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チョコレートケーキの幼馴染(前編)

-後編へ続く-

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今回のおまけは、クリスマスにふさわしい……かは分かりませんが、前回の“半分懺悔”エッセイ〈ゼネコン男子とのお見合い編〉につづく、かつてクリスマスの時期に行われた〈韓国でのお見合い編〉をどうぞ。

クリスマスイブの往路チケット

2012年の9月から12月の3ヶ月間、韓国のソウルに語学留学をした私は、帰国も差し迫ったクリスマスシーズンにお見合いをしました──。

韓国には親しい女友だちが二人いて、そのうちのHが「お父さんの会社の取引相手の部下(30代後半)」という韓国人男性を紹介してくれることになったんです。

そもそも、なんで韓国でお見合いをすることになったのか?

それは、「韓国人と結婚すれば、ご飯も文化も大好きな韓国で暮らせて、友だちにもいつも会えるから! しかも韓国には地震がない!(たまにあるけど小さい)」という単純すぎる理由からでした。

いつも友だちと、「トモエ〜韓国に嫁ぎなよ〜!」「私もそうしたいよ〜誰か紹介して〜!」という会話を重ねていたので、Hも家族にそんな話をしてくれたのでしょう。

韓国でも「ソゲ(紹介)ッティング」といういわゆるブラインドデートみたいのはよくあって、そういうノリで私は友だちに紹介をお願いしてたんですけど、Hの持ってきてくれた紹介はそれとはちょっと違って、若干本気のお見合いっぽかったんですよね。

そこで「アレ……?」と待ったを掛ければよかったのですが、「これも韓国留学のひとつの経験になるかな……」などと、ちょっとトライアル気分があったことも否めません。

だってもしかしたら、入り口は堅苦しいお見合いでも、良縁に恵まれるチャンスにもなるかもしれないじゃないですか。

じゃないですか……!(しかしこの考えが甘かったッ‼︎)

だから私は当日、下宿先の友達にシックなワンピースを借り(前回のモンドリアン柄とは違いモノトーンの落ち着いたやつ!)、朝イチで韓国人友達HとKと美容室へ赴きわざわざヘアスタイリングをセットしてもらい(今思えばこの瞬間がいちばん楽しかった)、友に見送られてHのご両親が待つ駅前の喫茶店へ行ったのでした──。

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