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あなたの視線(前編)

-続く-


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新しい年となり、十日余りが経ちました。
今日、東京では初雪が降ったそうですね。
これからまた益々冬濃くなってゆくなかで、心はまだまだ“新年”気分に浸っていたい大島です。

ということで、今回のおまけは、この時節ならではの「初詣デートの思い出」について、わたくし大島とつきさんとの思い出を比較しながら(笑)綴ってみたいと思います。

***

というか、我が家には「初詣」の習慣がなかった。

母がクリスチャンだったからだと思うけど、家族や友人はたまた恋人と「新年に神社にお参りに行く初詣」という習慣があるのを私は、大晦日に紅白が熱狂のうちに幕を引き、突如『ゆく年くる年』と縦書きタイトルでごーーんとおごそかに切り替わるテレビの画面の中に知った。

そして、私がきちんと初詣に繰り出したのは、「初詣を口実にしたデート」が最初だった。

当時アルバイトをしていた映画館で、映写をしていた男の子に私は毎シフトときめいていた。

チケット売り場のガラス越しに、彼が前方を通り掛かるたびにただ見つめるだけの存在だったけれど、なんでだろう。恋って、うまくいくときはトントンとうまく運ぶものみたいで。ちょっとしたことがきっかけで顔見知りになり、年末の会社の大忘年会で急接近。そしていつの間にか初詣に行く段取りになっていた。

そして当日──。

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