『下戸の夜』、発売。

「下戸の特集があるので寄稿してもらえませんか」とのお話を人づてに受けまして、紹介してくれた方が雑誌の編集をされていたこともあり、雑誌の特集なんだとばかり考えていたわけですが(だからといって軽い重いがあるわけではないです)、事務所に届いたのはとても立派な書籍でした。大学時代、文芸学科なんてところに通っていたこともあり、「本じゃないか!」とビックリしてしまいました。ありがたい限りです…そんなわけで、今まで書かせていただいたものの中で最長の、下戸の叫びを書かせていただいております。。

そんな本書の表紙を飾るのは、「眞踏珈琲店」さん。神保町に行くたびに寄ってみたいと考えていたお店、、、の、カウンターに今、います。

本に囲まれたバーカンで飲むカフェセット、最高です。

せっかくならnoteで紹介できるように、カフェセットを楽しみながら読み進めようかと来てみたわけですが、いざ入ってみると、お店の写真が表紙になっている本書を広げる勇気がボクにはありませんでした。はい、こちら勝手な自意識です。なんだかとても恥ずかしい……容易に想像できそうな事態だったのに、高揚感に任せて入店してしまった自分が情けないです。「ハズい」の三文字が頭を支配し、それならいっそのこと表紙を取ってしまえばいいのではないかと、リュックの中にある本書のカバーに手を伸ばしてみたものの、いやいや、読んでいる中身がバレてしまった場合、「あ、この人は表紙が気に入らなかったのか…」という真逆のメッセージに姿を変えてしまうと思い、やめました…違うんです、これを見ていよいよ入ろうと決心したんです…店員さんがグラスを磨いている様子を横目に、背筋を伸ばしてこうしてポメラにツラツラ打ち込んでいるわけですが、ここでもう一つ大切なことに気がつきました。今、自分は、「バーカン」に緊張しているのではないか……そうです、そもそもこの「バーカン」にも緊張しているんです。だって、行く機会がないもの。なんせ、下戸だから。「バーカウンター」といえば、昔派遣のバイトで一瞬だけバーテンをやらされ、下戸なくせにカクテルを作るハメになり、分量を間違えてシビれるくらいお客さんにキレられた記憶があります…そのトラウマも重なっての緊張かもしれません。でもそれも十年以上前。悔しみが止まりません。おい、おまえはもう三十四だぞ。ビビってんじゃないよ。このままでは四十になっても「バーカン」というだけで体が拒絶するようになってしまうじゃないか…眞踏珈琲店さんに入ったことで、大切な欠落に気づけました。感謝致します。これからは定期的にお邪魔して克服したいと思います…。

そんなわけで、カウンターの下で本書を広げ、カンニングよろしくなスタイルで読み進めていったわけですが(全部自分の責任)、本書に出てくる言葉達はみんな下戸の味方。めくるめく共感の連続です。酔っぱらいへの考察・観察眼、時々憧れ、映画「酔拳」に対する違和感、「コーラを飲まない人」を「コーラが飲めない人」とは言わない件、、どれもこれも、自分の中にある腑に落ちない事柄の連打。是非皆様も、お酒を飲めない方は共感しつつ、お酒を飲める方は、下戸目線を、「そんなにいろいろ考えてどうするの?」目線で楽しんで下さいませ。

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お酒がない夜もこんなに楽しい!

お酒を飲まない我らは毎夜、何をしてるのか、何を想うのか――。
深夜のドライブ、書店、パフェ。下戸の生態、お披露目します。

本邦初!? 下戸の本音をたっぷり集めました。
下戸の矜恃、夜のお出かけ、酔わない文壇、過激な健全ロックにソフトドリンカー魂の叫び。

■四六判並製 ■192ページ(カラー16ページ含む)

〈目次〉

1)下戸の矜恃
夏目房之介、人生の酒を語る
小松政夫が語る植木等
いい加減になろうという強い意志があれば、酔っ払いは可能である。 宮田珠己

2)夜のおでかけ
斧屋はパフェに酔う
喫茶店のカウンターでバー気分を 眞踏珈琲店
漏れ出る盛り場の灯火が好きだ 磯部祥行
降って湧いた夜 新井久幸
夜の友は書店で探せ!

3)下戸と主張
酒でも飲まなきゃ言えない話、なんて言い方があるけれど、じゃあ、言わなきゃいいのに、と思う 武田砂鉄
ハードに飲みたい夜もある 塚本直毅
ベテラン営業下戸対談 営業飲み会の20年を振り返る
今の学生も大概な飲みっぷりです 鼠田音澄
父と私 朝倉菜摘子
夜は猫に魔法をかける 小沢竜也

4)下戸とカルチャー
酔わない文壇 川口則弘
ストレート・エッジ入門 網田有紀子
映画の酔っぱらい 鈴木毅

5)酔っ払いレッスン
下戸も飲む夜、大酒飲みが飲まぬ夜 大竹聡
太平の酒 佐藤寛子
酔っぱらいの気持ちが分かるブックガイド
・東京堂書店神田神保町店 河合靖
・かもめブックス 栁下恭平

6)下戸とお酒と酔っぱらい6段階
お酒のあれこれ
ジンジャーエールを知る
下戸の生態アンケート


#下戸の夜 #本の雑誌社 #下戸 #ラブレターズ #塚本直毅 #眞踏珈琲店 #退店時に店員さんにご挨拶したらとんでもなく優しくてまた絶対来ようと思った

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