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とある食堂 鴨なんば

【2019.12.3のブログ】

今日はとても寒かった。



朝からロクなものを食べてなかったので
寒さが身にしみたのだ。



何か温かいものでも食べようと、
神戸のとある古びた食堂に入った。


店に入る前から今日は
温かい蕎麦を食うと決め込んでいた。



そこの食堂はホールというのか
店員さんが女の人2人も居たが
私が座った座席には来てくれず、

厨房側から、
何しましょうと言ってきた。




私は初めて入った店なので、
少し戸惑いながらも

壁に貼ってあるメニューを見ながら
少しの間迷いながら温かい蕎麦を探して



鴨なんば(420円)を頼んだ。



店の中をキョロキョロしつつ、
有名人のサインが壁一面にあった。
老舗だし美味しいのだろうと期待した。




その後、1人の老人の男性がヨタヨタと店に入ってきた。
常連らしい。


その老人が着席してすぐに
その老人のテーブルに食べ物が運ばれた。
常連だから食べるものも決まっているのだろうか。



それはまあまあ、
微笑ましく見ていた。



そして、私が注文した鴨なんばは
別のテーブルかその老人の食べるものを置いた後ついでに
置かれる感じにテーブルに出された。
それを見て私は驚いた。






ちいさっ!





私が頼んだ鴨なんばは、
麺類用の鉢ではなくって
小ぶりとまではいかないが
中ぶりの碗の中に入っていたのだった。




もっと驚いたのは、
鴨ではなく鶏肉だったのだ。



それでも体が冷えていたから、
そんな事構わず
熱いのに一心不乱に食べた。



ダシはまあ効いていたが、
鴨の味はしなかった。


まあ当たり前だ。


鶏肉だからな。




中椀の中の蕎麦がそろそろ無くなろうと
する時、



何とあの常連の老人が
会計をしようと席を立ったのだ。




はやっ、



と心の中でまた驚いた。




どんだけ食うの早いんだ。


私と違って彼は定食だったぞ。





そして、これは店に入ってすぐに
気づいたのだが
この店にはレジが無い。


ドアの近くの一角の机に
小銭が皿で大量に置かれて
それで会計をする。


お札は無造作に木製の五段ある小引き出しの
一番したの段にしまってあった。




これは凄い店に入ったと思った。



昭和のシステムをそのまま受け継いで活かしている
時代を超越した店だ。




しかし、時代が変わろうが
鴨なんばは鶏肉ではないと思うが…

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