見出し画像

re:Amazon WorkSpacesとAmazon Zocalo

私はずっと、どこからでもどの端末からでもアクセスでき、ハードウェアトラブルフリーのデスクトップ環境がほしいと思っています。3月にAmazonが仮想デスクトップサービス「Amazon WorkSpaces」を発表した時も、その視点から簡素なTumblrポストを投稿しました。

この時点では、国内リージョンを選べないこととWindowsが日本語環境ではないことから「待つのも選択肢」としつつ、「待てないならオレゴンリージョンを開始」とまとめました。8月のAmazonの発表で事情の変わった部分をまとめておきます。

Amazon WorkSpacesの国内提供

クラウド上に、自分のWindowsデスクトップ環境を持てるサービスです。デスクトップへは、iPhoneやiPad、Androidスマートフォンなどからは専用クライアントでアクセスでき、もちろんWindows PCやMacからもアクセス可能です。リモートデスクトップ(RDP)やVNC等を使ったことがあれば、それをイメージしてもらうとよいでしょう。

3月の一般公開時点では、利用可能なリージョンは、最も条件がいいのがアメリカ西海岸のオレゴンでした。パソコン本体と、キーボード、マウス、画面が日米間のインターネット回線ごしにつながっているイメージです。使用感がもっさりする(≒レスポンスが悪い、遅延が大きい)可能性が心配でした。しかしその後、8月に東京リージョンでの提供が開始されており、この心配はなくなっていそうです。

もう一つ、Windowsが日本語環境でないことを躊躇の理由に挙げました。操作が分からないなどの心配ではなく、日本語環境を期待するアプリケーションなどのインストールや動作に厄介を抱えそうという懸念でした。これについて公式な発表がないのですが、日本リージョンを試したというクラスメソッド社ナレッジコム社の社員ブログを見ると、東京リージョンであれば日本語環境を選べる(そして日本時間で動作する)ようです。

Amazon Zocalo

もう一つ、Amazonは企業のニーズに合わせて設計された、安全で管理しやすい文書保存と共有のサービス「Zocalo」を7月に発表し、さらに8月に一般提供を開始しました。ファイルをオンライン上に置いて、PCやスマートフォンなど好きな端末から利用したり、フォルダを同期したりができるサービスです。Amazon版のDropboxやBoxかと聞かれれば、きっと「そのようなものです」と答えるでしょう。

現在の料金表では、基本契約が月間5$で200GBの容量を利用でき、追加1GBに付き月間0.03$がかかります。1TBでは月間29$。このタイミングでDropbox Proは月間1,200円で容量1TBに拡張(これまでは100GB)しているなど、容量単価で見ると類似サービスより安くはなく見えます。ただ少し特徴的なのは、あらかじめ追加何GBと契約しておくのではなく、200GB分以上は実際に保存されていた分だけの課金(pay per use)となるようです。

DropboxやBoxといったオンラインストレージサービスは、当初は容量、次にAPIと連携アプリケーション、現在はさらにオンラインでの編集や協働機能で競っているようです。Zocaloは最後のオンライン編集や協働に最も力を入れているように見えました。WorkSpacesを契約するとZocaloも容量50GB分が提供されます。

現時点でのWorkSpaces

WorkSpacesは日本での提供、日本語での提供が開始されて、より魅力的になりました。さらにZocaloが提供されるようになったことも、魅力の一端になっています。

そこであらためて個人デスクトップとしてWorkSpacesを考えたとき、2点気になりました。まず料金表を見ると、東京リージョンはかつて報じられた「3,500円(35$)から」ではなく、月額47US$からです。高いわけではないのですが、月額35$がすでに刷り込まれているので、気持ちの上で割高感が抜けずにいます。次によくある質問を読むと、日曜日の朝0時~4時は「保守管理時間枠」で、この間はWorkSpacesを利用できないとのことです。

リージョンと言語環境の懸念がなくなったことに加え、この二点を踏まえて、もう少し検討したい、というのが今の私の気持ちです。多分、割高感が頭から抜けたときに、最後の判断をすることになりそうです。

――――
写真はTony Hallによる「Building Centre with iPad」。ライセンスはCreative Commonsのby-nd。もし「Creative Commonsって何?」と思ってもらえたなら、こちらのノートをお勧めします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?