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拝啓「mikkoの屋上」の皆さま

佐久穂は、雨です。
(先週の6月3日より店舗の営業を再開しました)
雨の日は大体のんびりで、今は客席にしれっと座りながら、この文章を書きはじめています。

皆さま、こんにちは。
mikko店主の塚原です。

長らくこのグループをつくって招待したまま音沙汰なしでごめんなさい。
いきなり謝罪かよ! そうですいきなり謝罪です(笑)

いまこの非公開グループには僕を除くと31名の皆さんがご参加くださっています。いまのところ皆さん全員が、先月開催した「mikkoのオンラインワークショップ」で一緒にドーナツを作った仲間の皆さんです。

ワークショップの終わり際に、「このあともコミュニケーションを取れるようにFacebookグループに招待させてもらっても良いですか?」と言って、招待しておきながら、そのままとは、なんたることでしょう。自分でもそう思います。まあでもそんなに実害はなかったのではと思いますので許してください。

実害。

そう、この非公開コミュニティ「mikkoの屋上」に最初の一言を書き出せなかったのは、この実害という言葉に少しだけ紐づいていて、次のようなことを考えていたからという長い言い訳があります。

皆さんそれぞれ期間に差はあると思いますが、STAY HOMEベースの日常が始まって3ヶ月以上。まさに先月のドーナツワークショップなんかもまさにその流れにありますが、世の中のコンテンツ、やりとり、関係性、ひいては存在までもが、かなりの勢いでもってオンラインに「転送」されていったのがここ数ヶ月で起きた出来事だと思います。コミュニティもそう。そしてそれらにまつわる情報が、過去にない量と速度で、オンライン空間にあふれかえっている、というのが、僕自身の見立てです。感じていることです。そのような中で、新たに「コミュニティ」を増やすことにどこまで意味があるのか? 過度に情報を増やすことは、迷惑ほどまではいかないだろうが、時と場合によっては微量の害になるのでは? マイクロ害。また、ひとつの仮想コミュニティを維持継続してくのには、それ相応の求心力のようなものが必要だし、ましてや、言ってしまえば「ドーナツを作ったことがある」という共通経験があるだけで(いやでも実はこれが価値観の共有という意味では意外に大きなことかもしれないけれど)、お互いに直接的な面識も無い見ず知らずの皆さんが、そう簡単にインタラクティブな感じになっていくとは、どう見積もっても考えづらい。

情報量とコミュニティ維持、主に2つの観点から、非公開グループをつくってはみたものの、いざ何かを書き出そうとすると、「ためらって」しまってました。ずーっと頭の片隅にはあったんです。

5月にああいう形のオンラインワークショップをやらせてもらって、その後の僕自身とmikkoという店の今後の在り方に、変化が生まれました。これは皆さんのおかげというべきもので、ぜひ聞いてほしくて、この場を借りてお伝えさせてください。

① ドーナツづくりがまたちょっと上達した。

これは本当に一番に皆さんに感謝したい点です。開店当初から右肩上がりにドーナツづくりの腕をあげていると自負する私ですが(そもそものスタートが低かっただけなんですけど)、ドーナツづくりがまた上手になったんです。ワークショップを通じて、ドーナツづくりの手順とコツのようなものを自分の中で整理して、実際に皆さんにお伝えしたことで、過去2年分の経験が棚卸しされたんだと思います。抑えるべきポイントさえ外しさえしなければ、かなりのレベルで安定したクオリティのドーナツを作ることができるようになった。これは皆さんがいてくれたおかげです。今朝もそのことを思いながらドーナツをつくっていました。本当にありがとうございます。

② 泳いでいく先は「オンライン」ではない。

おかげさまで、あのワークショップ、結構手応えもあったんです。やらせてもらって良かったなと素直に感じていました。その一方で、あくまで一方でなんですが、オンラインコンテンツを世の中に広めるという部分での難しさも感じました。すでにオンライン上にコンテンツはものすごい量があって、単純な体験価値だけ見ても質の高いものはたくさん含まれていて、その中で「mikkoのドーナツワークショップ」をもう少したくさんの人たち(皆さんよりもあと半歩くらい外側にいらっしゃる方々)に広めていくのは、結構大変だぞ、と。思ったんです。僕が店をやっている理由を考えてみても、オンラインコンテンツはあくまで飛び道具的なものであって、オンライン主体でいくのは、ちょっと違うかもなという大事な気づきを得ることができました。

③ 遠隔でもゆるく繋がり続けることはできる。

とは言え、インターネットの力はやっぱりすごくて、皆さんとあのような形で、別々の場所にいながらドーナツを介して出会えたもの、そのおかげで。このあたりをうまく仕組み化できると良いなと先月後半から考えはじめました。

ちょっと飛躍しますが、その思考の延長線上の企画で、mikkoでサブスクリプション(月定額)サービスを始めてみることにしました。

その名も、mikko prime・・・(笑)

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あれからいろいろ考えてみたところ、ひとつの結論めいたものがあるとすれば、mikkoの価値の源泉は、やっぱり佐久穂町にあるお店なんです。僕がドーナツ屋を2年やっていなかったら、オンラインドーナツワークショップの価値はどう考えても半減以下、いやほぼ無かった(笑)はずです。いろいろ提供できそうなサービスを挙げては組み合わせて考えてみたのですが、まずは実店舗に軸足を置くことで、こういうような感じで整理ができました。

でも、これを読んでくださってる皆さんの大半がそうであるように、遠くにいる方は、単なる店頭サービスでのサブスクだと、対象にはなりませんよね。ですので、たとえ遠くにいても、もし面白がってもらえたとしたら、この仕組みに関わってもらえるようなやり方が必要でした。それが店頭サービスを「リサイクルする」という方法です。

まだまだ拙い企画ですが、ドーナツと同じくまずはリリースしてみて、ちょっとずつ良くしていきたいと思います。もうすぐ公開できると思いますので、もし良ければ覗いてみてください。また、もしかしたらこのmikko primeの会員になっていただいた皆さんにも、この非公開グループ(「mikkoの屋上」)に入りたい方には入ってもらおうと考えています。そういう意味では、このグループは、「mikkoが始めるちょっと変な取り組みを面白がってくれる皆さんの集まり」という定義になるかと思います。

ただ、冒頭に「ためらい」とも書いた通り、主宰である僕自身が、こういうタイプのコミュニティにはちょっと懐疑的な考えも一方では持っています。なので、ちょっと面倒くさいなと思われることにも大いに理解ができます(笑) その場合は、そっと退会いただいたり、通知をミュートにされても全く問題ありません。そもそも、今回の投稿が最初で最後になる可能性だって、否定はできないのですが・・・。

雨が少し小振りになってきました。

あらためてこのコミュニティの名前は「mikkoの屋上」としました。実際のお店にも屋上は無いのですけれども、例えば「広々とした空のもと、学校の屋上でグダグダおしゃべりする」みたいな、あの感じで、ゆるやかにやっていきたいという意味をこめて、「屋上」と名づけてみました。

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