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自分が「かっこいい」と思うカメラを買えばいい。

幸運なことに幡野広志さんと「写真の撮り方の本」を一緒に作らせていただくことになり、幡野さんの写真ワークショップにも参加させていただくことになりました。(下記にそのときのことをまとめましたので、お読みいただけるとうれしいです!)

写真のワークショップには当然カメラが必要です。
でもどんなカメラを買ったらいいかわからなかった。
今回は幡野さんにいただいたアドバイスを踏まえて、ぼくがカメラを買ったときの話を書いてみます。「カメラ」の話ではなく、個人的な「カメラ選び」の話です。

■自分に必要なカメラとはなんだろう。

何を買えばわからないなら聞けばいい。打ち合わせが終わったあとに、幡野さんにどんなカメラがおすすめか聞いてみました。そしたら、

「人によって必要なカメラは違うから、カメラをすすめするのって難しいんですよね」

と、誠実な返答!(ほんとはこのカメラがいいよ、と言ってほしかった笑)

「自分がかっこいいと思うカメラを買えばいいと思います。車を選ぶようにカメラを選んでみてください」

なるほど!

「中古で買ってみるといいですよ。ネットじゃなくて店頭で、実際に触ってみてください。カメラのにおいもかいでくださいね。けっこうにおいがついてたりします」

わかりました! 中古でにおいを確認して買います!

幡野さんのアドバイスを胸に、自分はどんなカメラがほしいのか考えてみました。ぼくは写真のことも、カメラのこともぜんぜん知りません。かっこいいカメラはほしいけど、とにかくさいしょは自分が使いやすいものにしようと思い、

・気軽に持てるやつ
・安い
・RAWの設定が可能なもの(ワークショップの条件)

と、3つの条件を設定しました。さっそくネットで調べます。

ぼくの条件に当てはまりそうなのは「コンパクトデジタルカメラ」らしいぞ、ということがなんとなくわかりました。「コンデジ」は人気らしく、その中でも、あるカメラが特に人気とのこと。
でもそのカメラは、中古の値段でもぼくには正直ちょっと高かった。しかも人気で在庫がないみたい。ここまでわかったので、あとはお店で決めることにします。

休日、家から電車に乗って中古カメラ屋さんに出かけます。
(「ネットじゃなくて店頭で買う」幡野さんのアドバイスを実行します)
上記したものとは別のメーカーのコンデジを見つけました。値段も予算におさまる。セールでさらに2000円安くなってる。しかもシンプルでシュッとしていてなかなかかっこいい。

ショーケースから出してもらってにおいをかいでみます。
(幡野さんのアドバイス実行)
変なにおいもしません。これに決めました。

こういう色が好きなようで、前の写真を見返すとたくさんあります。
これからやるぞ感があってかっこいい。
かわいい

結果的に、このカメラを買ってほんとうによかったです。
小さいから毎日持てる。パンツのポケットにも入る。
だから必然的に写真を撮る機会が増える。

おいしいクロワッサン×気に入ってる皿
「それいいね」と2回ほめられた時計
誘っていただいた中華屋。ここのレバニラがいまのところ1位です。

毎日持てるということはほんとうに重要でした。
おかげでカメラをもつ習慣が確実につきました。
気軽に写真を撮る習慣もつきました。

しかも当初、ぼくはカメラを首から下げて持つことに抵抗があったので、ポッケに入るのはすごく助かりました。このときのぼくのカメラ選びの場合、大は小を兼ねないし、小さいは正義でした。

カメラが小さいと旅行にも便利でした。あかべこの首って新聞紙みたいなの使ってるんですね。
福島のしぶい床屋。ちょっと前はこういう写真が多かったです。
なんでも上から撮ることにハマった時期がありました。
京都にもカメラをもちろん持っていきます。一乗寺へ向かう途中。
ぼくはソフトクリームが好きです。

■「かっこいい」と思ったカメラを買う!

さて、写真を撮る習慣がついて、写真にどんどん興味をもつようになると、当然カメラ自体にも興味がわいてきます。

幡野さんのワークショップに手伝いに行くたびに、参加者の方々のカメラが気になる。通勤の電車の中で中古カメラ屋さんのサイトを眺めることも増えます。レンズが交換できるやつがほしいなあ……と、どんどん違うカメラがほしくなってくる。

ぼくはどうやら、ごつごつしてない四角いカメラが好きなようだということがわかってきました。もろもろ調べてみて、ぼくが買えそうなカメラの中でいちばん「かっこいい」と思ったやつを見つけました。
これがほしい! これを買おう!

幡野さんのアドバイスに従って、スペックよりなにより、今回はぼくが「かっこいい」と思う気持ちを最優先しました。

ネットで店頭在庫があることを調べてから、中古カメラ屋さんに出かけます。ひとつだけそのカメラが置いてありました。実物は思ったよりデカいけどやっぱりかっこいい! でも「訳あり」と書かれたラベルが貼ってある。

ショーケースから出してもらってにおいをかいでみます。
(もはやとうぜんのルーティーンです)

……めちゃくちゃたばこくさい。

こんなににおいってつくの? ってくらいついてる。カメラ自体はかっこいいけど、ぼくはたばこを吸わないしこれはちょっと無理だ。

それと、ちょっと高かった。使用感もけっこうある。
お店の人に「値段ってこのくらいするんですね」と聞くと、いま海外の人に人気が出ているらしく、値段が上がっているんだそうです。残念な気持ちになりながら、違う中古カメラ屋さんにハシゴすることにしました。

電車に乗って、別のお店に到着。
ここには目当てのカメラの在庫がふたつありました。
しかもさっきより1万円も安い! ショーケースから出してもらっておそるおそるカメラのにおいをかいでみます。

ぜんぜん臭くない! キズもほぼついてない!

合わせて、カメラの電池も机の上で回してみました。
(これも幡野さんのアドバイス。使用期間の長い電池は膨張するそうで、コマを回す要領で机の上で回してみるとよく回転するんだそうです)

電池も回転しませんでした。ばっちりです。ここで買うことにしました。

このアジフライは人生でいちばんおいしかった!
幡野さんがドイツパンに興味をお持ちだったのでお土産に持参しました。
ほんとに暑い日だったけど食べたいカレーを食べるために並びました。
上野でたまたまやっていた猿回し。猿もお兄さんもすごかった。

さいしょに買ったカメラよりは大きいけど、自分がかっこいいと思うカメラなら、毎日持ちたくなります。このカメラを買ってから、もっと写真を撮るのが楽しくなりました。

一生懸命な人はかっこいい。
窓掃除の人もかっこよかったです。

最初に買ったカメラは妻にあげました。
妻がそれで撮った写真を現像するのもけっこう楽しいです。



【お知らせ】
★幡野広志さんのエッセイ『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』が8月23日に出ます。
家族のこと、病気のこと、写真のこと、旅行のこと……1枚の写真とともに綴る、日常に寄り添った51のエッセイ。古賀史健さんとのロング対談も収録。

★11月に幡野広志さんの「写真撮り方の本」が出ます。
大好評のワークショップをベースに幡野広志さんが渾身の書き下ろし。詳細は追ってご報告いたします。

★幡野さんのワークショップはまだまだ続いています。
9月のワークショップまでは埋まっていますが、10月以降は順次開催される予定です。and recipe のHP(https://andrecipe.tokyo/store/5256/)や幡野広志さんのTwitterをチェックしてみてください。心からおすすめです!


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