様で自分がどんな扱いをされているのか本当はわかっている。だから嬉しかったのを妙に覚えていてその旅一番の高価なお土産を手に入れてご機嫌で電車で帰った。

ミサの行われていた教会の入口でドアを開けて待っていてくれた10歳位の男の子がいてこんな小さいのに英国紳士なんだなと感心した。嵐が丘の舞台となったエリカの花咲く丘へ行ったり、もちろんロンドン観光でビックベンやバッキンガム宮殿で衛兵交代も見た。苺の香りの紅茶を飲んだり、昼間からパブで大人はビール私はコーラを飲みフィッシュ&チップスを食べた。

隣の家のユダヤ人の男の子に一目惚れをして「Hi!」って言うだけだったけど、将来的に改宗をする事になるかもなんて考えて杞憂に終わった。

一カ月の滞在は私をイギリスかぶれにさせるには十分だった。
日本に帰って来てからも心はずっとずっとイギリスにいて春が来てようやく普段の私に戻ることができた。

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スキスキ♡
5

つぐみ

今と昔のこと。アイコンの女の子と髪型だけ似ています。

et cetera

いろいろ
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