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意味なんてない

彼女の飾った写真についた
何十八のいいねの数よ
君は同じ場所で
一人同じ写真をとって飾るよ
夜過ぎ君の目にうつるのは
一人の友のふざけた言葉よ

見え方や色の加減でなく
君の何がいけないわけでも
なんでもなくて

そんなものに意味はない
そんなものに意味はないんだ

古いホテルの壁の時計
チクタクチクタクと
やかましく、泊まる客達に疎まれ
止まる日をただじっと待つのみ、
今年の秋の松の実を一つ、
蹴り飛ばしながら中庭を
歩く君が受け取るstate-of-artな腕時計の写真、
ハートを叩いて、色づく赤は、血の気がなくて
響かない、響かない
羨みやら何やらを、ひとくくりにして資源回収
ガラスに映るのは、血の気のない、日々の

古さや新しさ、誰が間違なわけでもなくて、

そんなものに意味はない
そんなものに意味はないんだ

共有される言葉たち
紐付けられる言葉たち
あふれだす感情と、むき出しの涙腺と、晒された笑い
犬達が可哀想、
猫達が可愛らしい、
みんなの大好きな途上国の子供たち、
若者たち、働き方、凄惨な事件
誰だって
誰だって、
6秒間滞在されるさ、スーパースターだ、
彩られた日々、どこへでも行けるような、
長い棒は友情の証で、
みんなが写った写真は10年後も埃なく
海の中に静かにあがっているはずさ
押入れの底から引っ張りだすのは、
楽しかった日々の誇り
払って眺める、色は自然とあせて、
時の流れを噛みしめるんだ
剥き出しの物事たち


そんなものに意味はない
そんなものに意味はないんだ

波は高く、
映画のスクリーンは自分で、
くだらない言葉の波、
小手先のテクニック、
乗ったふりをして、一瞬の閃光を放って、
燃え上がって、人生の謳歌、
それを貪るハイエナたち、可愛らしい
狭い海に沈んでいる、
聖典をみつけて、
狭い所以を説かれて、印をつけるんだ、
ただ印をつけては、
印だけが残っていく、
印を集める男たちは、
海の表層に油を這わせて、
燃えている、残り油にまみれた鳥達、
また共有されて、巡っている、
今日も鳥居をくぐって
ただ祈るのみだ、この生活を
この毎日を、

そんなものに意味はない
そんなものに意味はないんだ。

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去場 司

映像にすると一瞬、写真にすると瞬間の断面は静止する。小説や詩、言葉だけが瞬間を永遠に引き伸ばすことができる。加速し情報が消化され尽くし、消化器官が不調を訴える時代において、大切な時間、愛や憎しみ、喜び悲しみを含む時間を永遠に引き伸ばす。言葉の力を信じて。小説家ワナビィ
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