10連休にならない会社とモデル就業規則問題

皇太子さま即位に伴って5月1日が祝日となる今年のゴールデンウィーク。「国民の祝日に関する法律」(祝日法)では、祝日と祝日に挟まれた日を休日を定めているので、10連休になります。ただしこの期間のうち、4月29日や5月2日は「祝日と祝日に挟まれた日」で祝日ではなく「祝日法に基づく休日」。会社規定ではこの日が勤務日になり、10連休にならないことがあるそうです。

労働義務がない日、というのは、国民の祝日に関する法律に拘束されるものではありません。就業規則や労働契約の規定によって定まるものです。例えば、就業規則で「休日は土曜日、日曜日、国民の祝日とする」とだけ定めているに過ぎないのであれば、原理原則からいえば、今年の例では4月30日や5月2日、6日は、会社の所定休日には該当しません。(GW10連休のはずが「祝日じゃないから出勤ね」 そんなのアリ? - 弁護士ドットコム

記事では「とはいっても、『祝日法に基づく休日』には会社に出勤しない、という慣行が認められるような職場も多いでしょう」とも言及しています。それが慣行なら、そもそもそんな就業規則を多くの企業が採用しているのはなぜなのでしょう。例外だらけで運用される規則というのは、規則としての役割をはたせるのでしょうか。

モデル就業規則問題

就業規則については、以前にも副業解禁が叫ばれる中で多くの会社が「許可なく他の会社等の業務に従事しないこと」を掲げているのが気になったことがあります。これは就業規則作成時に手本、ガイドとして参照されることの多い、厚労省の「モデル就業規則」にこの条項があるのが大きな理由のようでした(この条項はその後2018年1月の改定で削除されました)。確認してみると、休日についてはこうあります。

(休日)
第20条 休日は、次のとおりとする。
① 日曜日
② 平成 年 月 日を起算日とする2週間ごとの第2 土曜日
国民の祝日(日曜日と重なったときは翌日)
④ 年末年始(12月 日~1月 日)
⑤ 夏季休日( 月 日~ 月 日)
⑥ その他会社が指定する日
2 業務の都合により会社が必要と認める場合は、あらかじめ前項の休日を他の日と振り替えることがある。

これですね。祝日法では休日を以下のように定めています。

第三条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。

モデル就業規則は、この第三条第1項の国民の祝日、第2項の振り替え休日の定めを反映したものに見えます。そしてモデル就業規則では言及されていない国民の休日、第3項の祝日に挟まれた日は1985年の改正で追加された休日のようです。

前後が祝日である平日は、国民の休日となり、休日となる。元々、5月上旬における飛石連休の解消・改善を望む当時の世論に応える形で1985年12月27日に祝日法が改正され、導入されたものであるが、5月4日に限らず、祝日と祝日に挟まれた平日を全て休日にする制度であることから、後の祝日移動に伴い、5月以外の月にも国民の休日が現れることとなった。(国民の休日 - Wikipedia

もしかして、祝日法の改正にモデル就業規則が追随し忘れてて、各社の就業規則もその内容になってるだけだったりしないかな...。

現時点での提案

素人考えですが、個人的には以下3点を提案したいです。

(1)就業規則は社会とのリンクや慣例化した例外の追認として、「③国民の祝日」に該当する条項を「③国民の休日」「③祝日法で定める休日」などに改めること。

(2)就業規則改定までの対応として、「⑥ その他会社が指定する日」に該当する条項について、今年度においては祝日及び祝日の振り替え休日を除く「③国民の休日」を含める。

(3)厚労省モデル就業規則も同様の改定をする。

休日の計画というのはワークライフバランスにもかかわってくることですし、ゴールデンウィークの予定は新年度になって(当年度の会社指定の休日が発表されて)から計画しても遅いという実状もあります。変に「今年は5月2日も云々」と個別に指定するより、「祝日法準拠」とまとめてしまった方が従業員のためになる就業規則ではないかと思います。

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塚本 牧生

雑記帳

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