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子供可の飲食店は喫煙可の割合が高い

最近のグルメサイトは「喫煙可」「分煙」「禁煙」の情報を掲載するようになってきました。特に食べログぐるなびは、店舗の検索条件に「全面喫煙可」「全面禁煙」「分煙」を組合せられます。この検索結果で、3つ気づいたことがあります。

まず喫煙可否の情報がある店舗(「全面喫煙可」「全面禁煙」「分煙」のいずれかの条件でヒットする件数の合計)とない店舗(全掲載店舗数から左記を引いた件数)を確認してみました。

喫煙可否の情報の登録状況は、ぐるなびより食べログのほうが高く、登録率で2.9倍、総件件数で4.5倍にもなります。ぐるなびは店舗からの公式情報サイト、食べログは公式情報もあるが基本的には利用者投稿情報サイト。利用者投稿情報サイトの方が、公式情報サイトより喫煙可否情報の登録件数、登録率ともずっと高い。これが検索してみて気づいたことの一つ目です。

さて、この話題なら登録率より気になるのは、喫煙店と禁煙店の比率でしょう。

分煙店は喫煙者から見えれば喫煙可能なお店、非喫煙者から見れば煙草と無縁でいられないお店で、「しいて言えば喫煙可」に近いように思います。その前提に立つと、喫煙不可の店舗は両サイトで30%前後でしたる。喫煙率は、厚生労働省の調査では2014年に19.3%で、JTの調査でもほぼ同じような数字を示しています。喫煙者は国民の2割を切るが、わかる範囲では7割前後の店舗が喫煙可能。これが検索してみて気づいたことの二つ目です。

ところで食べログには「子供可」、ぐるなびには「子連れ・赤ちゃんOK」という検索条件もあります。これと喫煙可否を組合せるとどうなるか、ちょっと予想してみてください。

結果は、喫煙不可の店舗が3割前後から3割未満に微減し、喫煙可能な店舗が7割前後から7割以上に微増します。実は気になったお店を食べログで見たら「喫煙可」で「子供可」となっていて、違和感を覚えたのが検索をおもいたったきっかけでした。わかる範囲で子供可を明示しているお店では喫煙可の割合が高まる。これが検索してみて気づいたことの三つ目です。

ぐるなびや食べログの検索結果で気づいた3点をあらためて並べてみます。(1)利用者投稿情報サイトの方が、公式情報サイトより喫煙可否情報の登録件数、登録率ともずっと高い。(2)喫煙者は国民の2割を切るが、わかる範囲では7割前後の店舗が喫煙可能。(3)わかる範囲では子供可を明示しているお店では喫煙可の割合が高まる。

今年の初めに飲食業界が受動喫煙対策防止法に反対する緊急集会を開いた時の、(1)すでに喫煙・分煙・禁煙と店内の喫煙環境を入店前に伝える喫煙環境ステッカーの貼付活動等の受動喫煙防止活動をしている、(2)そのうえで飲食店は利用者が嗜好で選ぶものだといった宣言を読み、そういう取組があるのだと知りました。このことと(3)未成年者の喫煙(一次喫煙)の禁止理由を思うと、今回の検索結果は結構意外なものになったように思うのですが、どうでしょうか。

(追記1)「地方では居酒屋に喫煙者も子供もいる印象」「子供可とすると禁煙率の高い高級店が除外される影響が大きそう」という意見をいただき、(1)東京に限定する(地方を除外する)と傾向が変わるか、(2)1万円未満のお店に限定する(高級店をあらかじめ除外する)と傾向が変わるか、検索結果件数を確認してみました。どちらの場合でも、子供可否未指定の時に比べて、子供可に限定した時の方が全面禁煙店の割合が下がる傾向は同じようでした。

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ヘッダ画像はwayne tindallによる「Cigarettes and Children」の一コマ。

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