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アイデアをたくさん出したいときに読んだ本

こんにちは。クックパッド デザイナーの平塚(@tsukasio615)です。
サービス開発をしていて、例えば長期目標をもとにソリューションアイデアを出すときや、ソリューションの方向性が決まって具体的な体験を描くとき、アイデアをたくさん出したい!と思うことがあります。アイデアの数だけチームの視点は広がり、議論が加速することで最終的なアウトプットの質にも繋がります。今回はそんなアイデアの出し方で悩んだときに読んだ本3冊を紹介します。

アウトプットにはまずインプット。効率よく情報を得るには?

読んだ本:センスは知識からはじまる

どう活用したのか

自分がデザインしたことのない、新しい領域のインプット法として取り入れました。 この本の中で、効率よく知識を増やすコツが紹介されています。

1. 王道から解いていく

そのジャンルで良いとされているもの・最適化されているものを知るということ。「王道」を探すことで副次的に「王道ではないもの」にも出会い、そのジャンルを深く知ることができる

2. 今、流行しているものを知る

時代や環境に合わせてそのジャンルを広く知るということ

3. 「共通項」や「一定のルール」がないかを考えてみる

インプットした情報を分析・解釈することで、自分なりの知識に練り上げること

この「王道」と「流行」を軸に、施策で行ったレシピ本とそのキャンペーンデザインを作るための情報収集に活用しました。
具体的には、レシピ本の構成やレイアウトから、使用している紙・フォント・色合いなど細部まで、書店で何冊か手に取ったり、購入して実際に料理する際に読んだりして観察しました。
そして得られた情報から自分なりの「レシピ本デザイン」を言語化し、デザインに落とし込みました。

こちらの記事にその詳しいデザインプロセスをご紹介しています。

どうだったか

レシピ本についてほとんど無知な私でしたが、短期間で広く深く知れ、自分なりのレシピ本デザインの知識を練り上げることができました。また、知識をもとにデザインを組み立てたので、曖昧になりがちなビジュアルデザインを言語化し、デザイナー以外のメンバーにも共有して、プロダクトの認識を合わせることができました。

長期的に取り組むソリューションを決める。新しいアイデアをたくさん出すには?

読んだ本:直感と論理をつなぐ思考法

どう活用したか

今までのクックパッドの投稿体験では前例のないようなソリューションを考える機会がありました。ソリューションアイデアを発散させる際に、この本で紹介されている「組替」の技法を試してみました。

「組替」の技法

1. 変化を起こしたい事象の「当たり前」を洗い出し、違和感のある「当たり前」をひっくり返す(分解)
2. ひっくり返した事象と世にあるモノを掛け合わせ、その性質を解く(再構築)

この手順で、変化を起こしたい事象をあらゆる角度からインプットし、それらを元にアイデアを出していきました。

どうだったか

「既存要素の組み替え」なので、自然と新しいアイデアが出せるようになりました。何と何を組み替えるか決めたらそれをもとにアイデアスケッチを描くので、短時間でも十分なアウトプットができたと思います。
またフレームワークになっているので、初めてのメンバーでも一緒に実践しやすかったです。

具体的な体験とUIを詰める。パターンをたくさん出すには?

読んだ本:広告コピーってこう書くんだ!読本

どう活用したか

コピーの書き方は 散らかす → 選ぶ → 磨く の3ステップがあり、その中の「散らかす」方法をUIのパターン出しに取り入れました。

・一晩で100本コピーを書く方法
・「描写」じゃない。「解決」なんだ
・葉っぱから森をつくろう ...etc

などなど、「散らかす」方法はいくつか紹介されていて、今回は 一晩で100本コピーを書く方法 を参考にしました。
方法としては、自分の知り合いを思い浮かべて、コピーを書こうとしている対象との関係を描いていくというものです。例えば「ビール」のコピーを書くのであれば、「おじいちゃんとビール」「父親とビール」「赤ん坊とビール」「〇〇先生とビール」...と、思い浮かべた人の分だけビールとの関係性がありコピーが書ける、としています。この「コピー」を「体験」に置き換えて考えてみました。

どうだったか

具体的な人物(隣の席の同僚やインタビューに来てくれたユーザー)を思い浮かべることで、パターンの数だけでなく具体的な仮説を立てて体験を考えることができました。
また「体験」を軸にパターン出しすることで、体験ごとのUIも数を出せるようになります。

最後に

どんなアイデアを出したいかに合わせて方法を変えることで、短期間でも満足のいくアウトプットが出せるようになります。ご紹介した事例以外にも本の数だけ方法はたくさんあると思うので、まずは手に取ったその一冊からひとつtodoを見つけて実践してみることをおすすめします。

さらに私の部署では、本を読んで自分なりの理解や考えたことを書き残す取り組みがあります。

本から得たインプットを忘れないようにすることがメインですが、チームメンバーを巻き込んで実践したり、誰かに本を勧めるときにもこうして書いておくと役立ちます。

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最後になりますが、「Cookpad Design」ではデザインにまつわる様々なお話を定期的にお届けします。こちらのマガジンをぜひフォローしてください。




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