ハマるススメ。

誰にだってハマったアイドル、ジャニーズ、タレント等々いるはずで。自分の場合それが、ラッパーのGAKU-MCだったわけです。

唐突に「わけです」と言われても何のことか分からないと思いますが、周りがその熱中具合をイジりたくなるほど入れ込み、ひたすら曲を聴き、まるで自分のことを歌っているのではないかと錯覚、「こんな日はこれ」、「寝る前はこっち」などと、巧みかつ自分勝手に応援歌を設定して生活する…俗に言う「救ってもらった」という対象が僕の場合、GAKU-MCさんだったんです。大学時代にひたすらリピートし、時代がカセットだったら何回擦り切って、何回ウォークマンに絡まってイラついていたか分からないくらい聴いていました。そんなGAKU-MCさんの話。

こちら、聴き倒した大切な2枚。

当時、二十歳前後。尖りと情緒がどうかしていた僕は、近所の図書館へ行き、片っ端から自己啓発系の本棚を攻め、読み倒し、「うん、だいたい同じ内容が書いてありますね」と確認して帰るという、うだつもテンションもまるで上がらない日々を過ごしていました。そんなある日、GAKU-MCを歌う先輩のカラオケを聴き、歌詞の優しさに目が覚め、CDを買い、聴いて、「あ、私は毎日、何をしていたんでしょうか?」と持ち直したわけです。

初めてライブへ行った時。緊張で震えながらも出待ちをし、焦げ茶の革ノートにサインを書いてもらいました。『え、ここに書くの?ほとんど見えないよ?』なんて言われても、「へ、へへ、へへ」と不気味に笑って会話にならず、握手の時も力み過ぎで、政治家がマスコミ向けに見せるガッチリタイプの握手みたいになり、何か言いたい事があったけど口の中で舌が上下するだけで言葉にならず、首を斜めに倒しながら「ありやした」的な音だけ発して退散。その様子を見ていた友人に「ほぼアウトだった」と指摘されるも、こっちはもうサインをもらっちゃったわけだから、いくさで言えばほぼ勝ちなわけで、「ずっと体が揺れてたのはなんだったの?」なんて言ってる友人の声をスルーして、サインをニヤニヤ見ながら帰宅。後にも先にも、僕が芸人を始める前にもらったサインはこの時だけでした。(始めてからはバナナマンさんと高岡早紀さんにもらいました…)

今でも自分のサインはGAKUさんのそれを参考にしたものだし、メールアドレスにもキッチリ「gaku」が入っていますし、なんならこのnoteのまとめ方もうっすらGAKUさんのブログにあやかっていますし、GAKUさんの小説だって読んで、よかった箇所は書き写して暗記したり…大学を出て流れるままにラーメン屋になっていた僕は(大学卒業後1年ほどやってました)、仕込み終わりで近くのカラオケBanBanに駆け込み、1人で念仏を唱えるかのように歌い続けていたわけです。


…と、まあ、「わけです」「わけです」言っていますが、そんな「わけ」が回り回って十数年。芸人になり、その妙な熱量は当然のようにイジられ、「なに、このアドレス(笑)」なんて言われ、「うるせーな、ファンなんだよ!」と返し続け、続けて続けて、続けた結果、




昨年末、お会いすることができました。


イタさが救われた瞬間です。


台本を送るたび、「アドレスのgakuは一体なんなの?」と引っかかっていたスタッフさんが『ラジナタ!』のゲストに呼んでくれました。過去の自分に大感謝。


もちろん、放送ではまるでお話にならないくらい緊張して喋れず、でも途中でサウナ好きと知って持ち直し(サウナに感謝)、お互いのサウナあるあるを話し(サウナに感謝)、サウナの話をしておしまい(サウナに大感謝)。

後日、誕生日に最高のプレゼントまで送って下さり、写真の通り、昇天。(ケーキはラジナタスタッフから。こちらも感謝)


感謝感謝、マジ感謝な日々を過ごし、本日、

こちらにお邪魔致しました。


当時、トンコツを砕き、無数のネギを切り刻むことで独特のニオイを放っていたその手でマイクを握り、1人歌い狂っていた曲の数々を生で聴いて、見事1曲目から泣きまして。そういう曲じゃない時も勝手に思い出と重ねて泣いちゃったりなんかして、でも盛り上がる時は盛り上がって、感情が忙しいままにライブ終了。


顔から察していただける通り、最高でした。


好きなものが回り回って、とんでもないところまで自分を運んでくれました。こんな嬉しいことはないです。これから1人でカラオケ寄って帰ろうと思います。



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