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「いい写真」とはなんだろう? ~人を撮るむずかしさとたのしさ~

郵便ポスト、電話ボックス、人がいない道、のみもの……。写真を撮りはじめてから、動かないものばっかり撮っていました。そんな時期を経て、だんだん人を撮ることに挑戦しはじめました。

でも人を撮るのはむずかしい。

そもそも写真を撮られたくない人が多い。多くの人は写真を撮られるのが好きじゃないし、カメラを向けられると恥ずかしい。だからカメラを構えることさえままならなかった。

なかなか近くに寄れない。かといってぜったい近づきすぎちゃいけない。物理的距離、心理的距離、どちらも適切な距離がなかなか見つからない。

撮りたい!と思っても、撮る勇気が出ない。
撮りたい!と思ってから、シャッターを押すまでが遅い。そうこうしているうちに、撮りたい場面を逃してしまう。それで後悔する。これまで何度後悔したことか!(人を撮るときに限らず)

集合写真に入らないで横から撮る。みんなたのしそうでした。

人を撮るのはやっぱりむずかしかった。
でもがんばって撮りつづけてみるとわかったことがあります。

人を撮ると現像が楽しいんです。

Lightroomに写真を撮りこんでセレクトしながら、現像しながら、しぜんと笑顔になっているんです。表情がおもしろいから笑うんじゃありません。そのときの話題や、自分の気持ち、その場の雰囲気を思い出して笑顔になる。これが、「伝わる写真」なのかもしれないなと思いました。

幡野さんの誕生日をお祝い。はずかしいといいつつ、なんだかんだ幡野さんはとてもうれしそうでした。
チーム幡野
コインを移動させるマジックに新鮮におどろいていました。このあとプレゼントされたコインで一生懸命マジックの練習をしているのがかわいかった。
写真の質問に真摯に答えている幡野さん
「おかっぱとボブ」のイベントにて。おふたりがたのしんでいる空気が会場に充満していました。

ではいい写真とは何でしょう?
それはつまり、
「感情が伝わる写真」のことです。
例えば歌の場合、
うまくてもまったく通じない歌、
響かない歌があります。
逆に、ヘタなのに、
すごく心に響く、いい歌もあります。
写真も同じです。
感情が伝わる写真がいい写真です。
きれい、すごい、おいしそう、
かわいい、おもしろい‥‥。
そういう単純な気持ちを、私たちは
日常の中でたくさん経験します。
インスタやツイッターで写真を載せている人、
じつはみなさん、それを撮っています。
「感情が動いたときに写真を撮る」
それだけでいいんです。

「いい写真」は誰でも撮れるものです。(幡野広志「ほぼ日の学校」より)https://www.1101.com/n/s/school_lecture_23

いい写真とは「感情が伝わる写真」。

これは、幡野広志さんのワークショップ「いい写真は誰でも撮れる」でも幡野さんが毎回、参加者の方々に伝えている言葉です。

大塚先生ご自身で準備した自著タイトル入りのネクタイ。照れていらっしゃるのが素敵でした。
ダイヤモンド社・今野さんとぼくが左右から写真を撮っているので、「こうすればいいのか」と両方にグッドサインをしている浅生鴨さん。


「WHAT’S A GOOD PHOTO TO YOU?」という動画をみました。

SIGMAの映像作品を手がけてきた山中有監督が1年以上かけて、著名か無名か、プロか否か、経験の有無や多寡にかかわらず100名近くの方々に「あなたにとって良い写真とは?」を問いかけたインタビュー集です。ひとりひとりの回答に込められた「写真」の素晴らしさをぜひご覧ください。(本編34 分 / 字幕あり)

SIGMA公式サイトより https://www.sigma-global.com/jp/magazine/m_series/branding/whats_a_good_photo_to_you/

写真のキャリアも、年齢も性別も、有名も無名も関係ない。それぞれの人が考える「いい写真」を聞くことは、ぼくにとっての「いい写真」を考える絶好の機会になりました。

ぼくにとってのいい写真ってなんだろう?

ここまで読んでくださったみなさんにとっての、いい写真とはなんですか?



【お知らせ】
★幡野広志さんのエッセイ『息子が生まれた日から、雨の日が好きになった。』が8月23日に出ました!
家族のこと、病気のこと、写真のこと、旅行のこと……1枚の写真とともに綴る、日常に寄り添った51のエッセイ。古賀史健さんとのロング対談も収録。

★11月に幡野広志さんの「写真撮り方の本」が出ます。
大好評のワークショップをベースに幡野広志さんが渾身の書き下ろし。詳細は追ってご報告いたします。

★幡野さんのワークショップはまだまだ続いています。
9月のワークショップまでは埋まっていますが、10月以降は順次開催される予定です。and recipe のHP(https://andrecipe.tokyo/store/5256/)や幡野広志さんのTwitterをチェックしてみてください。心からおすすめです!

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