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TSUTAYA図書館の問題と功罪

※図書館の満足度評価の換算で、多くのミスがありました。深くお詫び申し上げます。修正し、誤っていた部分を末尾にまとめています。

※このエントリへのご意見、ご批判などを末尾にまとめています。読む前、反応する前にご確認いただければと思います。

2015年10月1日、海老名市立中央図書館リニューアルオープンしました。しかし早速、書籍のジャンル分けや配架(所在)がおかしいなど、いくつかの問題で批判されています。前後して同じくカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)が指定管理業者として入っている武雄市図書館や、CCCが入る予定だった他館の計画が話題になっています。

これらの通称「TSUTAYA図書館」について、ネット上で見かける意見は「おおむね批判」であるものの、論点も、温度もまちまちです。TSUTAYA図書館の問題点は何なのか整理し、TSUTAYA図書館をどう評価すべきなのか、私なりの意見をまとめてみます。

海老名市立図書館の配架問題

海老名市立図書館の指定管理者となっているのはベテランの図書館流通センター(以下TRC)と新鋭のCCC。両者の共同リリースが出たのは2014年3月31日でした。海老名市立図書館は、TSUTAYA図書館となる中央図書館と、分館の有馬図書館からなります。TRCの谷一氏が中央図書館と有馬図書館の統括館長、CCCの高橋氏が中央館長に就いているようです。

その海老名市立中央図書館の配架がおかしいという指摘があります。海老名市立図書館のページから配架や貸出状況が検索できるので、村上春樹の「中国行きのスロウ・ボート」を確かめてみました。

NDC(日本十進分類法)分類は913.6、日本文学-近代と合っていますが、ジャンルは「旅行/国内旅行/中国・四国/中国・四国」で中央図書館での所蔵場所は「旅行」。旅行ではないですし、仮に「当地縁の一冊」という選定でも国内中国地方というのはない話です。これ以外でも、書名に地名が入っているものは、だいぶ残念な結果になっているそうです。

これは見直して欲しいところで、多数の書籍で発生しているなら総ざらえして欲しいところです。ただ「正すべき」とは思っても、これをもって「図書館として失格」と言えるものか、疑問はあります。

別の例を挙げましょう。やはり10月1日にリニューアルされた海老名市立図書館のWebサイトにクロスサイトスクリプティング(XSS)と呼ばれる脆弱性がありました。もはや古典的な、そして通常すぐに修正するかサイトを閉じるような影響の大きい問題で、海老名市立図書館のWebサイトもすぐにSorry(アクセス不可)ページに変わった後に修正されました。さて、この技術レベルの海老名市図書館は、Webサイトを手放すべきでしょうか?

付け加えると、この記事を書いているnote(note.mu)でも、サービス開始直後に技術系の人達がXSS脆弱性を見つけ、同様にいじり倒しました。しかし彼らの中に、noteや海老名市立図書館Webサイトを「Webサイトを持つ資格なし」と言う人はあまりいないように見えます。直せよと言って終わるか、逆に直ったらユーザーになって終わりです。その技術系感覚でいる私には、どうにも書籍系の人たちのヒートアップに少し距離を感じてしまいます。

TSUTAYA図書館の選書問題と廃棄問題

本当の問題は、おそらく武雄市図書館のリニューアル時の追加購入書籍選定の問題、そして廃棄資料に郷土資料等が含まれていたとの批判でしょう。選書に関しては、不適切ないし不健全と思われる書籍の指摘もありますが、これらは基準を示しにくいのでここでは省きましょう。それでも有用性という点から、はっきり不要と思われる、以下のような書籍があったと指摘されています。

大半が実用書で、「公認会計士第2次試験 2001」など10年以上前の試験対策本や、08年発行の「あと6年使う! XPパソコン快適化大作戦」など古いPC本、97年発行の「ラーメンマップ埼玉 2」など武雄市から遠く離れた地域の古いグルメ本なども含まれていたためだ。
(出典:10年以上前の実用書やグルメ本……武雄市図書館の選書にCCCが「反省」 増田社長名でコメント発表 - ITmedia ニュース

ここから、二つの論点を挙げられます。(1)10年前の実用書などは利用者に望まれるか。(2)10年前の実用書は図書館が収蔵する必要があるか。この二つは区別する必要があるのか、と思われるかもしれません。そこを説明する前に、廃棄資料問題も見て行きましょう。

除籍された資料のうちには、2013年4月の開館にともない閉鎖となった歴史資料館の常設スペース「蘭学館」のものも含まれている。(略)郷土資料ともいうべき地元誌も除籍されていることから、図書館のアーカイブ機能が損なわれているのではという指摘もあった。
(出典:武雄市図書館が開館前にDVDを大量除籍 「館内併設のTSUTAYAに配慮?」との疑問の声に武雄市は否定

先ほどの論点に当てはめます。(1)郷土資料の廃棄は利用者に拒まれるか。(2)郷土資料の廃棄を図書館は思いとどまるべきか。図書館のスペースも維持費用も有限です。図書の入れ替え、廃棄は通常運営のうちです。仮に郷土資料の利用頻度が低かった場合、場所と費用を他に回せば、むしろ多くの利用者に喜ばれるかもしれません。それでも図書館は郷土資料を持ち続けるべきなのか、「図書館のアーカイブ機能」ってなにかというのが、この論点の違いです。

図書館のアーカイブ機能と二つの論点

図書館法を見ると図書館とは、次のようなものと定義されています。

(定義)
第二条 この法律において「図書館」とは、図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーシヨン等に資することを目的とする施設で、地方公共団体、日本赤十字社又は一般社団法人若しくは一般財団法人が設置するもの(学校に附属する図書館又は図書室を除く。)をいう。
(出典:図書館法(昭和二十五年四月三十日法律第百十八号)

順番としてまず資料の収集・整理・保存があり、これを一般公衆の利用に供することが続きます。そしてその後に教養、調査研究、レクリエーション等に資することがあります。普段の教養やレクリエーションのための図書提供も大切なのですが、いつか必要になる時のために、資料を収集・保存・整理しておいて、将来の助けに応じられるようにしておくことも大切な役割です。その一環で、郷土資料に触れた文言もあります。

(図書館奉仕)
第三条 図書館は、図書館奉仕のため、土地の事情及び一般公衆の希望に沿い、更に学校教育を援助し、及び家庭教育の向上に資することとなるように留意し、おおむね次に掲げる事項の実施に努めなければならない。
一  郷土資料、地方行政資料、美術品、レコード及びフィルムの収集にも十分留意して、図書、記録、視聴覚教育の資料その他必要な資料(電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によつては認識することができない方式で作られた記録をいう。)を含む。以下「図書館資料」という。)を収集し、一般公衆の利用に供すること。
(出典:図書館法(昭和二十五年四月三十日法律第百十八号)

私なりに表現すれば、図書館は「いつか必要になった時のために」しかるべき資料を収蔵しておくこと、アーカイブ機能が求められます。そして「いま必要とする人のために」しかるべき資料を見つけ出して提供すること、リファレンス機能が求められます。それから「いま図書館を支え訪れる利用者のために」書籍や資料を助けとして、学習、研究、レクリエーションなど促進されるように支援することが求められます。どれも欠くことのできない活動ですが、特に後から補いのつかない性格を持つのがアーカイブ機能です。収蔵が遅れたら、あるいは廃棄してしまったら、二度と入手できない資料もあるからです。

長くなりましたが、選書問題と廃棄問題の論点をまとめましょう。論点は二つあります。一つ目は「多くの納税者・利用者に求められる資料を収蔵しているか」。二つ目は「図書館の役割に照らし合わせて必要な資料を収蔵しているか」です。TSUTAYA図書館全体の問題の論点として言い直すことも可能です。一つ目は「利用者の期待に応えているか」、二つ目は「図書館としての役割を果たしているか」です。

武雄市図書館の成功と失敗

TSUTAYA図書館に対する主な批判意見は、この二点に分かれて(あるいはこの二点が混ざって)いるように思えます。支援者であり受益者であるべき利用者の期待に応えなくては失格です。同時に、図書館の役割を果たせなければやはり失格です。

武雄市図書館はどうでしょう。まず「武雄市から遠く離れた地域の古いグルメ本」などの「利用者の期待に応えていない」という指摘があります。これに対して、まずCCCはこの選書の不適切を詫び、追加納入した蔵書1万132冊のうち一度も借りられていない1,630冊について同数の書籍を寄贈するとのコメントを9月10日に出しました。また10月1日には「累計来館者数200万人を突破、利用者の満足度は85%」とのリリースも出し、同館が利用者の期待に応えていることを示しています。

数字については、こうした調査で利用者の満足度85%という数字は「普通」という意見も見ました。そうでしょうか。

検索してみて最初に見つかった、平成24年度の八王子図書館の満足度調査結果と、平成23年の県立長野図書館の満足度調査結果を比較してみます。ただし八王子市図書館の満足度は1~4の4段階評価で、平均値を取った数値で出ています。県立長野図書館と武雄市図書館は5段階評価で、各段階の得票数ないし得票率が出ています。比較できるように、各館の満足度の平均点を出し、満点に対する得点率になおすと、以下のようになりました(※1)(※2)(更新2)。

・武雄市図書館:78.7%
・県立長野図書館:67.9%
・八王子市図書館:75.7% 

この三館だけで見れば、武雄市図書館は前述のような選書を含みながらも、高い満足度を得ているように思います。加えて、来館者数は2011年の25万8千人に対して、リニューアル後は2013年が92万3千人、2014年が80万0千人、2015年はこの5ヶ月間のペースを維持すれば79万8千人になります。それなりの満足度や書籍利用率を保ちながら利用者数を3倍増させているならば、「利用者の期待に応える」ことにはむしろ成功していそうです。

選書については、前述のとおり、CCCが選書についてお詫びのコメントを出しています。ただ「利用者の期待に応えているか」という観点から付け加えると、借りられなかった1,630冊という数字は多いのでしょうか。母数が1万132冊であることを考えれば、そのうちの16%です。逆に言えば購入後2年以内に84%の書籍が借りられたことになります。これは、それほど悪い目利きでしょうか。

そう考えていくと、武雄市図書館の失敗といえるのは「図書館の役割を果たす」という面に絞られてくるように私には思われます。第一に、それでも前述の図書館の蔵書としてふさわしくない選書があったという点があります。海老名市立中央図書館でも、同様の不適切な選書が指摘されています。ただしこちらは、CCCが作成した素案で、共同で指定管理者に入っているTRCがチェックする予定だったリストのようです。

海老名市教委は8月下旬に週刊誌の報道などで知り、同市でもこうした問題が起きないよう、9月に入って指定管理者側から約8,300冊の購入リストの提出を求め、確認作業を行っているという。伊藤文康教育長は「不適正と思われる図書はざっと見て100冊以上はあった」と話している。(略)TRC会長の谷一文子・同図書館統括館長は「リストはCCCが予備的に作成したもの。不適正な本も見られるが、選書経験の長いTRC側がチェックする前のものだった」と説明。
(出典:不適切図書混入の疑い 海老名市立中央図書館 指定管理目前 選書でつまずき 市教委 確認に追われ|カナロコ

第二に、前述の郷土資料を含む、不適切と思われる収蔵品廃棄があります。

総じて言えば、武雄市図書館は「利用者の期待に応える」という点では華々しく成功し、一方で「図書館の役割を果たす」という点ではひどい失敗を犯しているように思います。そうしたことの延長として見れば、海老名市立中央図書館の配架を目にして図書館失格と断ずる人がいるのも、「やはり」図書館として失格だ、その現われだとごちたものと理解できてきます。

TSUTAYA図書館の成功に目を向ける

武雄市図書館の問題を受けて各地のTSUTAYA図書館計画は揺れており、愛知県小牧市では住民投票の結果反対3万2,352票、賛成2万4,981票と反対多数と報じられています

とはいえ海老名市図書館はすでに開館しています。ここまでの問題を踏まえたうえで、それらを解消しながらよりよいTSUTAYA図書館を目指すことになるでしょうし、それに成功することを祈ります。幸いにも前述の満足度調査を見るとスタッフへの満足度は3年間で目に見えて上がってきていますし、390館の業務委託とうち191館で指定管理者の豊富な経験を持つTRCがサポートに入るようです。

中央図書館と有馬図書館の統括館長を務めるTRCの谷一文子会長は、「中央図書館はCCCの皆さんで運営しますが、ただ、まだまだ業務に慣れていないことがありますので、郷土資料やレファレンスについてお手伝いをさせて頂きたいと思っています」と語った。
(出典:「武雄市図書館の時はド素人でした」 海老名市でオープンした2館目のTSUTAYA図書館は何が違う?

選書問題もチェック予定だったとしていることも含め、「図書館の役割を果たす」点は、TRCにより強化され、CCCも学習していくことを期待してよいように思います。いまはまだ、「中国行きのスロウ・ボート」が「旅行/国内・中国地方」にジャンル、配架されているというような、オープン当初としての要解消問題は見えているにしてもです。

一方で、総じて否定的な評価が目立つTSUTAYA図書館には、他の図書館が取り入れられる部分というのは本当にないものでしょうか?ある意味で武雄市図書館では、「利用者の期待に応えることに特化したら図書館はどうなるか」というタブーの実験が実際に行われたという感があります。TSUTAYA図書館自身は、そこから「図書館としての役割を疎かにしてはいけない」という教訓を得て、海老名市図書館には反映して来ているように見えます。逆に既存の図書館には、利用者の期待に応えるために図書館の枠組みの中でもここまでできる、ここまで満足度にこだわれるといった気付きがないものでしょうか?

このエントリを書いている間に「スピン経済の歩き方:“TSUTAYA図書館”にNO!『新図書館整備計画』の反対運動が増えている理由 - ITmedia ビジネスオンライン」という記事が公開されていました。長くなりますが、2箇所引用します。

指定管理者制度が施行されて10年。実はCCCはまだ「新参者」であり、最大手TRCだけではなく、紀伊国屋、丸善、マーケティング事業のヴィアックス、サントリーパブシリティサービスなどの民間企業やNPO法人なども参入している。

にもかかわらず、これまで「紀伊国屋図書館に反対」なんて市民運動が起きたという話は耳にしない。CCCのようにヘタを打ってないということもあるが、「TSUTAYA図書館」のように話題になる新しい図書館を生み出していないということも大きい。そこへCCCが住民に「ノー」をつきつけられたとなると、「そら見たことか、やっぱり公立図書館なんて最低限のサービスでいいんだよ」と新しいチャレンジをしなくなってしまう恐れもある。

それでは本末転倒だ。図書館の指定管理制度の根底にあるのは、民間のアイデアやノウハウで日本の公立図書館のあり方を変えていくことだからだ。

いろいろな問題が指摘されているが、武雄市図書館が「これまで図書館に来なかった人」の足を向けさせて地域活性化にも貢献したのは紛れもない事実だ。「人が集う図書館」というひとつの方向性を示したのは素直に評価すべきではないか。

私も同意見です。小牧市が利用者、受益者、そして負担者として「No」を突きつけたのは別問題です。彼らは「我が町の求める図書館はこれではない」と意見をまとめたのです。当事者である人たちには、たった一つの我が図書館について、我がこととして我が判断基準を持つのが当然です。しかし多くの遠くにあって社会問題として武雄市図書館、TSUTAYA図書館を考える人たちには、また別の視点があるべきではないかと思います。

まとめ

TSUTAYA図書館議論の論点は、次のように整理できると考えます。まずTSUTAYA図書館は利用者の期待に応えているか。次にTSUTAYA図書館は図書館としての役割を果たしているか。

この二つの論点は、はっきりと意識して区別するほうがよいように思います。そして多くの当事者ではない、遠地から社会問題としてTSUTAYA図書館を考える人は「利用者の期待に応えているか」という観点での意見は控えて、「図書館の役割を果たしているか」という観点に絞るほうがよいと思います。利用者が何を求めているかなんて、利用者以外がなぜ口を出せるでしょう。

一方で、当事者であれば「長所と短所差し引きして」で判断せざるを得ないところも、当事者ならぬ身であれば「短所は短所、長所は長所として」別々に考えることができると思います。TSUTAYA図書館から何を学べるか。我が町の図書館にどう変わって欲しいか。自分は(武雄市図書館や海老名市図書館にではなく)我が町の図書館に何を求め、どう参加するか。そうした三つ目の論点を持つことも、また有意義ではないかと思います。

2015.10.07追記(1):
このエントリには以下のようなご意見、ご批判をいただいています。

全般について
・我々は当事者ではないけど、将来当事者になりうる可能性はある(@beck1240様)
・国税が使われている、審議経過不明で客観的な評価を経ずに他自治体に持ち込まれる。関係ありあり。(@nnjueq21112様)
・誰のための図書館か?と納税者からの視点が抜けている(@tamosan様)
・事業者の選定経緯の話がない(@nojimage様)
・「図書館として機能しない」「指定管理者として不適格」という話(@dara_j_様)
・浅い考察。視野も狭くて問題を矮小化しすぎてる(@YaMa_ryuu様)
・この夏くらいの状況しか見てない(@Yama_ryuu様)

武雄市図書館の満足度調査、および他館との比較について
・質問表、実施プロセスを確認していない(@ChihiroShiiji様
・図書館利用者に限った調査になっていないと思われる(@ChihiroShiiji様@Chujirorx様、@atuyosi_5様)
・設問も実施方法も異なるアンケートを比較している(@katoSat様)
・なぜ武雄市に関するアンケートはどれも高評価となるのかといった考察が欠けている(@katoSat様)

XSS脆弱性への対応について
・あのレベルのXSSを発生させ公開してしまう技術力が問題(@daachi様)

2015.10.15更新(2):
「武雄市図書館の成功と失敗」項に記載した他館満足度について、以下の誤りをしておりました。まことに申し訳ありません。指摘を頂戴し、修正いたしました。
・県立長野図書館を、箇所によって「長野市立図書館」「長野市図書館」と誤記しておりました。
・県立長野図書館の満足度調査結果のリンク先が八王子市図書館のものでした。
・八王子市図書館の計算結果が本来よりも低くなっていました。4段階なので3で割るところで、4で割っておりました。
・以下※2の説明文についても、同種の誤りがありました。

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写真はMaria Elenaによる「Ebook entre libros de papel」。ライセンスはCreative Commonsのby

※1:各図書館の満足度について
まず県立長野図書館と武雄市図書館は満足度を1~5の5段階評価の平均値に換算します。次に、県立長野図書館と武雄氏図書館は0~4の5段階にして4で割る、八王子図書館は0~3の4段階評価にして3で割ることで、どちらも0~100%の得点率にあわせることにします。武雄市図書館は5:32.6%、4:50.8%、3:15.8%、2:0.4%、1:0.4%という調査結果です。各点数×割合を合計した平均は4.15点になります。基準を0にするために1を引くと3.15点、これを満点の4で割ると0.787=78.7%になりました。同様に県立長野図書館は5:132人、4:644人、3:235人、2:74人、1:21人。各点数×人数を総人数で割ると平均3.72点で67.9%。八王子市図書館は平均3.27点と公表されているので、75.7%でした。

※2:この2館を比較に選んだのは、あくまでGoogleで検索して最初に見つかったという偶然に過ぎません。またこの2館の満足度の数字がどうということは、この2館の良し悪しを示しません。各図書館にはばらばらな地勢的な条件があり、利用者満足度と図書館としての役割に対する個々の考え方があり、その他満足度に現れない様々なバロメータがあります。この比較が意味するのは、武雄市図書館の満足度は低くないという一事だけです。

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