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なぜ3DCGをやるのに静止画専門?

(約 4,200文字の記事です。)

3DCG界隈を見回すと、ほぼ間違いなく動画系とゲーム系の指向の人の方が多い。次に造形師だがほぼZbrush一色。ま、職業として目指すならそうなる。それしか道(仕事)がないからだろう。日本の場合はZbrush=造形師という一つのジャンルができているからそれは割愛。

ではそれ以外でのアウトプットは?となると、やはり動画系とゲーム系が多い。ゲーム系と言ってもVRChatなどもあるが、動的にインタラクティブな操作ができるようにモデルを仕上げるという点ではゲーム系に含めていいと思う。要はボーンとかモーフ系アニメーション対応のメッシュのモデル作りだな。両者はポリゴン数の違いくらいで動画系もゲーム系も結局は同じような作業内容になる。ただ動画系だと背景やエフェクト類、SE、BGMも用意しなければならないのでなおさら大変だろう。モーションも同時に複数必要だろう。

*動画は見るのは一瞬、作るのは何百倍

だが個人の趣味ではどうか?動画にすると、モーションが入る。エフェクトにも時間変化が入る。それらを制御しなければならない。手間は静止画の10倍だと思っていい。1秒のムービーにさらに5倍の手間がかかると思っていい。つまり個人作業でCGムービーを作るってのは、想像以上に大変なわけ。30秒のまともなムービーを作るのに300時間はかかるだろうね。毎日3時間作業しても3ヶ月以上。それで満足できるならいいが、次の作品を、更に次を、と思って作っているうちに、数本作っているうちに2,3年くらい経っちゃう気がするよ(笑)それで満足・納得のいく出来ならいいが、それでも不満なら、何ヶ月間もフラストレーションを溜めながら創作活動をすることになる。ツールの使い方とか仕上がりとかに対して、ね。

それ、本当に趣味ですか?修行になってませんか?

*個人でゲーム作ってもねぇ……。

ゲームはもっと大変で、仮に完成しても「それ、自分で遊び尽くしたいほど面白いですか?」という、完成度とは全く無関係な「面白いか否か」という判断基準がある。これは難しい。仕事のためにゲームが作れるようになるってのはもう修行なのでやるしかないと思うが、趣味だと思うと、これまたマゾ的な茨道な気がする。

*個人の趣味で突き詰められるのは平面表現まで

だから動画やインタラクティブな表現を、私は諦めたのである。静止画表現として、奥行き、光の制御、背景、そういったものを1つの平面表現にするために、3DCGを使おうというのが私の考え。だって画力がなかったんだもの。それを絵で描いて、自分が満足できるんだったら、お絵描きを楽しんだ方がいい。上手い下手はおいといて、その作業時間と結果に満足できるならば、お絵描きが一番良かったのだが、残念ながら作業時間がかかる割に仕上がりが悪く、その間も修行でしかなかったので楽しくなかった。それは趣味じゃなく修行だった。

クリエイトする、結果を作り出す、それが楽しいと思えることが必要だった。絵は眺めるのはいいけれど自分で作るには辛すぎた。だから描くことは趣味にならなかった。

*3DCGも勉強量が修行並に多かったけれど

結果としてはモチベーションがあったから続いたし、学習することそのものは辛くなかったし、知識を得て不可能が可能になって3DCGで表現できるようになることが増えることが楽しかった。結果、Zbrushというプロ用ソフトで造形することが楽しいし、もっともっと効率的に作りたいから「大和式モデリング手法」を開発中だ。プロ向けのプラグインも作って公開中だし、好きでないとやれなかった気がする。結局、好きだったわけだ。

*ようやくワンパッケージでやりたいことができる環境をつかんだ

Twinmotion、これである。

これでようやく自然風景や背景、建物から小物、キャラクターの色の塗り分けなど、造形(モデリング)以外のことはこれに任せられる。ようやく辿り着いた。かつてVUEやUE4、Zbrushでの自然風景作りにチャレンジしては、微妙であったが、ついにいいツールに出会った。Twinmotionは11月までにDLすればDL済みバージョンまでは永久無料で使えるので興味のある人は早めにDLしておくといい。

ただしTwinmotion、これは元々30万円以上するプロ用の建物+景観を作る3DCGツールなので、11月以降の製品版がおいくら万円になるのかは気になる。が、今のところ私の使い方にベストな3DCGソフトはTwinmotionだけなので、1,2年くらいは無料版で創作活動を続けたいと思っている。

*Zbrushで形を作り、Twinmotionで色と配置と質感と自然風景と背景を作って撮影する

なので、現時点の私の創作スタイルはシンプルで、Zbrushでモデリングし、Twinmotionに送って形以外の一切を整えて画像にする。光の制御やモヤなどのエフェクトも含めて全部。それが簡単にできるのがTwinmotionだ。(本当に細かいことをやろうとするならUE4やBlenderなどでゼロから構築する必要があるが、その学習コストが高すぎる。対してTwinmotionはプリセットの配置と各種項目のスライダー設定だけで色々全自動なので、短時間で効率よく自然風景や街中の背景を作れる。足りない分は自分で作ったりフリーの建物オブジェをDLしてきて、色や質感はTwinmotionでD&Dで指定すれば綺麗に仕上がる。

*Twinmotionユーザーは少ない気がするよ(笑)

Twinmotion内で作ったメッシュは残念ながら現時点ではTwinmotionからエクスポートできないので、Twinmotion内でアウトプット(画像出力やムービー出力)を仕上げるしかない。だが今の3DCGを目指す人の多くはムービーやゲーム系なので、Twinmotion内完結で満足する人は少ないだろうから、やっぱりTwinmotionユーザーは伸びないだろうな、と思っている。実際、日本語情報はほぼゼロだ。無料化して半年近く経つのに、ね。誰も作らない。そして私も作る気はない(笑)さっさと画像化したいから、Zbrushだけでも大変なのに2本目を記事にしていたら永遠に創作活動ができない。

なのでTwinmotionでTips系記事は書かない予定。需要が謎すぎるので。Twinmotionのノウハウが溜まったらそのときに再考するが、今は執筆予定なし。

それよりも仕上がりの途中経過を創作活動日記としてnoteやブログに付けることのほうが重要。本来の目的はそこだから。Zbrushのプラグイン開発も手段でしかないから。

*可能性の証明

とりあえずTwinmotionをDLしてから2日で、今日、ようやくチュートリアルを見始めた状態。で、ここまでで検証目的で試した画像などがこちら。

この2枚の画像から、Zbrushで作ったキャラに対して、半透明素材、金ピカ素材、発光素材、光源を割り当てる事ができることが確認出来たわけ。Zbrushやらない人にとっては謎な絵だろうが、マテリアル割り当てのテストなわけです。

次に自然風景はどうか?VUEでは散々苦しんだ割にパッとしなかったが、Twinmotionではあっさりなのに完成度が高い。過去のVUE画像と見比べても段違いだ。

上がVUE、以降の下の画像は全てTwinmotion。

ただし、森の遠景には弱点があった。これはTwinmotion上ではどうにも出来ない。だが画像ならばCLIP STUDIO PAINTでレタッチやフォトバッシュ的にごまかせる。本質的ではないが妥協せざるを得ない部分だ。

これでもう十分でしょ?15分で作って10分でレタッチしたように思えないでしょ?ここにZbrushで作ったエレノアさんとペーターを浮かべることは容易だ。半透明表現も発光表現もTwinmotion上で3DCGとして作り出せるので、遠景のフォトバッシュ部分以外なら何度でもやり直せる。限りなく理想に近い。

Zbrushの非フォトリアルフィルターもこれはこれで気に入っているのだが、Twinmotionで画像化できるならばそういうごまかしも不要だ。つるんとした表現でいいじゃない。もちろんこれ相当のフィルターがTwinmotionにあればそれが一番だが。

*なぜ3DCGをやるのに静止画専門なのか?答え:私が趣味の時間で表現を突き詰められるのは静止画表現が限界だから。

というのが答えです。ムービーモーションやゲーム的なインタラクティブなモーションは、それだけでかなりの時間が取られる。そのエネルギーを静止画の表現力UPに投資した方が楽しいし、成果物に自信を持てるし、納得できる。だからエネルギーを、モーションやムービーという「時間変化のある表現」にではなく、静止画に注ぎ込むことでその表現の密度や量を増やそうと思ったのである。

その結果、Twinmotionに出会えたし、遠景表現の制限も静止画表現ならフォトバッシュ的に解決できる。これがムービーなら妥協するしかない部分だったが、静止画表現ならではの修正が可能だ。レタッチである。特殊エフェクトなどもレタッチ的に加筆することで質が上がるなら、使うべきだし、使えるという選択肢がある。これがムービーになるとAfter Effectsなど、これまた学習コストが発生するし、完成も遅くなる。どんどん趣味から遠ざかる。だが静止画ならば個人の手にも負える。だから割り切って、静止画による表現にこだわろうと思った。

もともと絵を描こうと思っていたわけだし、静止画表現で十分だったわけで、他の人みたいにわざわざ手間のかかるムービー表現に手を出す必要もなかった、というのもある。

というわけで久々に気楽にnoteに日記を書いた結果、これまた長文になってしまったのでした(笑)ここまで読んでくださりありがとうございました。多分何の役にも立たないことでしょう(笑)

さて、コツコツとTwinmotionの学習を進めることにしますか。


今回の創作活動は約1時間(累積 約934時間)
(330回目のnote更新)

読んでくれてありがとう。気長にマイペースに書いてます。この出会いに感謝😊