上級1表題4

月影太陽光発電所 発電21日目 上級1

 素浪人エンジニア月影です。
太陽光発電は理財商品ですので、投資対効果を確保するには、機器寿命と保守運用コストに、関心が高いと想います。なかでも、太陽電池モジュールは高額部品であり、経年による性能保証は20年程度ですので、メーカー保証終了後の運用においては、故障パネルのみの交換修理や、全数交換などを判断する必要性があります。屋根設置においては、屋根からの撤去費用自体が高額ですので、メーカー保証終了後も、部分交換修理による継続使用を期待したいところです。しかし、劣化モジュールのみを交換する保守運用には、正常にみえる残存モジュールにも寿命推定リスクがあり、部分交換修理時の採算判断は悩ましい問題です。
 太陽光発電機器の寿命・更新時期については、業界団体:太陽光発電協会(JPEA)「太陽光発電システム保守点検ガイドライン【住宅用】第2版では、機器毎の設備更新時期は個々にメーカー確認をする、の記載があります。設備更新時期の基準は、【「長期使用製品安全点検・表示制度」の対象品目ではなく,また,標準使用期間設定のための条件等が JIS 等にて明確化されていない。このため,統一した考え方に基づく製品寿命を示すことが難しく,設備更新時期については記載をしていない。】と解説がされています。
 部材毎に、どの部位の劣化を寿命とするかは、設計や使用環境、さらには 加速試験手法や劣化診断技術によっても左右される技術であり、メーカーには開発コストがかかる設計技術ですので、上記の判断になると想います。
なお、 メーカーが設備更新時期に達していると判断すれば 、下記の記載がありますので、対象機器の撤去が必要なことが、明記もされています。
  ・太陽光発電システムの設備更新時期を超過しており,かつ継続使用
   しない場合は,太陽電池モ ジュールや接続箱,PCS,配線ケーブルな
   どについて,安全確保に必要な範囲で設備の取り外しと保全処置
を行
   う。
  (設備の廃棄や、撤去後の屋根部材処置への注意も書かれていますの
   で、必要のある方は同ガイドラインを一読ください。)

 これらの考え方を整理すると、メーカー保証期間と設備更新時期までは時間差があり、定期点検による保守メンテナンスと修理判断をする期間が設備所有者には存在する事になります。
定期点検等において、劣化箇所や太陽電池アレイに発電不足等が発見された場合は、業者は故障個所を診断し、メーカーの保証期間内であれば、責任内容に応じた交換修理で対応ができます。しかし、メーカー保証期限が過ぎていても設備更新時期に達していない期間の故障時には、高額な太陽電池アレイの修理では、故障パネルの交換処置や故障パネル部の配線バイパス処置の採算判断をする必要性が生じることになります。
 FIT制度により、太陽光発電は大量の投資回収・保守運用管理の件数が大幅に増加しましたので、システム点検・保守運用提案業務に携わる方も多いと想います。上級編では、保守・運用における太陽電池アレイの性能診断に便利な、回路CAE:LTspiceによる発電性能シミュレーション方法や、各社のモジュール・カタログ値からのモジュール等価回路作成手法を交えて説明をしたいと想います。また、太陽電池アレイの発電性能診断では測定確度(診断精度)が重要ですので手法や考え方について、お付き合いをいただけたら幸いです。

・今日の寄り道...
 秋になり、お城勤め時代の元同輩ん家の栗ひろいの手伝いで、noteをお休みしてました。。。栗園では、栗が弾けて落果する音や、いがの落果する音などの実りの秋音に包まれた作業になります。ただし、朝に収穫⇒選果⇒昼に出荷、夕方にも収穫し、夜に選果する作業が、40日程度は休み無しで続きます。雨が降れば、落果する栗は増加するので大変です。。月影は、選果技能が無いので、昼は自家用の栗菓子用ストック材料作りをしていたので、楽しいお手伝いでしたが。。。新鮮な栗が、美味しい栗菓子の秘訣と理解できました! でも、品種による味の差異までは、わからなかった。。。

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素浪人シルバーエンジニア 月影四郎と申します。幕府学問所を卒業後、仕官したお城づとめも終了し、素浪人として歩き始めました。  皆さまに楽しんでいただけたらとふと思いたち、徒然なるままにnoteデビューした次第でございます。